助太刀屋助六   2002年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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監督・脚本  岡本喜八
原作      生田大作『助太刀屋』
音楽      山下洋輔
語り       春風亭小朝


キャスト
助太刀屋助六  :真田広之
お仙           :鈴木京香
太郎           :村田雄浩
脇屋新九郎    :鶴見辰吾
妻木涌之助    :風間トオル
堀田某         :本田博太郎
倉田某         :友居達彦
タケノ           :山本奈々
榊原織部       :岸部一徳
オトメ            :岸田今日子
棺桶屋          :小林桂樹
片倉梅太郎      :仲代達矢

 

 

予告編

 

感想
まあ、軽いノリの時代劇。
この監督は「日本の一番長い日」の映画で有名だが、観ていない。
ジャズ大名」は観ている。どっちかと言えばコチラのノリ。

映画の作りは三流だが、キャストはけっこう贅沢。仲代達矢なんて、こんな程度(失礼)には出ないだろう。

それはこの監督だから、という事か。
岡本喜八の遺作でもある。

 

「助太刀屋」という奇妙な仕事をやっている男が、里帰りして父親の敵討ちをする話。
でもそこには悲壮感など全くなく、ドタバタで話は進む。

しかしこの映画、役者らしくというか、力を入れているのは助六、お仙、太郎ぐらいで、織部、棺桶屋、オトメなどの面々は、わざと素人っぽく演じている様にしか見えない。これはこの監督独特のシャレなのか?
その感覚は「ジャズ大名」にもあった。
シリアスを求めるならもっとしっかりした脚本が必要だし、なんか「ギリ」のところを狙った感じに好感が持てる。
「感動巨編」という訳には行かないが、軽い時間潰しにはいいだろう。

 

 

あらすじ
十七歳で田舎を飛び出した助六は、仇討ちの助太刀をやった事で礼を貰い、以来それが病み付きになって、仇討ちと聞くと助太刀を買って出る様になった。ヤクザ気取りでそれが稼業となる。
以来七年。久しぶりに、故郷である上州の宿場町に戻った助六。

 

だが戻った町には人が居ない。通りかかった番太といさかいになるが、それはかつて一緒に遊んだ悪友の太郎。

太郎の話ではもうすぐ仇討ちがあるという。


七年前に同僚を斬った関八州廻りの役人・片倉梅太郎を討つため、その弟ら二人が長く追い続けている。二人には既に二人の浪人が助太刀となっていて、助六の出る幕はない。

 

居酒屋に仕立てた家で、検分をする関八州取締出役・榊原織部を待つ仇討ちの面々。
一方その家の二階には遣り手婆のオトメとお仙がいた。

お仙を織部の女として差し出す算段が出来ていた。お仙は太郎の妹で、助六に惹かれていた。

 

仇が棺桶屋に居ると聞いて覗きに行く助六。そこへは昔から遊びに行く仲だった。片倉を見て、仇を討たれる様な相手に見えないと不思議がる助六。そこの娘竹乃は、昔助六が遊んでやっていたが、いい娘になっていた。
互いに身の上話をして、多少の感情を持つ二人。片倉は思う様に動かない手でようやく白木の位牌に戒名を書いた。


仇討ちの時刻が迫り、片倉が助六に手が離れないよう、刀を握ったまま縛るよう頼む。一応それをやったが、そんな体ではすぐ斬られてしまうと、助太刀しようとする助六。
だが片倉は助六を峰打ちで眠らせると、決闘に出掛ける。

 

仇討ちの現場。片倉の腕は確かで、なかなか決着が付かない。

弟が片倉に、なぜ兄を斬ったのかと聞くと、そこに居る織部に聞けと言った。胸のうち、それとも袖のうちか・・・・
織部の指示で、片倉は鉄砲で撃たれて倒れる。

そこに皆がとどめを刺す。

 

目覚めて仇討ちの現場に行ったが、片倉は既に討たれていた。棺桶屋から片倉が父親だと知らされて仇討ちを決心する助六。

 

居酒屋で祝杯を上げる仇討ち組。女に会いに行きたい織部だが、飲みに付き合わされる。
その席で、片倉が言っていた袖の下の話を持ち出した弟が刺されて死ぬ。そこに転がり込む助六。

最初親の仇だと言ったが、織部の言う「仇討ちの仇討ちは御法度」を聞いて、片倉から助太刀を頼まれたと言って、弟の一人を倒す。
後は部下たちに追いかけられて逃げるのが精一杯の助六。

 

何とか浪人二人も倒し、次に屋根に上って鉄砲組の銃に細工をする助六。

 

そして棺桶に入って、一人残された織部を脅す。

途中でそれがバレ、桶を壊されると飛び出して向かって行く助六。

刀が折られるが、残った刃先を織部の腹に沈める。
だが屋根から銃で撃たれて絶命する助六。
そこにお仙が馬に乗って駆け付ける。

自分が弔いをすると言い、助六を乗せて町を出て行った。

 

町外れで体を起こす助六。

屋根に上った時、銃から弾を抜いておいたのだ。