機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 1988年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

監督         富野由悠季
脚本         富野由悠季
音楽         三枝成章
興行収入 11億6000万円

キャスト
地球連邦軍(ロンド・ベル)
アムロ・レイ             - 古谷徹)
ブライト・ノア              - 鈴置洋孝
チェーン・アギ            - 弥生みつき
オクトバー・サラン     - 牛山茂
ケーラ・スゥ          - 安達忍)
アストナージ・メドッソ   - 広森信吾)
アンナ                       - 丸尾知子

ネオ・ジオン
シャア・アズナブル     - 池田秀一
ナナイ・ミゲル            - 榊原良子
クェス・パラヤ            - 川村万梨阿
ギュネイ・ガス        - 山寺宏一

地球連邦政府
カムラン・ブルーム      - 村山明
アデナウアー・パラヤ  - 嶋俊介

その他
ハサウェイ・ノア          - 佐々木望
ミライ・ノア                  - 白石冬美
チェーミン・ノア           - 荘真由美
ララァ・スン                 - 潘恵子

ダイジェスト版(約3分)


感想
「逆シャア」が「閃光のハサウェイ」の正統な続編というので、録画してあったものを視聴。
宇宙世紀0093年。初代ガンダムの0079年から14年後の世界。
それまでの間に「Z(ゼータ)ガンダム」「ガンダムZZダブルゼータ)」を経ており、シャアは一時期エウーゴのメンバーとして仲間だった。
そういう中で、地球に住む者たちの身勝手さに嫌気がさし、地球そのものを寒冷化する事で粛清しようとしている、というのが作品背景。
14歳だったアムロも27歳の立派なオトナ。そしてブライトはミライと結婚し、その息子ハサウェイが初めて宇宙に旅立つ。
Zは昨年ざっと内容把握したが、ZZは途中で挫折。だからアクシズがどういういきさつの小惑星なのかがよく分かっていないが・・・

今回の物語は、地球寒冷化に情熱を捧げるシャアと、それを阻止しようとするアムロとの直接対決がマシン、生身両方で繰り広げられ、ファンにとっては十分堪能出来るもの。
ただその中で、ニュータイプとして発掘されたクェス・パラヤがあっさり死んでしまい、やや肩すかし感あり。そしてクェスを死なせたチェーンを、激情に駆られたとはいえ殺してしまったハサウェイ。
アムロの恋人だったんやで。この十字架はけっこう重い。

終盤のクェス、ララァを巡るシャア、アムロの応酬がなんともはやレベルが低い。シャアがララァに対し母になってもらいたかったとは、マザコンかー。そうなるとまさに皆が言っていた「ララァを殺された遺恨でアムロを倒そうとしている」というのは正しかった・・・

またガンダム1機で片割れを止めようとする悲惨な状況で、思念に包まれて地球から引き離されて行くアクシズ。

それがサイコフレームの共振だと言われても・・・
ハサウェイに撃たれて死んだチェーンが身につけていたT型サイコフレームが起点となり、超常現象となって現れた。
ニュータイプというものの概念が拡大し過ぎて、メカを前面に押し出して来た今までのガンダムにそぐわない印象がある。

ところで「閃光のハサウェイ」の予習にはなったか? うーむ・・・

あらすじ
ガンダムの整備を行っているメカニックのチェーン・アギは、技術担当のオクトバー・サランから、重量減の理由がフレーム材質変更と聞きナーバスになる。
納期短縮はシャアが隕石落しをしたから・・・

街でトラブルを起こす少女クェス・パラヤ。その少女も含め父母で出掛ける姿。父は地球連邦政府高官アデナウアー・パラヤ。

シャアが小惑星5thルナを地球に落とそうとしていた。
阻止に動くアムロだが間に合わない。シャアのサザビーと戦うアムロ。

地球に住む者の身勝手を粛清すると言うシャアに、エゴだと返すアムロ。地球が持たん時が来ていると言うシャア。
5thルナが止められない領域まで落ちたため引き上げるシャアたち。

宇宙空港。搭乗出来ずに戸惑うミライ・ノア。その近くで先の一家が揉めている。この子とは宇宙には行かないと言う妻(実は愛人)。
父娘二人となったため、残った枠を譲ったアデナウアー。

息子のハサウェイ・ノアを一人で行かせる事にしたミライ。

艦に戻ったアムロがブライトと話す。

5thルナの落下予測地点はチベット。
 

アデナウアーたちの乗るシャトルが発進。

行き先はサイド1のコロニー「ロンデニオン」

 隕石近くを通過すると言う機長。
隕石が思いのほか近く、あせる機長。

その危機を事前に察知するクェス。

月行きを宣言するアムロはゲタ(ベースジャバー)を用意させる。
地球連邦政府の外部機関であるロンド・ベルに所属するアムロたち。
月に到着したアムロにチェーンがサイコミュの扱いを教える。

脳波で扱う兵器。
フレームの中にその性能を持つものを内蔵させたというオクトバー。
コンピュータ・チップが極小サイズで封じ込まれているのと同じ。

そのν(ニュー)ガンダムを持って帰ると言うアムロ。

ネオ・ジオン総帥としての訓示を録音したシャア。

5thルナ投下への感謝と陽動作戦指示。

道化だと自嘲する。それをサポートするナナイ・ミゲル。
シャアは政治向きの仕事でスーツに着替え、シャトルで出発する。

ナナイが所長を務めるニュータイプ研究所のエース ギュネイ・ガスが同行。
それを助けるかの様にネオ・ジオンのM・S(モビル・スーツ)部隊がロンド・ベルを攻撃。

ブライトの指示を受けνガンダムの調整も兼ねて旗艦ラー・カイラムの救援に出向くアムロ。それに同乗するチェーン。
地球からのシャトルが故障のため、戦域内で立ち往生する。
νガンダムの到着を見ると、ネオ・ジオン部隊は鮮やかな引き際で去って行った。
ラー・カイラムに収容されるシャトルの乗客。

息子ハサウェイと再会するブライト。

アデナウアーがブライトにロンデニオン行きを要請(特命あり)

ララァ、シャアとの三つ巴の戦いの夢を再び見るようになったアムロ。、チェーンがアムロの部屋へ呼び出しを伝える。


デッキ内のM・Sで戦闘シミュレーションをさせてもらうクェス。

いいセンスをしてらっしゃる、とアデナウアーに話すブライト。
デッキに上がったアムロに呼び止められたクェス。

チェーンが声をかけるのを聞いて「あれがアムロ・レイか・・・」

ハサウェイとアムロの事を話すクェス。

アムロの能力がニュータイプだと話すハサウェイに、インドの友達が言っていたニュータイプの解釈--ものとか人の存在を正確に理解出来る人のことだと言うクェス。
コロニーへ入って行くシャアのシャトル。

νガンダムの整備場所に迷い込んでチェーンに止められたクェスは、ニュータイプとしてのアムロに興味があるのに、あんたが邪魔をすると文句を言った。
揉めそうになるところをハサウェイが連れ出し、入港しつつあるコロニー「ロンデニオン」を一緒に見た。
シャアは、一度は地球の味方をしたけど、今度の作戦で潰そうとしている、と言うハサウェイに、地球人は頑固だからその気持ちが分かると返すクェス。

アムロとブライトが今回の隕石落しについて話す。地球を完全に寒冷化するためには、もう一つぐらい落とす必要がある・・・
シャアは、一時は俺たちと一緒に戦ったが、地球に残っている連中に嫌気がさしたんだ、とアムロ。

時間内到着を感謝するアデナウアーは、このことは内密だと言い残して車に乗り込んだ。それを迎えたのは会計監査局のカムラン・ブルーム。元婚約者だったブライトの妻、ミライの事を思う。
アデナウアーに同行して会議場に入るカムラン。

そこには地球側の要人のほか、ネオ・ジオンの要人も来ていた。

そしてまさかの総帥シャアが入場。
ネオ・ジオンの要望は、放棄されている小惑星アクシズの買い取り。
ネオ・ジオンが持参した金塊のケース数箱により調印は完了。
アクシズを自コロニー「スイートウォーター」へ自軍が運ぶ許可を取り付けるネオ・ジオン。

一方上陸したコロニーで、ハサウェイとクェスをバギーに乗せ、ドライブに出掛けたアムロ。
調印が終わったシャアは再び私服に着替え、馬で森に出る。
そこで偶然に出くわすシャアとアムロ。アムロはバギーから飛び降りシャアと取っ組み合いになる。

糾弾するアムロに、地球に残っている連中は地球を汚染しているだけの、重力に魂を縛られている人々だ、と言うシャア。

それに共感するクェス。
アムロがシャアに銃を向けた時、クェスがそれを叩き落としてシャアに渡す。そこにギュネイのM・Sが到着。
「行くかい?」の言葉にM・Sの手に飛び乗るクェス。


カムランが内々にブライトを訪ね、シャアがこのコロニーでアデナウアーら政府高官と会った事を話す。

連中はシャアと和平が成立したと思い込んでいる。
アデナウアーに忠告するブライトだが、意に介さない。
娘クェスの行き先を知らない父。

ギュネイと共に宇宙空間でM・Sを操縦するクェス。

驚くべき操縦のカン。

数回の訓練で脳波によるサイコミュとの連動攻撃をこなすクェス。
「あの子と同じだ」とシャア。
コロニーのジャンク屋で、中古の作業ロボットを買うハサウェイ。

ジオンの拠点コロニー「スイートウォーター」で地下鉄に乗るシャアとクェス。敬意を表して花が贈られ、ジオンの賛歌を皆が歌う。


ギュネイにクェスを送らせ、ナナイの待つ部屋に戻るシャア。
アクシズを地球にぶつければ核の冬と同等の被害を与える。

どんな独裁者もやらなかった事、と話すナナイ。

誰かが人類の業を背負わなくてはならない、とシャア。
大佐はアムロを見返したいからこの作戦を思いついた、と言うナナイ。
ララァの最期を思い出すシャア。彼女は敵対するアムロの中に、求めていた優しさを見つけた。あれがニュータイプ同士の共感。
シャアが去った後、彼のグラスを手に取り、そして放るナナイ。
「あんな小娘に気を取られて」

ギュネイがクェスに、強化人間になったいきさつを話す。

両親はコロニー潰しで殺された。自分を強化するために付き合いたいとクェスに言うが、軽く振られるギュネイ。

民衆に向かって演説するシャア。

父ジオン・ダイクンを暗殺して地球に独立戦争を仕掛けたザビ家。

その結果地球連邦政府は増長・腐敗しティターンズの様な反連邦政府運動を生み、ザビ家残党を騙るハマーンの跳梁ともなった。

今後人類が絶対に戦争を繰り返さない様にする。

それがアクシズを落とす真の目的だと説く。

武装解除のため、ネオ・ジオン軍の艦隊が発進する。

だがその半分はダミー。
カムランはブライトにラー・カイラムへ向かうための艇を提供。

彼が罪に問われるかを気にするブライトだが、ミライさんに生きていてもらいたいから、と返すカムラン。
連邦の戦艦に乗るアデナウアーは、条約が守られている事に満足。

ルナツー奪取のため攻撃を開始するネオ・ジオン軍。
ギュネイと共に初陣に出るクェスは、父の乗る戦艦を撃沈。

そして言いようのない悪寒に襲われる。
被弾してギュネイに助けられ帰艦するクェス。

ラー・カイラムに乗艦するブライト。別れに涙を見せるハサウェイ。

母親譲りで優しい、ととりなすカムラン。
だが出航寸前のラー・カイラムに、作業ロボットでまんまと乗り込んだハサウェイ。


出航してからアムロは妙な事に気付く。ルナツーとロンデニオンから同時に出れば、アクシズにはこちらが早く着く。

シャアがそんな事をする筈がない。
ネオ・ジオンの艦隊にはダミーが入っており、また彼らの演説も嘘だと見抜いた。
「シャアはアクシズに着いてる」とブライト。
ルナツー攻撃を部下に任せ、アクシズに向かったシャア。

パイロットスーツも着ないでうろつくクェスにビンタするナナイ。
クェスは逆上して修理も済んでいないヤクト・ドーガで出撃。
アクシズのエンジン点火を指示したシャアは、ロンド・ベルの攻撃に備え発進。

作業用ロボットに隠れていたハサウェイだがアムロに見つかる。
殴り付けるブライトに、クェスを取り戻す、とハサウェイ。


アクシズに向かったギュネイは途中でクェスを見つけるが、クェスはシャアを見付けて飛んで行った。
ロンド・ベルからの核攻撃を阻止したギュネイ。
ナナイにぶたれたと訴えるクェスは、生身のままシャアのサザビーに飛び込んだ。


パイロットのケーラは出撃してアクシズを攻撃するが、ギュネイに捕獲される。
そこに到着したアムロ。ケーラを人質にして武装解除を迫るギュネイ。

やむなく武装解除したアムロだが、そのファンネルが過敏に反応して拘束ロープを切断。怒ったギュネイがケーラを放り出す。
その間にギュネイは去り、ケーラを回収するアムロ。
ケーラは亡くなり、恋人のアストナージは慟哭する。
戦場の全てを感じてしまうクェスはパニックになる。

新M・Sα(アルファ)・アジールの状況を聞くシャアに、実戦テストはクェスにやらせればいいと冷たいナナイ。
君がいてくれなければ困る、と言うシャアを抱きしめるナナイ。


クェスを見つけて、敵の核ミサイル狙撃を自慢するギュネイ。

更にララァをアムロに取られたから大佐はこの戦争を始めたと追いうち。反発するクェス。

ラー・カイラムでの作戦検討。今度の攻撃でアクシズのノズルを破壊し、アクシズそのものも破壊する。


核ミサイル攻撃がもし失敗したらアクシズに乗り込み内部から爆破。

分断すれば破片は大気圏外へ出る。
チェーンは技術者から、サイコフレームの技術がネオ・ジオンからの提供だと知り訝る。そこへ来たアムロ。
サイコミュの新たな可能性について話すチェーン。
勝てるさ。僕が基礎設計をして、君が整備する・・・・
チェーンに口づけするアムロ。


観戦の許可がもらえ、遺言状と引き換えに艦橋へ昇るハサウェイ。

α・アジールに搭乗して張り切るクェス。それに併進するギュネイ。
そこにアムロのνガンダムが遭遇。戦いを仕掛けるクェスだが、子供に付き合っていられるか、といなすアムロ。

アムロが有利になる様にと、サイコフレーム試料(T型)を持ってチェーンが修理半ばのM・Sで出撃。

一方シャアはナナイに作業を指示して出撃した。
ハサウェイは混乱に乗じてM・Sに乗り込む「これ、動くじゃないか」

ギュネイ、クェス、アムロの三つ巴の戦い。

アムロのファンネル防御で結界が出来、攻撃が通用しない。

そしてギュネイが倒された。

ラー・カイラムから核ミサイルがアクシズに向けて発射されたが、それをシャアが全て撃ち落とす。
ミサイルが阻止されたのを知って、ラー・カイラムをアクシズに着けさせるブライト。「総員、陸戦用意!」
ハサウェイがいないのに気付くブライト。

ハサウェイはクェスのα・アジールに取り付いて止めようとする。

追い付いたチェーンがハサウェイを止めようとする。
ハッチを開けてクェスに顔を見せるハサウェイ。
チェーンがクェスに砲撃を加えるが、それがハサウェイに向かう。
とっさにその間に入ったクェスのα・アジールが大爆発した。

チェーンか!、やったのは?激高したハサウェイはやみくもにチェーンを攻撃する。やっちゃいけなかった。

そんな事も分からないから地球だって消せるんだ・・・
砲撃がチェーンのM・Sに当たり爆発。

その時緑色の光が散らばり、拡散する。

T字サイコフレーム試料も飛んで行く。

その思念が様々な人を動かした。連邦軍の他部隊がアクシズへの応援に向かい、ナナイの精神にも影響を与える。

アクシズ内で爆薬セットの指揮を執るブライト。

ロケットのノズルを止める作業も並行して行われた。
シャアとアムロの直接対決が続くが、それを中断してガンダムを降り、アクシズ内部に入るアムロ。

シャアもそれに気付き、アムロを追ってサザビーを降りる。
アクシズ内での攻防。互いに相手を非難。

ブライト達は作戦を終えて帰艦。
アムロ、シャアも互いのM・Sに戻る。再び始まる戦い。
時間が来てアクシズの爆破が始まった。

二つに割れたが細分化はせず。
前方は地球から離脱するが、後方は爆発でブレーキが掛かった。

サザビーに致命的なダメージを与えたガンダム。

脱出ポッドで逃げようとするが、捕獲されるシャア。
笑うシャア。アクシズの後部は引力に引かれて落ちる。

貴様らの頑張り過ぎだ。
たかが石っころ。ガンダムで押し出してやる。
アムロはポッドをアクシズにめり込ませ、アクシズの端に取り付いてロケット噴射した。だが全く変化なく加速を続けるアクシズ。


アクシズの回りに緑の光が渦巻き、それに引かれる様に無数の連邦軍M・Sがアムロの周りに集まってアクシズを押した。
ブライトが呟く。チェーンの言っていたサイコフレームの光・・・
やめてくれ!と叫ぶアムロ。
その波は敵方にも伝播し、ネオ・ジオン軍のM・Sまで加勢に入った。


シャアが気付く。これはサイコフレームの共振。人の意思が集中しすぎてオーバーロードしているのか。安心を感じるとは・・・

二人の応酬は続く。
クェスの話になり、冷たかったな、と言うシャアに俺はマシーンじゃないと返すアムロ。
そこでクェスが父親を求めていた事に気付くシャア。

それを迷惑に思ってクェスをマシーンにした・・・
貴様ほどの男が、なんて器量の小さい!
ララァは私の母になってくれるかも知れなかった。

それを殺したお前に言えたことか!
お母さん?ララアが?

アクシズに緑の光がまとわりつく。
そして次第に地球から離れて行った。

T型サイコフレームが流れて行く。


分離したアクシズを見上げるミライと娘のチェーミン。