原題: The World Is Not Enough
監督 マイケル・アプテッド
脚本 ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド
原作 イアン・フレミング
主題歌 「The World is Not Enough」ガービッジ
キャスト
ジェームズ・ボンド - ピアース・ブロスナン
エレクトラ・キング - ソフィー・マルソー
クリスマス・ジョーンズ - デニス・リチャーズ
ロバート・キング - デヴィッド・カルダー
レナード - ロバート・カーライル
ズコフスキー - ロビー・コルトレーン
ブル - ゴールディー
Ｍ - ジュディ・デンチ
チャールズ・ロビンソン - コリン・サーモン
Ｑ - デスモンド・リュウェリン
Ｒ - ジョン・クリーズ
マネーペニー - サマンサ・ボンド
Official Trailer
感想
ボンドシリーズの中でもけっこうアクション盛り沢山でなかなか楽しめた。ストーリーの中盤までは、キング卿の娘エレクトラがボンドに協力して解決して行くんだろうな、と思っていたが意外にも彼女が黒幕だったとは。
そして、愛した女をボンドが射殺する点も想定外。
しかし原子炉のバトルはもう笑うしかない。あんな、炉心開いて制御棒みせたら人間なんて１分ももたない。
なんか歴代のボンドやらＭ・Ｉ（ミッション・インポッシブル）やらで安易に核を扱い過ぎるから、現代人の核に対する感覚がマヒするのだろう。
オマケ：主題歌には全く印象なし
あらすじ
スイス銀行に出向き、Ｍの親友キング卿の金300万ドルを回収したボンド。訪れたキング卿が金庫室でそれを確認するが大爆発でキング卿は死亡。紙幣に薬品が染み込ませてあり、それを反応させる肥料爆弾となっていた。
騒ぎの中、ボートで逃げる女を見つけＱの特殊ボートで追うボンド。
激しい追跡の末に女は気球で逃げようとした。そのロープにつかまるボンド。追跡ヘリも迫る中、女はガスボンベを撃ち抜いて爆発を起こし死ぬ。飛ばされたボンドは何とか助かるが、肩を脱臼。
キング卿の葬儀に出席するＭ。
そこにはキング卿の娘エレクトラがいた。
彼女はかつてテロリストの、通称レナードに誘拐された過去を持っていた。キングはその時Ｍに協力を求めたが、解決の過程でエレクトラを半ば見捨てた形になった。
その後彼女は自力で脱出したという。
一方レナードは諜報員から頭に銃弾を受け、それが摘出出来ないまま痛みを感じない肉体となっていた。
今回事件の背景にレナードがいると判断し、エレクトラの護衛をボンドに指示するＭ。
エレクトラは父の石油会社を継いで、アゼルバイジャンの石油パイプライン建設の指揮を執っていた。そこに出向いたボンドは危険を伝えるが、Ｍに不信感を抱いているエレクトラ。
パイプライン視察のついでにスキーを楽しむエレクトラとボンドだが、そこにパラグライダー付きのスノーモビルが襲って来た。
ボンドがオトリとなって敵を次々に倒して行く。
敵の自爆で雪崩が起き、二人で巻き込まれるが、Ｑの後継者Ｒが開発した保護ドームのおかげで助かる。
互いに惹かれるボンドとエレクトラ。
ベッドの中で、どうやってレナードから脱出した？と聞くボンドに「隙を見て、体を使って・・・」
襲った集団の持ち物から、裏で元KGBのマフィア、ズコフスキーが動いているのを知るボンド。
エレクトラの側近でレナードに通じている者の情報から、レナードがカザフスタンの核燃料解体処理施設に居ると知ったボンドは、そこに行こうとしていたロシア原子力局員に化けて潜入した。
潜入には成功したが、そこで物理学者のクリスマス・ジョーンズに疑われて拘束されるボンド。
だが施設内でレナードが部下と共に核爆弾を盗み出そうとしていた。それを阻止しようとしたボンドだが、結局奪取されてしまう。施設が爆破される中、クリスマスと共に脱出するボンド。
クリスマスと共にパイプライン建設現場に戻ったボンド。そこには、事態収拾のためにとエレクトラに呼び出されたＭがいた。
Ｍに、エレクトラがストックホルム症候群（人質が犯人に好意を持つ）の可能性があり、裏切りの可能性があると伝えるボンド。
その時パイプラインの中に核爆弾が仕掛けられ、メンテ用の監視車に乗って走り出したとの報告が。
このままだと終点の石油ターミナルが爆発する。
その阻止のためボンドが追跡用監視車に乗り込む。誰が装置を止めるの？とクリスマスも乗った。最大速で追った結果何とか追い付き、装置の解除を試みたが出来ず。
ボンドとクリスマスは監視車から脱出。爆発は起こったが、クリスマスの話ではブルトニウムが半分抜かれており、核爆発は免れた。
ボンドたちが死んだと思ったエレクトラはＭに、父と共に殺したかったがまたチャンスが巡って来たと言い、そのままＭを拉致。
ズコフスキーを見つけ出して真相を聞き出したボンド。
彼の甥がロシア軍の原潜をイスタンブールでレナードに渡す手筈だと知る。
クリスマスが、核爆弾から抜いた半分のプルトニウムを原潜の原子炉に入れればメルトダウンが始まると言った。
レナードたちが原潜の核事故で海峡を汚染させ、キング社のパイプラインによる市場の独占を狙っている事を知るボンド。
監禁されているＭからの信号を追って見つけ出し救出したボンドだが、クリスマスと共に捕まってしまう。
レナードはクリスマスを連れて原潜へ。
拘束具で動けないボンド。
そこへズコフスキーが救援に駆け付けるがエレクトラに撃たれる。死の直前ボンドの拘束具のロックを外すズコフスキー。
携帯電話の向こうのレナードと話しているエレクトラにに、止めるよう言うボンド。
撃てるわけがないと、エレクトラはレナードに原潜を出してと叫ぶ。彼女を撃ち殺したボンド。
潜航しようとする艦に飛び乗り侵入するボンド。
そこでクリスマスを救出。銃撃戦の末、レナードは原子炉に入って内側からロックした。奪った半分のプルトニウムは原子炉に挿入出来るよう再加工されている。
クリスマスにハッチ操作を頼んで船外から原子炉ハッチを開けるボンド。そしてレナードと格闘になった。
肩を脱臼しているボンドは劣勢になり、レナードが炉内にプルトニウムの棒を押し込み始めた。圧縮空気のホースを見つけて繋ぎ直したボンド。炉内圧が上がって挿入した棒が飛び出し、レナードの身体を貫いた。
クリスマスと共に艦から脱出するボンド。メルトダウンは回避された。
イスタンブールの夜景の中で乾杯するボンドとクリスマス。
一方ボンドの行方を探すMI6の本部。ボンドの居場所を熱反応システムでサーチすると、一体だった足から女性の細い足が分かれて動いている。システムを止めて立ち去るＲ。