妖獣都市(アニメ)   1987年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督  川尻善昭
原作  菊地秀行
脚本  長希星

 

キャスト
滝 蓮三郎          屋良有作
麻紀絵           藤田淑子
ジュゼッペ・マイヤート  永井一郎
Mr.影             青野武
蜘蛛女           横尾まり
ホテルの主人       大木民夫
ジン             戸谷公次
社長             村松康雄
ソープ嬢          安藤ありさ
魔界の女          向殿あさみ
病院長           岸野一彦

テーマ曲:「HOLD ME IN THE SHADOW」当山ひとみ

 

ダイジェスト・テーマ曲

 

感想
初めて観たのは多分レンタルビデオ。1990年頃か。

ちょっとエッチな大人向けのアニメ。
人間界と魔界との間で汚れ仕事を処理する闇ガードが、500年に一度の休戦協定に巻き込まれる。

洋画でも悪魔を扱ったものはいくつもあるが、この設定は悪くない。

 

何と言っても蜘蛛女の描写がハンパない。

股間の割れ目がぐるっと尻の方まで回って、それが開き粘液がドバドバ出て相手を絡め取る。

全く夜うなされそう・・・・

 

監督の川尻善昭。魔界を描いた淫靡な世界観は全く独特で、原作の菊池秀行もイメージ通りだと絶賛したらしい。

海外の方が高く評価されているが、低予算という枠内で作られた作品のため、ともすれば低く見られて残念。

 

魔界の女闇ガード、麻紀絵。初めて見た時にはいかにも冷たそうだったのが、自分を犠牲にして滝らを逃がそうとする辺りからは感情移入して、どんどん可愛く見えてくるから不思議。

 

スケベじじいのジュゼッペ・マイヤート。

永井一郎の声だが、これが実にハマっている。

サザエさんの波平もいいけど、やっぱこの役は彼ならでは。2014年に亡くなっているが、本当に惜しい。

 

本編 画質はあまり良くないが、ストーリーを追う分には支障ない

 


あらすじ
オモテ向きは電機メーカのサラリーマン、滝蓮三郎。バーに来る客のカナ子を3ケ月かかって口説き、その晩彼女の家へ。

 

 

愛を交わした後、カナ子だった女が蜘蛛女に変身して滝を襲う。すんでのところで逃げた滝だが、女の目的は精液を取る事だけであり、高層ビルの窓から逃げた。

 

 

翌日社長に呼ばれる滝。社長も組織の人間。
太古の昔から人間界と魔界との接触が続いていた。共存を求めつつも戦いは繰り返された。ある時から各界の代表者同士が契約を交わし(不可侵条約)、何百年か毎に一定の休戦期間を設けて来た。
今回500年続いて来た休戦期間満了にあたり、新たな休戦協定が明日、東京で結ばれる事になった。
協定のために不可欠な人物である魔導師ジュゼッペ・マイヤートが今夜来日。闇ガードである滝にその護衛の仕事が命じられた。
闇ガードとは人間界、魔界間のトラブルを秘密裏に解決するためのエージェントであり、魔界にも存在する。
社長の話では、今回対応のため魔界からも女性の闇ガードが派遣されるとの事。

 

ジュゼッペを空港に迎えに行った滝は2人の魔界の者に襲われる。魔界の者を倒せる特殊な銃で一匹は倒したが、もう一匹に捕まった。その時、あざやかな腕で滝は助けられた。

 

 

それが魔界の闇ガード、麻紀絵。美人すぎて冷たい印象。こちらの世界ではモデルをやっているという。

ジュゼッペの到着をロビーで待つ滝と麻紀絵だが、その便が着陸寸前に爆破された。

 

 

彼らの隣でブツブツ話す老人。それがジュゼッペだった。危険を予知して一便到着を早めたのだという。麻紀絵の尻にタッチしてビンタを張られるスケベじじい。
魔界の女のアレは格別だと、滝をそそのかす。

 

ジュゼッペをホテルまで連れて行く二人。このホテルは強力な結界でガードされている。ジュゼッペはキャバレー、ソープで遊びたいとわめくが外出禁止。

せめて麻紀絵と二人がいいという事で、部屋から締め出される滝。

支配人と滝とは顔馴染み。チェスとブランデーで時を過ごす。ジュゼッペはオトリの可能性もある、と支配人。

 

そこに大きな地震が起き、床が割れ、サングラスの男が飛び出す。支配人が応戦するが倒され、続いて滝も倒されて気を失う。
ジュゼッペの部屋に押し込む男。麻紀絵はその男に「ジン・・・」と言った。かつての恋人。なぜ人間の味方をするのか、と男。

口づけされ、服を脱がされて言いなりになる麻紀絵。

目を覚まして部屋に走る滝。部屋に入った時、麻紀絵がスキを見て反撃。滝が銃で男を仕留める。

トイレに隠れていたジュゼッペは、窓から外へ逃げ出していた。

ジュゼッペの行先をソープランドと踏んで急行する二人。
女の胸を揉んで喜ぶジュゼッペだが、女の胸が溶けて崩れ、次第に体が飲み込まれて行く。そこに駆け付けた滝と麻紀絵。

麻紀絵が爪のカッターでけん制している時に、ジュゼッペを女の体から引き離す滝。女は麻紀絵が仕留めた。

 

 

 

生命力を奪われてジュゼッペの命が危ない。ここから一時間ほどにある霊法病院へ連れて行かなくてはならない。だがその途中で魔界の者が、車を含めて妖閉空間に閉じ込めた。
麻紀絵が一人車から出て開こうとするが、その時ジュゼッペの体から小さな生き物が飛び出す。さっきの女から仕込まれたもの。

今度はそれが麻紀絵に乗り移り、彼女に絡み付いた。

口に触手を押し込まれながら、麻紀絵はジュゼッペと逃げて!と叫ぶ。

 

 

 

休戦協定のために欠かせないジュゼッペの命を優先させて、滝は止む無くそこから逃げ、霊法病院に逃げ込む。

治療を受けるジュゼッペに対し、魔界の者が外部から侵入しようとするのをインド、チベット、高野山等の霊力を集めて守る病院。

 

魔界の者たちが病院の前に集まり、滝を呼び出す。そして麻紀絵が皆からなぶりものにされている映像を見せ、助けたかったら付いて来いと言う。

ジュゼッペが「ワシを守らずに女を助けに行くのか」とののしるが、滝は「病院に居れば安全だ」と言って車を出す。

 

魔界の者のアジト。協定の阻止を企むMr.影との戦い。手下どもを次々と倒す滝だが、Mr.影は死んだ者の溶けた体でバリヤーを作って迫って来る。銃は役に立たない。だが口を開けたその中に銃を打ち込む事で仕留めることが出来た。
掴まっていた麻紀絵を助ける滝。なぜ闇ガードになった?と滝が聞くと「どちらの世界にも平和を望む者はいるわ」

 

 

病院に戻った二人。会社の社長も来ていた。ジュゼッペを守るという任務を放棄したという事で、二人は解任された。

社長に、君はロマンチスト過ぎる、と言われる滝。

 

車で走る滝と麻紀絵。次第に心を通じ合わせていた。

だがそこにジュゼッペが乗っていた。驚く二人。
だがトンネルに入ったところで車が襲われる。

待ち伏せていたのは蜘蛛女。

股から飛び出す粘液で二人を重ねて縛り上げて吊るした。
とどめを刺されようとする時に、天から雷のような光が飛び込んで蜘蛛女の体を貫いた。

 

 

 

教会で目覚めた滝と麻紀絵。誰かに助けられた。

体を重ね合わせていた。
麻紀絵が一筋の涙を流す。魔界の者にはあり得ないこと。

 

 

 


そこにジュゼッペが現れ、今回の調印の裏の計画を話した。

魔界と人間界との共感は進んだが、大きな課題として混血が不可能という点があった。だが研究を重ねることで、混血が可能な遺伝子が、ごくわずかだが両界から出現し始めていた。
そこでベストカップルとして選び出されたのが滝と麻紀絵。

この計画が成功するかどうかはお前たち次第だったが、何とか実を結んだようだ。

その時、教会の十字架の裏が崩れて復活したMr.影が現れる。

二人に、早く調印式に行けと促すジョゼッペ。

自分自身が二人を守るための役目だった事を明かし、Mr.影との戦いを始める。
だが強大な力の前に劣勢となるジュゼッペ。
そこへ麻紀絵が割って入り、爪の刃でMr.影の体を引き裂いた。子を宿したことで麻紀絵の体に新たなパワーが生まれていた。

 

 

共存の象徴である受胎の結果を以て、次の調印も滞りなく行われた。だが闇ガードとしての滝の任務はまだ続く。