サイエンスZERO 未来の気候変動を探れ!“チバニアン”研究最前線! NHK 3/23放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

感想
千葉県の地層がこんなに有名だったとは知らなかった(失礼)
プランクトンの分析から過去の気候、海水温を割り出せるとは。
人類の営みが氷期に向かうのを抑えているのは、いいことだと思えるけど「やりすぎ」なのがマズいんだよな・・・
オマケ
氷期と氷期の間を「間氷期」という。今は四番目の間氷期。
安部公房のSF小説に「第四間氷期」というのがあった。

1958年の時点で地球温暖化を予言した。まさにノーベル賞レベルの作家。残念ながら1993年に死去(享年68歳)

内容
進行 井上咲良、浅井理
解説 岡田誠 茨城大学 理学部 教授


 

気候変動の基準となる指標を求めるのに重要な「チバニアン」


千葉県で2020年に登録された地質年代の基準のこと。

過去の気候変動を知る宝庫でもある。

チバニアン:77.4万~12.9万年前の地質年代。


ホモサピエンスが登場するのはチバニアン末期。
地磁気逆転の最後の年代を特定した地層でもある→コチラ
この地層は1000年間で2mあり、一般的な海底地層の100倍。
この間に、気候変動の情報が入った生物化石が多数ある。

チバニアンの時代(77万年前)と現在の気候が似ている
氷期が終わり、間氷期に入って一万年ほど経過した時期。


氷期と間氷期では、マンモスの形態が異なる。


繰返すのは、地球が受け取る太陽の熱量変動が要因。
今の気候変動は、人間活動による温室効果ガス増大(温暖化)
本来あるべき気候の基準を知る必要がある。

気象衛星があれば観測可能。だが過去にはない。
石の中にある植物プランクトン「円石藻:大きさ5μm」を使う。


石を粉末にして溶剤処理し、油の成分を精製→「アルケノン」
ガスクロマトグラフにかける。ピーク確認(二重結合)
これの数値評価を行う。水温の違いでアルケノンが異なる。


暖かい時:二重結合2つ。寒い時:二重結合3つ。
比率が分かれば当時の海水温が分かる。海水温=A/(A+B)


換算グラフから算出。150ケ所を調査。


人類が出す二酸化炭素の影響が判明する。


もし人間が居なかったら氷期が進んで行く。なのに地球の気温は上がっている(多大なインパクトを与えている)

チバニアンの化石から海流の復元も可能。
黒潮の蛇行。黒潮は低緯度から高緯度に熱をたくさん運ぶため、地球の気候変動に深く関わる。
チバニアンの石を砕きフルイにかけ、有孔虫を抽出。


動物プランクトン。星の砂も有孔虫の仲間。大きさ0.5mm。
浮遊性のものは深さにより種類が違う。アルケノンの分析により、深さごとの海水温分布が分かる。

現代黒潮の分布と比較。
黒潮は77万年前、房総半島沖まで届いていた。
寒い時期には黒潮は南下していた(77万年前当時)風の影響も。
大気循環も考慮し、黒潮の変動を推測した。
2~3千年周期で北上と南下を繰り返す。その北限が房総半島沖。
一方現在の黒潮は2023年、東北の三陸沖まで北上している。


チバニアン期と異なるのは、人間活動による地球温暖化。
 

「温故知新」が大切(岡田)
注目しているのは「環境DNA」生物の排泄物、皮膚片等に由来するDNA断片の事。水から生物種を推定。
気候変動に対し生態系がどう変わったかを網羅的に知る。
地磁気の逆転が生態系にどう影響を与えたかにも取り組む。