NHKスペシャル「医療ビッグデータ」11/2放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

副題「患者を救う大革命」


番組情報
http://www3.nhk.or.jp/news/iryoubd/


①アメリカのスカイラーちゃん。体重1000gの未熟児で生まれ、自力呼吸出来ず感染症が出たら死ぬリスク大。症状が出る前の処置が必須。心拍、呼吸等はセンサで24H監視されているが、それを利用するのは医師、看護師が見る時だけであり、残りは捨てられていた。

巨大サーバで全データを記録。海外の乳児ICUデータも含め1000人分を解析。感染症を起こす前の、正常者との差を抽出。血液中酸素濃度の低下と心臓の働き低下が同時に頻発する症状が発症の24H前から起きていた。この知見のおかげでスカイラーちゃんは危機を脱出。この構築は株価予測の専門家が行った(従来の医療従事者は解析の知見に乏しい)。


②検索ワードのビッグデータ活用。YAHOO JAPANで「インフルエンザ」の検索が群馬で急増(2億回/日)。その後10日して群馬でインフルエンザ流行の発表があった。医療機関としては準備する参考とは出来る(鵜呑みには出来ないが)。


③前立腺ガンの手術。通常では入院2週間が普通だが、患者のビッグデータ解析で、要因が判明。痛みがない場合に最も早く退院出来る。

安静期間の設定、リハビリの開始に痛みの要因を考慮。1週間での退院が可能になった。


④ある病院の病棟で、脳梗塞患者がベッドから落ちる、転倒する、の事故が620件/年発生。患者が手すりを掴んだら看護師が駆け付けるという体制を続けると共にビッグデータ化。忙しくなる時間帯及び、他科との差が明確となり、業務シフトに利用。


⑤ケンタッキー州のある町。市民の10人に1人がゼンソク。患者が吸入薬使ったらその場所、時刻、天候をスマホに送信してデータ収集。

ある患者で特定の場所で発作が出る。乗馬クラブ→馬の毛がゼンソクの原因。その手法で鶏小屋、ブタクサの群落等の要因も判明。ゼンソクのホットスポットの場所が患者の分布と合わない→天候と風向の関与あり。市では各所にセンサを付けて有害物質の存在を検証中。


⑥腫瘍マーカーであるP53をコントロールするたん白質の存在を見つけるため人工知能「ワトソン」で医学論文3000件を解析。nek2というたん白質を発見した。


感想
ビッグデータは金融、気象などで活用されているが、医療での活用という事で興味深く見ることが出来た。
①は、今回の目玉的存在。普通だったら見落とされる兆候を、データを集める事で予知のレベルにまで引き上げる。
④は、役に立たないとは言わないけど、あんまり解析の香りがしない。落ちた時のショックを和らげるとか、ハード面でやる事がもっとありそう。
⑥は、ネット上にある情報を拾って解析するだけで新薬発見も出来るという事になり、インターネットの持つすごさ(恐ろしさも含め)を痛感する。