ヒューマニエンスQ 「“血液” 魔法の体液」BSP 2/6放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

感想
普段あまり意識しない血液だが、けっこう知らなかった事も多く、参考になった。こういうのが教育番組のいいところ。

血液型の組み合わせが233垓通りあるという。この単位は中学で習った「水1ccの分子数が330垓個」以来だ(笑)
若い人の血漿が若返りに効くとは、現代のドラキュラ!

また、人工血液の研究が最終段階にある事も驚き。
免疫システムを逃れるためのものが「界面活性剤」だとは。


内容
司会  織田裕二、藤井彩子
解説  奈良信雄:順天堂大学 客員教授 
            木下学    : 防衛医科大学校 教授
ゲスト いとうせいこう

ミステリーだらけ「血液型」の謎
血液型の代表→ABO型(カール・ラントシュタイナーが発見)
ドイツ語。O型にヒント→Ohne(何もない)
赤血球の表面に糖鎖が付いている。
A:Nアセチルガラクトサミン、B:ガラクトース、AB:両方


その先に何もないのがO型。


O型は遺伝子が壊れている(健康には影響せず)
血液型はABO、RH以外にも様々ある(人それぞれ)
国際輸血学会による分類は26種。
その中でABO型:4種、Rh型55種、MNS型:49種・・・

全部掛け合わせると233垓通り(2.33×10^22通り)

糖鎖が付いている理由→不明
だが病原体は糖鎖に付き易い(リスクに備える?)
A型:マラリア、コレラに罹り易い
O型:ピロリに罹り易い

血液は変幻自在
血液は三つに分かれる。①血漿 ②白血球・血小板 ③赤血球

赤血球は25兆個あり、骨髄で作られる。
→骨髄から出る直前に核を捨てる(脱核)
これにより体を折り曲げる事ができ、毛細血管まで通れる。

効率良く回るため、重くしない。
血液に核がないのは哺乳類だけ。
核がない事で全身に多くの酸素を回せる。高い運動能力。
核の中にDNAがある(細胞分裂には必須)
よって赤血球は分裂では増えない。一日1,000~2,000億個作られている。常に補充されている。脳への酸素、栄養供給を賄う。

血は若返りの秘薬?(現代のドラキュラ伝説)
2019年アメリカのニュース。若者の血漿が8,000ドルで買えるという情報に富裕層が殺到。関連記事
カリフォルニア大学での実験(2005年)
二匹のマウス(生後3ケ月と3年)の皮膚を結合(血液の相互乗り入れ)老いたマウスの筋肉が若返った(5週間後)詳細コチラ

→別の実験では心臓の筋肉、骨、脳機能も若返った。

今までの医学界では、老化は止めるもしくはゆっくりにする事しか出来ないと言われて来た(ショック)
マウスと同じ現象がヒトでも起きるのか?
血漿内に若返り因子が存在する可能性→1,000以上のたんぱく質が存在。候補→GDF11(人工的に作り出した)
主要臓器で若返り効果が確認されたが、決定打ではない。
リスクも考えると実用化は難しい(該当する物質が特定出来れば可能性あり)

未来を変える人工血液(開発者:木下学)
現在、輸血用血液は常に不足。
人工赤血球が酸素を全身に運ぶ。

メリット:扱い易い。常温で1年保存が出来る。人血は20日。

人工血小板も含めた人工血液を開発中(ヒトへの臨床段階)
開発は30年以上やっている。
基本はリン脂質の二重膜(そこにヘモグロビンを詰める)
血液型を持たない。常温保管含め救急医療が劇的に変わる。
課題だったのは免疫をすり抜ける事(異物)界面活性剤を利用。
もしこれをスポーツ選手が使ったら?→パフォーマンス向上。
 

 

 

今日の一曲
血液にちなんで・・・
Blood, Sweat & Tears - Spinning Wheel  1969