歴史秘話 ガンダムヒストリア BSプレミアム 4/2放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

タイタンバーさんが観たので、録画を気合い入れて視聴。

 

放送開始以来、そのスタイルを少しづつ変えながら、今年40年目を迎えるガンダムシリーズ。
各媒体を含めた関連作品は56タイトル。

登場人物200、モビルスーツ900種に上る。

全ガンダム大投票の告知 受付4月20日まで


シリーズがこんなに何十年も続くのは珍しい。日本のアニメを変えた秘密→ある発明

 

episode1
リアルSFアニメ誕生
機動戦士ガンダム 1979年4月7日放送開始

スペースコロニーに移住した多くの民。そのうちの一つがジオン公国を名乗って独立宣言をした事が発端。地球連邦との間で一年に亘る戦争が始まる。
モビルスーツという人型ロボットに人間が搭乗して戦う。
最新戦艦ホワイトベース。正規の乗組員がほとんど死亡し19歳のブライトが艦長。あとは少年兵と民間人。
ガンダム操縦者アムロ・レイ。

偶然からパイロットになり、戦いと共に成長。
シャア・アズナブル。天才パイロット。

ジオン公国初代首相の息子。ザビ家に父を殺され復讐を誓う。

宇宙要塞における最終決戦では、アムロとシャアの一騎打ち。アムロとの決着を避け、ザビ家への復讐を果たすシャア。
アムロはテレパシーで皆の脱出を助け、最後に大破したガンダムからコア・ファイターで脱出し、皆のところへ戻る。
「まだ僕には帰れる所があるんだ、こんなに嬉しいことはない・・・・」

 

ガンダムには三つの発明がある。
①正義の見えない戦争 同じ人間同士が自分の正義を信じて戦う(勧善懲悪ではない)。何のために戦うのかという疑問。
ララァがアムロの心の中を見て言う言葉「あなたには守るべき人も、守るべきものも、何もない」
圧倒的なリアリティ。
総監督 富野由悠季の言葉:幼い頃、子供向けの映画観て、誰が悪人かすぐに判るのがイヤだった。
②ニュータイプ 
進化した新しい人類。超人的な感覚や能力を持つ。アムロ、シャアなど何人かが覚醒して行く。

人類はどのように進化して行くべきかという深いテーマ。
③モビルスーツ
ジオン軍が発明した量産型兵器「ザク」がその原型。戦えば壊れ、修理が必要。ロボットを戦闘機、戦車のように大量生産される兵器として描く→世界観にリアリティを与える。
ガンプラと呼ばれるプラモデルも大きな支えになった。人型のモビルスーツに対して、人型をしていないものをモビルアーマーとして区別。
リアルSFアニメとして社会現象を起こした。
十五少年漂流記のような、成長を見守る群像劇。

 

episode2
広がるガンダム世界
機動戦士Zガンダム  1985年

1作目から7年後の世界が舞台。新たな戦争。
地球連邦軍から生まれた二つの組織「ティターンズ(ジオン軍の残党狩りが目的)」と「エゥーゴ(ティターンズに対する抵抗組織)」
少年カミーユ・ビダンが主人公。ティターンズ将校に名前をバカにされた事をきっかけにエゥーゴに参加。クワトロ・バジーナ(シャア)と出会う。ニュータイプの素質を見込まれてZガンダムのパイロットとなるカミーユ。
そこにアクシズ(ジオン軍の残党組織)が参戦。組織を牛耳るハマーン・カーンとパプテマス・シロッコ。新モビルスーツ「キュベレイ」「百式」

 

機動戦士ガンダムZZ(ダブルゼータ) 1986年

Zガンダムの続編(翌年)
アクシズが「ネオ・ジオン軍」となりハマーン・カーンが率いる。それとエゥーゴとの戦い。
主人公ジュドー・アーシタ。Zガンダムを奪って一儲けしようと企むが、結局エゥーゴに雇われ、ZZガンダムでネオ・ジオンと戦う事になる。勢いで参加したため、戦争に意義を見出せない。
だが前任のパイロット、カミーユ(戦死)の思念に接するうちに、同じニュータイプ同士何かを感じ取り、変わって行く。
ハマーン・カーンとの一騎打ちに臨むジュドー。

 

劇場版 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア  1988年

ZZから4年後。大人になったシャアとアムロの戦い。シャア34歳。ネオ・ジオン軍を再興し、巨大隕石アクシズを地球に落とす作戦を決行。地球に生き続ける者の粛清。対する地球連邦軍のアムロ29歳。νガンダムで参戦。隕石が落ちる中、シャアとの最後の決戦。新デザインのモビルスーツが多く誕生した作品。

 

ポケットの中の戦争(機動戦士ガンダム0080) 1989年

ファーストガンダムの一年後を描いたスピンオフ。

OVA(ビデオ販売)作品。
田舎町に暮らす少年の目から見た戦争を描く。主人公アルフレッド・イズルハ(小5)。両親が離婚し、鬱屈した毎日。こんな生活を変えてくれるかも知れない→戦争に希望を抱く。

ジオン軍新兵バーナードと出会うアルフレッド。アルフレッドの幼馴染みクリスチーナは地球連邦軍のパイロット。
バーナードとクリスチーナがモビルスーツで戦う姿を見て戦争の現実を知るアルフレッド。

 

劇場版 機動戦士ガンダム F91 1991年

逆襲のシャアから30年後。
平和が続く地球連邦政府で進む腐敗。そんな政府に異議を唱える軍事組織「クロスボーン・バンガード」と地球連邦軍との戦い。
主人公シーブック・アノー。避難先で、人手不足を理由に地球連邦軍へ加入させられる。シーブックはニュータイプの素質を見込まれ、ガンダム専属パイロットとして戦争に参加する。
ある時、同級生セシリーがクロスボーン・バンガードの指導者である事を知る。彼女からクロスボーン・バンガードの陰謀を聞くシーブック。共にセシリーの父親との対決に臨む二人。

 

機動戦士V(ビクトリー)ガンダム 1993年

F91から30年後の世界。
各地のコロニーで戦争が勃発する宇宙戦国時代。
マリア主義というカルト宗教を背景にしたザンスカール帝国と、抵抗組織の「リガ・ミリティア」との戦い。
主人公ウッソ・エヴィンは13歳。幼馴染みを守るため、リガ・ミリティアに参加してヴィクトリーガンダムに乗る。戦いの中で、憧れの女性カテジナがザンスカール側と知る。
最終決戦でウッソの前に立ちはだかるカテジナ。
80年に亘る宇宙世紀の物語は、この作品を以て一つの区切りが着いた。誕生から15年、成熟期を迎えたガンダムは、新たな挑戦に乗り出す。
三つの発明にも捉われない、全く新しいガンダム。

 

episode3
新たな世界を求めて
機動武闘伝Gガンダム 1994年
必殺シャイニング・フィンガー ローゼス・ビット
キャラクターたちが、攻撃時に必殺技を叫ぶ(ドラゴンボール的な)。 
ネオ・ジャパン、ネオ・アメリカ等のコロニー国家が誕生。

戦争に懲りた人類が、4年に一度、各国の主導権を決めるためにガンダムファイトを開催。
主人公ドモン・カッシュは、ネオ・ジャパンのガンダムファイター。ドモンが、戦いながらも各国のファイターと友情を築き、最大の敵デビル・ガンダムを倒すまでを描く。各国のガンダムはそれぞれの特徴を持ち、万博の様相。
当時ブームの対戦型格闘ゲームを反映。熱血と友情を描いたガンダムは小学生だけでなく、十代のファンにも受けた。

このヒットを受け、更に自由で大胆なガンダムが登場。

 

新機動戦記ガンダムW(ウイング) 1995年
宇宙に進出したスペースコロニー国家群と、それを制圧しようとする地球圏統一連合。コロニー国家群が地球に送り込んだ5体のガンダム。それぞれのガンダムに乗るヒイロ・ユイ、デュオ・マックスウェル、トロワ・バートン、カトル・ラバーバ・ウィナー、チャン・ウーフェイの5人。
やがて、コロニーの武装勢力と地球軍が激しい戦争を始めてしまう。

コロニー側代表:ゼクス・マーキス、地球側代表:トレーズ・クシュリナーダ。5人は、この戦争こそが人類の本当の脅威だと感じ始める。
個性ある少年たちを集める事で、女性を始めとする多くのファンを獲得。ガンダムワールドの裾野を広げた。

 

機動新世紀ガンダムX(エックス) 1996年
新しいタッチの物語作りに挑戦。

ニュータイプを前面に押し出したもの。 
大きな戦争により人口の95%が死滅。新しい世界を作るためにニュータイプの能力を利用しようとする組織と、ニュータイプを守る主人公たちとの戦いを描く。
主人公はジャンク屋で生計を立てるガロード・ラン。ふとした事からニュータイプの少女ティファ・アディールを守る事になる。
自分たち以外のニュータイプを抹殺しようとするフロスト兄弟。
シリアスな中に織り込まれるコメディタッチが新たなファンを引き付けた。ガンダムXに搭載されたシリーズ最大の武器「サテライト・キャノン」。一発で都市を消し去る。
①熱血格闘 ②複数主人公 ③コメディタッチ の3要素でガンダムを支持する層が広がる。

 

誕生から20年を経て、当時の十代が大人となり、かつてのガンダムの復活を望む声が出始める。
それに応えるべく富野監督が帰って来るが、それは驚きの世界観。黒歴史は、ガンダムから始まったことば。

 

episode4
原点回帰と再起動

∀(ターンエー)ガンダム 1999年
富野:ジャンル分けがいやだった(全部入れちゃう)。
オープニングから過去の映像を使用。
アムロとシャアの時代から何万年も経った遠い未来。

地球文明は相次ぐ戦争で滅び、地球に残った人類は科学知識をすっかり忘れてしまった。
かつての滅びた地球から月に逃れ、高度に進化した月の民は、再び地球に戻ろうとして、対立を招く。
月の民は、滅びる前の地球の歴史を「黒歴史」と呼ぶ。
地球人は、そんな歴史を知らず、ようやく小型戦闘機が作れる程度にしか科学が戻っていない。

月の民との戦いに全く歯が立たない地球人だが、かつての兵器モビルスーツが発掘され、それを操縦できるようになる。
主人公ロラン・セアックは月の民。偵察のため地球に住んでいたロランは、偶然見つけたガンダムで月の民と戦う事になる。
ロランの乗る∀ガンダムはヒゲを持ち異彩を放つ。
月の民と地球との争いは激化する。

当初の三つの発明がパワーアップして戻って来た。
今までのガンダムを「黒歴史」にしてしまう事で、新しい地平を開いた。

 

機動戦士ガンダムSEED 2002年
遺伝子操作をされ、宇宙により適合したコーディネーターと、地球に住む人類ナチュラルとの対立を描く。

21世紀のファーストガンダムを目指した。
主人公のキラ・ヤマトは、ふとした事からコーディネーターでありながら地球軍に参加。ガンダムのパイロットとして戦う。
だが親友だったコーディネーターのアスラン・ザラと、敵として戦う事になってしまった。
やがてアスランは、コーディネーター側の組織「ザフト」の行動に疑問を抱き、キラに合流。地球軍に付く。
ザフトの巨大兵器に挑むキラとアスラン。

ファーストガンダムから20年。新しいスタッフで作られたこのシリーズは大ヒット。新しい世代の多くのファンを獲得。

 

この人気を受けて作られた続編が

機動戦士ガンダムSEED DESTINY 2004年
コーディネーターとナチュラルとの大戦から2年後。平和への道を歩んでいる筈が、コーディネーターたちが新しいガンダムを開発。そのガンダムが何者かに強奪されてから、世界は再び戦乱に巻き込まれる。

 

ガンダムSEEDヒットの理由 氷川竜介氏(明治大客員教授)
21世紀のファーストガンダムをスローガンとしたが、結果的に十代の女性ファンを増やした(アニメ業界全体にプラスに作用)。
ガンダムが持つ人間の魅力。人はなぜ戦争してしまうのかを掘り下げる作品になった(画期的)。

様々な世代のファンから期待が寄せられる→バラエティ豊かな作品が次々登場。

 

episode5
百花繚乱ガンダムワールド。

機動戦士ガンダム00(ダブルオー) 2007年
時代設定を初めて西暦にした。西暦2307年。
化石燃料が枯渇し、太陽光エネルギーを熱源とする世界。この主導権争いにより各地で起きる紛争。戦争の根絶を目指す私設武装組織「ソレスタルビーイング」が登場。ガンダムによる武力介入。
主人公は4人のガンダムパイロット(ガンダムマイスター)。刹那・F・セイエイ、ロックオン・ストラトス、アレルヤ・ハプティズム、ティエリア・アーデの4人。
次第にその正体が暴かれて行く4人は窮地に追い込まれて行く。だが戦争の抑止力として戦い続ける事を決意する。

 

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 2010年 OVA
宇宙世紀0096年。アムロとシャアの闘いから3年後の世界。
主人公のバナージ・リンクス16歳。ある日ユニコーンガンダムに出会い、地球連邦政府の陰謀渦巻く世界に巻き込まれて行く

。ザビ家を継ぐミネバ・ザビ。シャアの再来と言われるフル・フロンタルが登場し、旧作のファンからも注目される。

本作はOVAの後、昨年TV放映された。

 

機動戦士ガンダムAGE(エイジ) 2011年
突如地球を襲って来たUE(Unkyown Enemy)との100年に亘る戦いを描いたもの。
主人公フリット・アスノが開発したガンダムから始まった戦いは、その子供アセム・アスノに引き継がれ、更に孫キオ・アスノの世代に引き継がれる。親、子、孫に連なる壮大なストーリー。

 

SDガンダムフォース 2004年
スーパーデフォルメされた喋るガンダム。

ガンダムビルドファイターズ 2013年
ガンダムのプラモデルを使ったバーチャルバトルが世界的に流行。世界大会優勝を目指す少年たちの戦いの日々を描く。
オリジナリティあふれるプラモデルは多くのファンを魅了。

 

ガンダム Gのレコンギスタ 2014年
富野監督が、新たな世代の子供たちに作った作品。
主人公は楽天的なベルリ・ゼナム。多くの国が絡むエネルギーの覇権争いに巻き込まれる。複雑で奥の深いストーリー。

 

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 2015年
これまでのガンダムの知識がなくても楽しめる作品。
文明を退化させるほどの大戦争から300年後の世界。経済は不均衡を極める。貧困にあえぐ火星では人身売買が公然と行われていた。
民間警備会社で奴隷のように働かされている三日月・オーガス。親友オルガ・イツカと共に反乱を起こす。
ロード・ムービーとしての魅力と共に話題になったのは、ビーム兵器を持たないモビルスーツ。泥くさい戦闘シーンが見る者を熱くした。

 

作家 福井晴敏氏談 長く続いた理由
富野監督が、全部自分で作る、という事に固執しなかった。面白い事だけをやるガンダムや、アクションだけを追求するもの等

、バラエティの広がり。それと富野が作った太い幹との両立。

 

人気投票の告知。
既に100万を超える投票があった。現時点でのランキング。
キャラクター 
①シャア・アズナブル ②オルガ・イツカ ③アムロ・レイ ④キラ・ヤマト ⑤グラハム・エーカー
モビルスーツ
①νガンダム ②Zガンダム ③ストライクフリーダムガンダム ④ウィングガンダムゼロ ⑤フリーダムガンダム

 

 

感想
いやはや、「歴史秘話」でガンダムを料理するとは、NHKも柔軟になって来たものだ。それも進行役の渡邊あゆみは例の和服。平然とこの違和感を克服してやりこなしたのは見事。
それで人気投票(中間発表)もやっている。キャラクターではシャアとアムロが上位に入っているが、モビルスーツでは、ファーストガンダムは10位。

 

ガンダムを見始めたのはファーストガンダムの初回放送から。
就職して数年で尿タンパクが多く出て入院。結局1年以上の入院を経て、慢性腎炎と言われたまま職場復帰。
そのタイミングで放送が開始され、自分の復帰と重ね合わせて妙に入れ込んでしまった。
続編を切望したが、それはなかなか叶えられず、その間に結婚。二作目のZガンダムが放送開始された時には子供も生まれ、とても連続アニメを観る気持ちにはならなかった。

だがその後様々な経緯を経て、ガンダムが営々と続いて来た事に感嘆する。

 

ガンダム第1話の「つかみ」の良さについては庵野秀明も「新世紀エヴァンゲリオン」でかなり意識した、と本で書いている。
ただファーストガンダムは、元々スポンサーのバンダイの意向とは微妙にズレがあり(要するにマニアックすぎ)、初回放送ではあまり視聴率が取れなかった。またプラモ供給のために、あまり戦術的に有効とも言えない登場も多々あった(Gファイター等)。

ガンダムシリーズが再開出来たのも、再放送やレンタルビデオでの拡散による再認知からだろう。

 

その後のシリーズ数作は、初期メンバーの香りを残していたが、以降は新しい設定で進められる。

自分が把握しているのは「ファーストガンダム」 「Zガンダム」 「ガンダムZZの途中まで」 「逆襲のシャア」 「ガンダムSEED」 「ガンダムSEED DESTINY」 「ガンダムUC」ぐらいか。

数年前からファースト含め見直している最中。

 

ガンダムSEED~DESTINYのストーリーは、ファーストのイメージを継承しつつ、物語として良く出来ていたが、いかんせんキャラクターの造形が画一的(細いアゴ)なのが陳腐。実に惜しい。

 

ガンダムUCは「ラプラスの箱」を巡って話を引っ張り、最終的にニュータイプをどう扱うかの、憲章の秘密を暴いて行くという、少年にはやや難しい落としどころ。

 

いずれにせよ、このタイミングでガンダムシリーズの全体構成を理解出来たのは、それなりに収穫だった。

ただORIGINは気になる(劇場には行ってませんが・・)

 

それから、投票しますた・・・・