第3集「脂」
第5集「美食」
第4集「酒」 Nスペ5分 番組詳報
~飲みたくなるのは“進化の宿命”!?~
感想
アルコール分解遺伝子も、アセトアルデヒド分解遺伝子も知識としては知っていたが、稲作とアセトアルデヒド分解能力の関係については初耳。
確かにメリットがあるからこそ、種として生き残ったという事なんだろう。
私は父方も母方も強かったから、缶ビール1本ぐらいでは全く顔色も変わらないが、息子はコップ一杯のビールで真っ赤。
かと思えば娘は私同様強い。ホント遺伝の不思議に驚かされる。
内容
ナビゲーター(TOKIO)
:城島茂 国分太一 松岡昌宏 長瀬智也
ゲスト:萬田久子
エチオピア南部の高地に住むデラシャ族。「パルショータ」という、モロコシをすりつぶして発酵させた酒を、働く合い間に飲んでいる。
度数はビール程度。一日5ℓ飲む。
食事は摂らず酒だけで栄養を賄う(子供も薄めて飲む)。
分析の結果では必須アミノ酸、ビタミンも豊富。
酒にまつわる三つの大事件
①アルコール分解遺伝子
1200万年前、樹上生活をしていた人類の祖先は、気候変動で森がなくなり地上生活を始める。
落ちた果実は発酵しておりアルコールを含む。
その中で、アルコールに強い遺伝子を持った者が生き残った。
パルショータを再現した酒で皆乾杯。微炭酸で、噛める飲み物。
②宴会で脳を乗っ取られる?
一万二千年前のトルコが農耕の発祥地。
発掘されたキョベックリ・テペ遺跡の一角で容積160リットルもの容器が発見された。これで酒を作っていた。
小麦粉を水に溶かして実験、三ヶ月で酸味のあるビール状の飲み物が出来る。
当時は異なる部族が集まって集団生活。大神殿を作る事業も行われ、コミュニケーションが重要。友好を深めるために酒が使われた。
脳の表層は理性を司る(高温)。酒を飲むと表層が青くなる。
理性を弱め打ち解けやすくする。
国分→新しい番組やる時、まず飲む。
ワイン作りも始まり、次第に強い酒を欲するようになった。
脳を操る酒の魔力。
酒が脳に向かうと、分子量が少ないためバリヤーをすり抜け、脳に入り込む→ドーパミンを放出し、快楽が暴走。
8世紀から究極の酒作りが始まる
→蒸留酒(ブランデー、焼酎、ウォッカ・・・)
食の世界で、これほど良い面と悪い面が背中合わせのものはない。
③日本人が、わざわざ酒に弱くなる→謎の進化
発端は中国。紹興酒発祥の地でも酒に弱い人が半数。
なぜ一部のアジア人が酒に弱くなったか。
アセトアルデヒド分解遺伝子の欠如。
酒を飲むとアセトアルデヒドが生成される→これは毒。
稲作の広がりとアセトアルデヒド分解遺伝子欠如の広がりとがリンクしている。
仮説
稲作の食料を食べる時には水が関与し、微生物を取り込むリスクがある。それで命を落とす。
酒を飲んで、アセトアルデヒドが体内に出来る事で、微生物を抑制して生き残った。
しかし現代では衛生環境も良く、微生物による死は考えなくていい。
そうなるとアセトアルデヒドは「毒」でしかない。
アセトアルデヒド分解遺伝子の働きが弱い人は、食道がんリスクが7倍。
酒に強い人でも一日のアルコール量20g(ビール500mℓ相当)を越えると病気リスクが上る。
アルコール依存症になり易いのは酒に強い遺伝子タイプの人。
毒と快楽のジレンマ
それを乗り越えるためにノンアルコール酒が開発されている。
普通の酒のアルコール分だけを蒸発させる(非加熱)。
本物そっくりの味。
ノンアルでも酔いの快楽が味わえる。
自律神経に作用し、酔いの精神的変化が継続する。
酔った事の、脳の記憶がある(楽しさの記憶がある)人に有効。
アルコール、ノンアルいずれにも意味がある。
それを踏まえて、飲む。