マネージャー退社に伴う、超有名グループの解散騒ぎ。首相始め大臣が次々とコメント入れる軽薄さもさることながら「何でこうなるの?」という疑問が最初からあった。
ネットでちょこちょこ検索した限りでは、以下の「本件をグループ転職として考える」のが一番しっくり来た。
証券会社のトレーディング部門などではこんなケースが珍しくないと言う。
これを読むと、いくら自分たちを大きくしてくれたプロデューサーだとしても、基本的には事務所の社員。
聞くところによればジャニーズ事務所の年間売上は700億超だという。これは中堅製造業クラスであり、運営についてはある程度組織的に出来ていないと、とても40年近く回して行くことなど出来ない。
そんな中での幹部たちにおけるドメスティックな争いにはあきれるが、だからと言って組織から抜けて新たな組織に属するとなったら、相当周到な準備をするべきだった。
そういう意味で、まず抜ける事を表明する前に「円満に抜けることが出来るか」という最重要ポイントが放置されていた。Iプロデューサーが退社し、メンバーを連れて出るという図式自体がそもそも争いを含んでおり、とても「円満」などという状況にはなる筈がない。
木村拓哉が、どの時点で「残る」と言ったのかは知らないが、事業者としてはしごくノーマルな感覚だったと思う。
それにしても、40過ぎと言ったら普通の企業なら主任・課長クラス。部下を抱え、自部門の売上拡大、トラブル潰しなど様々な課題に直面し、切り抜ける「中間管理職」。自分のことぐらい「もっとしっかり考えろよ」。
芸能界の底の浅さを垣間見た数日間だった。
ファン心理としてはそう思う部分もあるだろう。だが、芸能記者が事業の何たるかも知らないで、無責任に書き放題をするのは害毒。
そもそも受け入れ事務所自身、ジャニーズ事務所と事を構えてでも「SMAPと心中してもいい」なんて考える筈がない。