イノセンス 2004年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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(攻殻機動隊 MOVIE 2)

 

原作            - 士郎正宗(『攻殻機動隊』講談社刊)
監督、脚本   - 押井守

 

キャスト
バトー                 :大塚明夫
トグサ                 :山寺宏一
草薙素子            :田中敦子
荒巻大輔            :大木民夫
イシカワ              :仲野裕
キム                    :竹中直人
検死官ハラウェイ :榊原良子

 

感想
6/20に「攻殻機動隊 新劇場版」が公開されるという。

1コ前というと「イノセンス」なので遅まきながらアップ。

劇場公開の2004年に観ていたが、ストーリーはあらかた忘れていた。印象があったのは人形と、祭りの豪華絢爛なイメージ。
 

当時買ったパンフレットを読んでみると、押井の人形に対する思い入れの強さに圧倒される。学生時代に出会ったハンス・ベルメールの

球体関節人形」。
これは「攻殻機動隊」と出会うずいぶん前になるので、元々押井の持つイメージが「GHOST IN THE SHELL」に投影されて映画の骨格を作り上げていたという事だろう。

 

ストーリー的にはアンドロイド製造会社が、違法とされる人体の脳を直接コピーし、ゴーストとして宿らせる事件を追ったもの。
ゴーストの定義、前提等が判っていないとなかなかついて行けない。
それから毎度出て来る「格言」みたいな言葉。押井の趣味だと思うが、いかにも小賢しい感じがして好感が持てない。
中華趣味も「ブレードランナー」そのまんまで。

そういう意味では中華テイスト=SFという刷り込みを作ったブレードランナーが先駆者として素晴らしいんだけど。

ただ、祭りの映像は「乱」を観ていた時の感動に似たものがあって、あれは劇場で観るべきものだなー、と痛感した。

 

しかしバトーに優しい言葉をかけるなんて、ちょっと少佐らしくないんじゃない?(笑)

 

 

あらすじ

2032年。人とサイボーグ、ロボットが共存する近未来。

そこで人間のために作られたガイノイド(少女型アンドロイド)が暴走し、所有者を殺害した後自壊する事件が発生。

公安九課のバトーは事件現場で、暴走したガイノイドを完全に破壊。

その寸前に「タスケテ」という言葉を聞く。

九課課長の荒巻が事件の状況を説明。

ガイノイドはロクス・クルス社製。事件は8件発生しており、そのうち2件で政治家、公安関係者が各1名いるため、テロの可能性も含め九課に調査の指令が下った。

 

所轄に出向くバトーとトグサ。バトーは全ての体を義体化しており、トグサは、体は生身で電脳化のみ実施。

荒巻の指示でバトーとコンビを組む。

失踪した草薙少佐の事は知っており、バトーにその話をする。
所轄の鑑識でバトーが倒したガイノイドを調べる検死官のハラウェイ。トグサとの会話で人形の解釈についての自論を語る。

アンドロイドは「タイプ2052 ハダリ」。特殊装備が施されていた(セクソロイド)。遺族が告訴を取り下げた理由でもあった。
電脳は初期化されていたが「タスケテ」という音声ファイルが残っていた。

 

所轄からの帰り際に、ロクス・ソルス社のガイノイド出荷検査官が殺されたとの知らせが入る。

殺害現場の書棚から少女のホログラフを見つけるバトー。

同僚のイシカワの車で送られる途中、スーパーに立ち寄りドッグフードを買うバトー。ドライにすれば半年持つのに、とあきれるイシカワ。
殺害現場の情報から、襲撃したのは暴力団「紅塵会」の車だと判明。

この組長が3日前、例のガイノイドに首を撥ねられて死んでいた。

報復とも取れるが、やや不可解。

 

紅塵会へ情報を仕入れに行くバトーとトグサ。

派手なことはやるなというトグサの警告も効果なく、組員と銃撃戦になり、十数人を死傷させてしまうバトー。

新組長に話を聞くも、詳しい事は何も知らなかった。

 

いつもの様にスーパーまでイシカワに送られて別れたバトー。

店に入ってから、違和感を感じながらドッグフードを手に取るが、襲われる気配を感じて発砲。だが右腕に銃撃を受けて倒れる。

銃を向けようとする店主に向かって猛然とダッシュし、撃つ寸前首筋に端末を当てられて停止する。
目を覚ますバトー。何者かがバトーの電脳にハッキングして誤った情報を注入していた。自分の銃で右腕に5発ブチ込んでいた。

荒巻はこの事を想定してイシカワとバトーに監視させていた。

生活習慣を固定しているから罠を仕掛けられる、と言うイシカワ。
なぜハッキングで自分を殺さなかったかと問うバトーに、彼らの目的がスキャンダルだと説明。

暴力団の事務所で十数名を死傷させた男が、同じ日に銃の乱射騒ぎを起こせば、これ以上の追求が困難になる。

ロクス・クルス社のある択捉へ直接行く2人。

 

現地で行われていた壮麗な祭り。

そこに紛れ込んで情報屋と接触するバトー。バトーと顔馴染みだったハッカー、キムの居所を聞き出し、その屋敷に向かう2人。


屋敷に入って階段を上り、キムを追い詰めるが、キムは死んでいた。

そこで屋敷のミニチュアを見つけるトグサ。だがそれに見入ったとたん、屋敷に入る前の場面に再び立っていた。また屋敷に入る二人。

だが階を上ったところで椅子にもたれていたのはトグサ自身だった。

そして再び屋敷の前。次に入った時、バトーは罠を理解し、打ち破る。

 

ガイノイドを量産している洋上の工場船に海底から潜入するバトー。

トグサは、工場船のメンバーに電脳を直結していたキムの回線を利用してバトーを支援。
だがキムの義体がクラッシュし、その影響で工場内のガイノイドが皆暴走を始める。
窮地に陥るバトー。そこへ彼を助けるガイノイドが1体。

草薙が乗り移った義体だった。2人で協力して船の心臓部にたどり着き、安全装置を解除して船を完全制圧した草薙。

ガイノイドに魂を吹き込んだ正体を見に行こうと言う草薙。

 

ノイズを完全に遮断した部屋。
ゴーストダビング。脳の情報をアンドロイドにダビングする技術だが、オリジナルが破壊されるリスクがあるため禁止されている。
紅塵会のルートで密輸入した子供たちを洗脳してガイノイドにダビング。ロクス・クルス社の製品が優秀だった理由。
装置の中から1人の少女を引き出したバトー。

あのホログラフの少女だった。
死んだ検査官はこの少女たちのために装置のプログラムを書き換えていた。それが発覚したため、紅塵会に殺されたと推理する草薙。

ロボットになりたくなかった、と泣きじゃくる少女。

 

「あなたがネットにアクセスした時に、私は必ずそばに居る」

と言い残してガイノイドから抜け、ネット空間に去った草薙。