ミスト    2007年  アメリカ | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

監督・脚本 フランク・ダラボン
原作    スティーヴン・キング

 

キャスト
デヴィッド・ドレイトン       - トーマス・ジェーン
アマンダ・ダンフリー       - ローリー・ホールデン
ビリー・ドレイトン           - ネイサン・ギャンブル
オリー・ウィークス          - トビー・ジョーンズ
ミセス・カーモディ          - マーシャ・ゲイ・ハーデン
ジム・グロンディン         - ウィリアム・サドラー
ブレント・ノートン           - アンドレ・ブラウアー
ダン・ミラー                   - ジェフリー・デマン
アイリーン・レプラー       - フランシス・スターンハーゲン
バド・ブラウン                - ロバート・トレヴァイラー
ウェイン・ジェサップ        - サム・ウィットワー
ノーム                           - クリス・オーウェン
ステファニー・ドレイトン   - ケリー・コリンズ・リンツ

 

予告編

 

感想
地域スーパーが正体不明の霧に包まれて隔離される中、その中の者たちの様々な力関係に振り回される様が興味深かった。
現れて来る巨大昆虫は、軍の計画の失敗により異次元から入り込んで来たのだが、計画の詳細については語られず、単に昆虫に襲われる脅威だけが強調される。
狂った教祖を殺して車で逃れた先に立ちはだかる、更に巨大な生物。残った銃弾で仲間を死に導き、自分も怪物に殺されようとした時に、救援に現れた軍の車両。
この悲劇が映画の全てだが、ハード部分を全て除いて人間ドラマだけを抽出する手法は、SFとしてはイマイチ乗り切れなかった。

やっぱ時空の裂け目とか見せろよ。
この、監督と原作者の組み合わせは「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」と同じだが、ずいぶんテイストが違う。

 

「危機に遭った時はむやみに動くな」という教訓・・・・・

 


あらすじ
湖畔の家に住むデヴィッド・ドレイトン。

昨夜の嵐で窓や小屋が破壊され、息子のビリーと隣人のノートンを乗せて地元のスーパーへ買出しに出掛ける。湖に深い霧。
スーパーでの買い物を終え、出ようとするが深い霧に回りを覆われ、外から血だらけの男ダンが転がり込んで来る。

外ではパトカー、救急車の音。


店内に閉じこもる客と店員。
倉庫へ毛布を取りに行ったデヴィッドだが、発電機の異常を見つけて止める。またシャッターの外側に何かが居る気配を感じる。
男たちにその話をして、数人で確認に行く。発電機は、外のマフラーに異物が入ったからだと、店員のノームがシャッターを開けて見に行くが、巨大な触手に掴まれる。引き止めるデヴィッドたちだが、連れ去られるノーム。

 

この事態に狂信者のミセス・カモーディが「ハルマゲドンだ」と騒ぎ始める。
救助を求めるために数人の男たちが外に出て行くが、悲鳴が聞こえ救援のために繋がれたロープを引くと、男の下半身だけが戻った。
夜になると、店の光を求めて巨大昆虫が窓に体当たり。

そのうちに窓が割れ、羽虫や翼竜が入り込んで来る。襲われると毒が回って死ぬ。それらと戦う男たち。


ミセス・カモーディは何故か襲われず、ますます自分を救世主だと思い込む。周囲にそれが広がる。

デヴィッドたち数名が、負傷者を救うため隣の薬局へ薬を取りに行く。先に行った者たちが繭に包まれている。中から出て来る蜘蛛の集団。
辛くもスーパーに戻るデヴィッドたち。戻れたのは僅か。
三人いた軍人のうち二人が首を吊って死に、残る兵士のジェサップが追及される。
軍が進めている、異次元を窓から観察する「アローヘッド計画」が進められているという噂。どうもそれが失敗したらしい。
ミセス・カモーディが、その兵士に責任があると言ったのを真に受けて兵士をナイフで刺す男たち。兵士は店の外に放り出され、怪物の犠牲になった。

ミセス・カモーディの暴走から逃れるために、有志が集まって脱出を計画する。だがそれに気付いたミセス・カモーディが騒ぎ、息子のビリーを生け贄に差し出せと言い出した。同調する信者たち。


デヴィッドは一丁だけある銃でミセス・カモーディを射殺し、有志たちを連れて自分の車に走る。途中でやられる数名。
車に辿り着いたのはデヴィッドとアマンダ、ビリー、ダン、アイリーンの五人。
自宅に行くも、妻は昆虫に殺されていた。
なおも進むと巨大な怪物が車の上を過ぎて行った。


ついに車がガス欠で停止。怪物に殺されるぐらいなら自決を選ぶ。銃の弾を確認すると四発。最後に残った者は自分では死ねない。
「自分の事は何とかする」とデヴィッド。そして四発の銃声。

車から降りたデヴィッドは虚空に向かって「さあ殺せ!」と叫んだ。
その時、霧の先から大きな影が出現。軍の車両だった。
救援が到着していた。急速に晴れる霧。続く車両の後に、人を多数乗せたトラック。そこにはスーパーで取り残されていた信者の主婦が。
慟哭するデヴィッド。