プロフェッショナル 仕事の流儀「 宇多田ヒカル」7/16放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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番組詳報

 

概要
15歳で鮮烈なデビューをし、CD700万枚超の売り上げを記録した宇多田ヒカル。その彼女のアルバム制作現場に密着し、併せて彼女のこれまでの軌跡を辿る番組。

 

ロンドン郊外の音楽スタジオ。取材を許可されたのは1名だけ。

欧州各地から一流のミュージシャンが集まる。


やり方は、まずバンド演奏から。宇多田の作った仮音源が元になる。
曲に込めた感情を大切にする。
やれるかどうか分からない事をやるのが、ものをつくる現場。

 

「ものづくりは、冒険」

 

全ての演奏を録り終えてから作詞を始める。

音楽が脚本、それを演技するのが歌詞と、歌うこと。

今回のアルバムで苦しんでいる曲が「GHOST」。

作り始めたのは3年以上前の前回アルバム制作時。その時からの

持ち越し。ヒントとなるナボコフ著「青白い炎」。

 

1983年、歌手の藤圭子と音楽プロデューサー宇多田照實の間に生まれた。


音楽優先で、スタジオに入り浸りの生活。

引越しも多く、感情を押し殺す子供になった。


歌うのが嫌いで、いつも口実を作って逃げていた。

ある日「自分の作った歌なら歌える?」と言われてやってみたら喜ばれた。それ以来曲作りに没頭。

 

出すアルバムが全て100万枚以上という中、27歳で突然の休業宣言。このままやっていると「もたない」と思った。イギリスへ単身移住し、音楽から離れての生活。
だがその後母、藤圭子の死。耐えがたい喪失感を得て一年が過ぎた。

初めて子を宿した事が気持ちを動かした。亡き母への感情。

スタジオに戻った時、ここが一番楽な場所だと気付いた。

 

大詰めを迎えるアルバム制作。「GHOST」を含む3曲が残っている。
アルバムのタイトル曲「初恋」レコーディング議論。メンバーの助言で曲の内容は良い方に向かったが、求めているものと違う。
ドラムとベースをカットする大決断。

 

「GHOSUT」に呻吟する宇多田。

メロディーが決まらないままレコーディング日を迎える。

メンバーに正直に話し、感じるままに演奏して欲しいと頼む。
演奏を聞き、笑顔を見せる。

だが歌詞はとうとう最終日まで出来なかった。

 

「真実を、歌う」

 

二週間後、歌詞を完成させ歌を録音するという連絡が入った。

曲のタイトルは「夕凪」。
全てのものには終りがあり、そして、それは始まりでもある。
これが辿り着いた「真実」

 

「プロフェッショナルとは、正直であること」

 

自分と向き合うというのは、そういうこと。
自分に嘘ついててもしようがない。
音楽に対して正直であること。自分の聖域を守る。

 


感想
大した苦労もなく、恵まれた環境で大ヒットを生み出して来たと思っていた。だから休業宣言の時も、有名人にありがちなワガママ程度に思っていた。

 

幼い頃の、じっとこちらを見る写真が、心に貼り付いた。
自分を支える唯一のものが、歌だったのだろう。