べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 6~10回 大河ドラマ 2025年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

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 1~5回 

 

感想
だんだんと面白くなって来た。
吉原内で細々と貸本屋を営んでいた蔦重が、アゴで使われていた鱗形屋が捕まったことで、吉原細見に関わるチャンスを掴む。
だが地本問屋らは、結託して蔦重を仲間には入れない。
そこで女郎屋の親父たちが蔦重に加勢。8回で親代わりの駿河屋市右衛門が、鶴屋を階段から突き落とした場面は痛快だった♪
そんな中で、盲目の超富豪「鳥山検校」登場!
この市原隼人、「おいしい給食」でちょっと暑苦しい教師を好演していたが、こういう役もなかなかイケるなぁ。
瀬川のために何かを残したいという、蔦重の思いが「あちこち」波紋を呼んで「女郎絵本」が出来上がった。絵本制作プロセスは以前にもやっていたので、今回は一瞬にして完成(笑)
落籍のための道中を経て瀬川は退場(惜しい!)
でも予告編観ると、まだ登場場面はあるみたい~~
幕府 賢丸の話も絡んで、さてどう展開して行くか・・・

ちょっとレクチャー
1.女重寶(重宝)記:蔦重が、良かれと思って瀬川に渡した本。女性のための教訓書。しきたり学んで幸せになれよ、との思い。
2.9回で蔦重が瀬川に渡した本は近松門左衛門の「心中天綱島」一緒に足抜けしようとの思いも半分あった・・・

美術展ナビ回想(なかなか勉強になる)

6回 7回 8回 9回 10回


あらすじ
第6回 鱗剥がれた『節用集』 2/9放送
仕事を請けたことで鱗形屋の内情を知る蔦重。あの大火の影響で今も資金繰りに苦しんでいた。評判になる本を考えて欲しいとの相談を受ける蔦重は、花の井らとの話の中で青本を思いつく。


絵入りの娯楽本だが、店にあるものは古くさく見直しが必要。

一方江戸城では意次による倹約指導もあって、財政も大火以前の状態まで持ち直していた。それを受け松平武元は将軍家の墓参である「日光社参」を行いたいと言い出す。莫大な費用のため反対する意次。だが家治様の願いだと譲らない武元。緊張が高まる。

蔦重は須原屋から、大坂の柏原屋が「新増早引節用集」(節用集は辞書のこと)を持って来たと聞く。それは柏原屋が出している「増補早引節用集」の海賊版。須原屋が疑われていた。
蔦重は、同じものを鱗形屋の息子が持っていた事を思い出し、調べ始めた。そして鱗形屋の関与を確信する。だが告げ口になるのを嫌い、様子を見ることに。

ある日、青本の事で鱗形屋を訪れていた蔦重。そこへ同心とやって来た長谷川平蔵。多くの「新増早引節用集」を見つけ出す。
捕えられた鱗形屋だが、居合わせた蔦重は平蔵が「関係ない」と言って助けた。それを見て蔦重が密告したと怒る鱗形屋。


 

密告はしなかったが、忠告もしなかったと平蔵に言う蔦重。
鱗形屋が居なくなれば、との思いがどこかにあった。
「うまくやるってなぁ・・・こたえるもんですねぇ」
そんな蔦重に粟餅を渡す平蔵。濡れ手に粟と、棚からぼた餅の合体。とびきりうまい話に巡り合った。それを食べる蔦重。




第7回 好機到来『籬(まがき)の花』2/16放送
鶴屋で行われている地本問屋の寄り合い。鱗形屋の投獄の事でもちきりだった。鶴屋喜右衛門が、代わって細見を出そうという者を募ると西村屋が立候補。そんな時に蔦重が訪れる。
「改」として俺が使ってやると言う西村屋に、自分が版元となって細見を出すと言う蔦重。今までの倍売れるものを出すと豪語。
その細見を作らせ、倍売れたら仲間に入れると言う鶴屋。
蔦重が帰った後、競って細見を出すよう西村屋に勧める鶴屋。

早速その話を親父たちに話しに行った蔦重。怒る大文字屋らを前に、ここで吉原者が地本問屋になれれば、錦絵などの入銀本を市中に売ることが出来ると言った。吉原を売り込み放題に出来る。
皆が賛同するが、真に受けていいかと危惧する市右衛門。
西村屋が鱗形屋を訪れ、女将のりんに細見の板木を買い取りたいと言って金を見せる。更に金を積み増すと息子の長兵衛が出て「おとっつあんでないと決められません」ときっぱり断る。

細見を半値で作る案に没頭する蔦重。二郎兵衛と蕎麦屋の主人 半兵衛に頼んで町の意見を集める。大見世だけでなく小さな店も載せたい。そこへ源内の仲間 小田新之助が訪れ、細見が薄くなれば持ち運びに便利だと助言。松葉屋の「うつせみ」に会える様にするとの条件で制作にも参加させる蔦重。


そんな折り、親父たちの集まりに呼ばれた蔦重。そこには西村屋がいた。浅草の小泉忠五郎と組んで細見を作るとの事。蔦重だけに任せられないという、問屋衆から頼まれたと言った。
西村屋が去った後、蔦重の細見を仕入れた店の女郎は、錦絵の「雛形若菜」に載せないと脅されたと話す市右衛門。
あいつらは楽して儲けてえだけだと怒る蔦重。協力を求めた。

全ての店と女郎を載せるため、情報集めに奔走する蔦重。
何とか蔦重を助けたい花の井は、花魁が名跡を継いだ時に細見がバカ売れする事を耳に入れる。四代目「瀬川」の時も・・・
細見作りは蔦重が情報を集め、新之助が清書する形で進むが、次々と内容が更新されるのでイラつく新之助。
蔦重の作業も終盤になった時、稲荷に花の井が来て自分が「瀬川」を襲名すると言って、それを書いた紙を渡した。瀬川は不吉な名。心配する蔦重に、幸運な名跡にすると笑う花の井。
「男前だな、お前・・・」「任せたぜ、蔦の重三」

そして地本問屋の交換仕入れの日。西村屋が自信満々で自分が使った細見を披露する。人気は上々。
そこに荷物を背負って訪れた蔦重。鶴屋にそれを渡した。
細見の名は『籬(まがき)の花』
普通の半分以下の厚さだが、全ての女郎屋が入っている。そこに襲名した「瀬川」の名が。西村屋の細見には載っていない。
売値は従来の半値。四十八文と二十四文では大きな違い。
あちこちから「売ってくれ!」の声。
だが、巻末の「板元 蔦屋重三郎」を見つめる鶴屋。
そして釈放され店に戻る鱗形屋。


第8回 逆襲の『金々先生』2/23放送
稲荷で花の井に会う蔦重。細見は全て問屋に捌けたという。
店に戻り、鱗形屋の裁きが出た事を知る蔦重。節用集の板木と摺り本二千八百の召し上げだけで終わったという。
孫兵衛から事情を訊く鶴屋。須原屋の尽力で軽く済んだ。
蔦重が出した細見を見せる鶴屋。とても本屋じゃないと挑発。
街中でウチの細見は西村屋の半額だと触れ回る蔦重。皆が買う。
蔦重の細見は、宣言通り二倍以上の売り上げとなった。
蔦重が細見を売り、瀬川が客を引き寄せる。吉原繁盛の立役者。

地本問屋「耕書堂」として親父たちから祝われる蔦重。珍しく酒を注いでくれる市右衛門。だが町で過激な瀬川人気を知る蔦重。
源内、新之助に瀬川を会わせようとするが、多忙すぎて無理。
どうやったら瀬川に報いる事が出来るか悩む蔦重。以前のいきさつ(2回)で瀬川の気持ちを知っている源内は、いっそ身請けしたらどうかと言い出す。そもそもそんな発想がない蔦重。
吉原者は、そのテの心根を抜かれてしまうと言う。

意次に炭の件の報告を行う源内。屋敷では社参の準備中だった。
花魁が襲名して吉原が賑わっている事を引き合いにして、社参の道中も民には良い見物だと言う源内。宿場の商いも盛り上がるし、銭の出入りを工夫すれば、二朱銀への置き換えも進む。
真剣に考え始める意次。

松葉屋で、瀬川が「強蔵(つよぞう:絶倫男)」の相手をさせられたと聞いて、女将のいねに抗議する蔦重。

他の女郎だったらいいのか?とカミつく松の井。

瀬川が受け切れない客の相手をするのに、他の女郎へシワ寄せが行っていた。

そんな話を蕎麦を食べながら新之助と話す蔦重。

女郎の幸せは身請けだと言う新之助に対し、それよりも間夫(まぶ)だと言う、店の半次郎。瀬川には居なさそうだと呟く蔦重。
そんな頃、昔蔦重から貰った「塩売文太物語」を手に取る瀬川。


青本の販売について鶴屋に相談する孫兵衛。初めは少なく市場に出して飢えを煽り、一気に売ろうと言う鶴屋。
須原屋へ話を聞きに行く蔦重。鱗形屋の件は、手を組んでいた侍に裏切られたのが真相。本件を収めたのは須原屋だった。
江戸で生まれた本屋はウチと鱗形屋だけ。助けるしかない。
蔦重の用事は、ある女郎に本を贈りたいという相談だった。

鳥山検校という、盲目の大富豪の相手をする瀬川。高利貸しを認められ、巨万の富を得ている。初回の花魁は座っているだけだから退屈だろう、と多くの本を持参し、附いて来た女郎たちにも勧めた検校。しきたりを破り、声を楽しませるためにその一冊を読み上げる瀬川。それは「金々先生英榮花夢


次郎兵衛が面白いと言う同じ本を読んでみる蔦重。ある若者が、うたた寝をする間に見た夢の話。絵もあり読物として画期的。
蔦重が集めて来た話で、鱗形屋がめっぽう面白い本を作った。

瀬川が心配して蔦重のところへ来る。鱗形屋がもち直したら、蔦重が本屋の仲間入りする話が微妙になる。だが、親父たちが協力してくれると話す蔦重。それが少し寂しい瀬川。
そんな瀬川に一冊の本を渡す蔦重。それは「女重寶(重宝)記


身請けされてとびきり幸せになって欲しいから、これを読んで学んで欲しいとの思い。「重三にとってわっちは女郎なんだね」
有難く読み込むと言って去って行く瀬川。ばーか、と影の声。

鶴屋はじめ本屋仲間が、鱗形屋を連れて蔦重を訪れる。
松葉屋で一席設ける吉原の親父たち。だが盃を受けない鶴屋。
鶴屋が促し、鱗形屋が例の青本「金々先生英榮花夢」を見せ、評判も良い様なので今後もよろしくと挨拶。今後鱗形屋を支えて行くので「耕書堂」の話はなかった事に、と言う鶴屋。細見はこちらで作るが、問屋にはタダで出すとの好条件を出す蔦重。
乗り気になる西村屋だが、それを制する鶴屋は皆を退席させて自分一人となった。そして、吉原者を市中に加えるのに反対の者がいると話す。更に他人の口だが、と言って悪口を並べ立てる。


そんな鶴屋の前に歩み出た市右衛門が、その首を締め上げて廊下まで引きずる。そして階段から突き落とした。


俺だってあんたらと同じ座敷には居たくねえ、と市右衛門。
「出入り禁止だ」との言葉に継いで松葉屋が「てことは、皆さんは吉原の本は作れない」決裂した両者。


第9回  玉菊燈籠恋の地獄 3/2放送
「では、今後私らは吉原に一切関わらないという事で」と言い去って行く鶴屋。市中には売り広めてもらえねぇ、と心配する蔦重に「市中と手を切っても、やってける様にするのがてめぇの仕事だろうが!」と怒鳴る市右衛門。
蔦重を訪ねて来た新之助。うつせみが、自分で花を買って自分を店に上げると言い、自分の不甲斐なさを自虐する新之助。
そんな時に町を歩く瀬川とすれ違った。 皆から声が上がる。
その先で待っていたのは鳥山検校。仲の良い様子を見る蔦重。

検校に専用の箸を渡し、これからは自宅と思ってと言う瀬川。
そんな瀬川の声音に微妙な萎れを感じて問う検校。そんな場を盛り上げるため、花魁を回りに歩かせ、人当てをする検校。
検校を、稀に見るいい男だといねに言う瀬川。いねは、実は検校から身請けの話が出ていると話す。
「その気はあるかい?」と訊かれて絶句する瀬川。
新しい細見の検討をする蔦重だが、瀬川と検校の事が気になる。
うつせみと夜を共にしながら、蔦重と瀬川が恋仲ではないかと問う新之助。あまりにも今さら、と疑問に感じるうつせみ。そんな折りに新之助が、うつせみの腕に彫られた「長サマ命」の入れ墨を見つけてしまう。



親父たちの寄り合いに呼ばれて、瀬川が検校に身請けされそうだと聞く蔦重。身代金は千両だ、といね。瀬川も乗り気だという。
また新之助が来て、身請けについて聞いた。うつせみなら三百両と言われ、がく然とする新之助。彼を呼ぶ花代を稼ぐため、タチの悪い客に入れ墨を彫られていたという。だが助けられない。
金のない男の懸想など迷惑な話だとの言葉に「そうっスねー」

蔦重に呼ばれて稲荷に来た瀬川。身請けが決まった話を聞く。
それ、断ってくれないかと頼む蔦重。地本問屋と揉めて吉原だけで細見を売らなくちゃならない時に、居なくなられると困る・・
それに検校で手を打つことはないとも。あいつはクズ中のクズだと言う蔦重。金貸しで儲けるヒルみたいな連中。
あんただって私に吸い付くヒルだ、と言い返す瀬川。
「頼むから、行かねえで」と頭を下げる蔦重。
「俺がお前を幸せにしてえの」「どうやって幸せに?」
「どうにか」「どうにかって何だよ、べらぼうが!」
「年季明けには請け出す」「心変わりなんてしないだろうね」


「当たり前だ、自分の気持ちに気付くのに二十年かかってんだ」

「そうか・・・」納得する瀬川は泣き笑い。

松葉屋半左衛門といねに、身請けは本人の都合で断ることが出来ると確認する瀬川。身請け証文まで交わしていると言ういね。
理由を訊かれ、断った方が瀬川の値打ちが上がると答えた。
「私から断っとくよ」と意外にあっさり折れたいね。
瀬川が去った後「ありゃあ、男だよ」と半左衛門に言ういね。
「間夫が出来たんだ」作るとしたら、アレしか居ねえだろ・・・
その日から瀬川の監視が始まるが、なかなか尻尾を出さない。
二人は人目を欺き続けた。貸本に挟んだ文で蔦重に警告。監視役のおまさは、何の気配もないと報告。それが証拠だと言ういね。
「もう、やるしかないかね」と言ういね。

瀬川に大勢の客を押し付けるいね。瀬川襲名に大金をかけた。
半左衛門に、いねを抜きにして瀬川を交え話したいと言われる蔦重。それを受けて蔦重が離れに行くと「長引いている様だな」と言って半左衛門が障子を開けた。そこには客の上に跨って体を動かす瀬川が。目が合ってしまった。


「どれだけ飾りたてたって、これが瀬川の勤めよ」年季明けまでこれをずっとやらせるのか、と問う半左衛門。今お前に出来るのは、何もしねえってことだけだ・・・ 去って行く蔦重。

新之助が、玉菊燈籠を見たいと言ううつせみを連れて、蔦重に通行切手を書いてくれるよう頼む。気軽に本名を聞き「ひさ」と書いて渡した蔦重だが、ふと何かを思う。


 

その晩、通行切手を前に「しお」と偽名を書く蔦重。

妄想が始まる。最後の客が寝入った後、女を連れ出してどこかに潜み、朝一番に大門の門番に切手を見せて外に出る(足抜け)

その切手を「天綱島」の本に挟んだ蔦重。

だがそれと同じことを、うつせみと新之助がやった。

 

門番に切手を渡し外に出た二人。

翌日、顔を出した瀬川に面白い本が入ったと言って渡す蔦重。
そこに切手が挟んであるのを見て思わず閉じる瀬川。
そんな時いねが来て、うつせみがいないと言う。「足抜けだ!」

 

新之助と手を取り合って逃げるうつせみだが、簡単に捕まる。

幸せになりたかったと言ううつせみに、水をぶっ掛けるいね。
それを静かに見つめる女郎たち。瀬川もいた。
長屋で、形だけの切腹をしようとしていた新之助を止める蔦重。
うつせみは死なないと言った。吉原は女郎を殺したりしない。
誘ったのは自分だと言う新之助。不甲斐なさに耐えられず。
いねに、先代の瀬川の事を聞く瀬川。身請けされて出て行く事が、他の女郎の目標になると知った瀬川。

瀬川が来て、この本はバカらしかったと言って蔦重に返した。
足抜けした女郎と間夫の話。すまねえな、と言う蔦重に、バカらしくて面白かったと続けた瀬川。このバカらしい話を重三が教えてくれた事を、一生忘れない、とも。返してくれた本には、半分ちぎれた切手が挟まれていた。
程なくして、瀬川の身請けが正式に決まる。身代金は千四百両。

そしてもう一人、年の暮れに住み慣れた場所を離れる者が。
それは田安賢丸。妹の種姫が種を持って来た。


それを見て「そうか、種を撒けば・・・」


第10回 『青楼美人』の見る夢は 3/9放送
母 宝蓮院「江戸城に種を撒くのです」と言う賢丸。
家基(西の丸様)と将棋を打つ賢丸。

それを見ながら伊保の方に「賢丸がここを出たら今後西の丸様とこうするのは、あの足軽あがりの息子なのですね」と話す宝蓮院。「田沼の息子・・」と爪を噛む伊保の方。

そんな様子を隣で聞いている松平武元。
「どうにかならぬのか?」と武元に問う伊保の方に
「一つだけ手がございますかと」それを聞き微笑む賢丸。

親父たちが将棋を指しながら、年の瀬に瀬川がやる「花魁道中」の事を話す。正月なら細見も売れるのに、との話に「暮れに売っちまえばいい」と大黒屋のりつ。ついでに女郎絵も売れ、とハッパをかけられる蔦重。ついでに市中の本屋を潰す・・・
いねに付いて、身請け披露の挨拶をする瀬川を見掛ける蔦重。


そんな時、出入り禁止になった本屋の連中を見つける次郎兵衛。
「若木屋」に入って行ったその面々。駿河屋たちとは異なる派閥の前で、吉原を締め出された件を話す西村屋。駿河屋の方から言い出した話だと聞いて「おかしい」と言う若木屋は、自分たちは今まで通り市中の本屋と付き合うと皆に同意を求めた。

街で、自分の細見が販売中止になっている現実を知る蔦重。
まとめてクズ屋に出され、吉原の悪評も流されている。


見掛けた源内に相談しようとしたところに顔を出した須原屋。
締め出したつもりが、市中から締め出されたのか、と源内。
役者絵を売る店に行き、役者してねえ絵を売ってもいいんじゃねえかと問う蔦重。一方源内は自分のやりてえ事をやれと言う。
吉原を、女たちのためにもいい場所にしたいと言う蔦重は、吉原の絵を上様に献上出来ないかと言い出す。噂だけでもいい。
「少なくとも、田沼様までは届くよな?」と須原屋。
父 徳川家治に、賢丸の事でお願いがあると申し出る家基。

上様に女郎絵本を献上したいと聞いて驚く親父ども。献上本として箔が付けば、格が上がり間違いなく売れると言う蔦重。
そんな高い本、どうやって作る?との問いに「目星はついてる」
だが費用が百両と聞いて、とたんに腰が引ける親父ども。
そこに駿河屋がポンと財布を投げて「俺が五十持つ。残りは皆にお願いしろ」と言った。だが「これは貸し付けだ」と続けた。
「売ってみせますぜ」と言う蔦重。
絵師の勝川春章に絵を頼む蔦重は、下絵を描かせるために松葉屋へ誘った。そこにいた瀬川をチラっと見る蔦重。

吉原絵本が完成し、田沼意次のところへ持ち込んだ源内、市右衛門、蔦重。上様への献上のお願い。
説明を始めようとした蔦重に「お前、ありがた山か?」と意次。

あの時のことを覚えていてくれていた。


話を戻し、瀬川の落籍祝いと共に天下御免の吉原の格を上げたいと話す。瀬川の道中は、社参を見直すきっかけにもなったと言う意次は、恩返しの意味も込めて引き受けた。

吉原絵本を献上した折りに、家治から田安の種姫を養女にするとの話を聞かされる意次。ゆくゆくは家基と夫婦にする考え。
賢丸の、白河行きと引き換えを訴えた家基。間を取り持つ武元。
田沼家の将来に不安を感じる意次。大奥に入った種姫。


「瀬川花魁 落籍 名残の道中」の告知が出された。


それに向けて親父どもが動き出す。瀬川に渡してと絵本を出す蔦重に「忙しいから自分で渡してくれ」と気を回す松葉屋。
今日着る白無垢を見ている瀬川に絵本を渡す蔦重。自分が載っている事に驚く。「瀬川最後の絵姿、と謳わせてもらいますんで」

女郎をしていない女郎の絵、という趣向。

楽しかった事ばかり思い出すと涙ぐむ瀬川。

女郎が、いい思い出を一杯持って大門を出て行けるようにしたいと言う蔦重。「二人で見てた夢じゃねえの?」
「この夢から醒めるつもりはねえ。ずっと観続けるよ」
「そりゃ、まあ、べらぼうだねえ」

安永四年十二月。瀬川最後の道中が披露された。多くの花魁があとに続き、道中に花を添えた。大門の前でそれを待つ蔦重。


そして皆に頭を下げたのち、一人で蔦重の横を通って大門から出て行った瀬川。その先で待っている検校。
そして蔦重の発声で、女郎絵本の販売が開始された。
「上様もご覧になったという噂ぁー」群衆が買いに走る。
西村屋が絵本を手に入れて鱗形屋、鶴屋に教える。


「これは、売れません」と笑う鶴屋。