機動警察パトレイバー THE MOVIE 1989年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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監督 押井守
演出 - 澤井幸次
プロデューサー - 鵜之沢伸、真木太郎、久保真
企画 - ヘッドギア
原作 - ヘッドギア
原案 - ゆうきまさみ
脚本 - 伊藤和典
キャスト
古川登志夫 (篠原遊馬:アスマ)
冨永みーな (泉野明:ノア)
大林隆介  (後藤喜一)
榊原良子  (南雲しのぶ)
千葉繁   (シバシゲオ:シゲ)
辻村真人  (実山:じっちゃん)
西村知道  (松井刑事)
池水通洋  (太田)

 

感想
押井守が監督という事で、「攻殻機動隊」の後で観たもの。

確か数年前に観たはずだが、ほとんど記憶がなく、改めて確認(2も含め)。だが、元々OVAの知識がないとついて行くのが大変。

まあ、思いつきのパスワードであっさりシステムが暴走するなんて「何と都合のいい」という感じではあるが、公開当時の1989年は今から20年以上前。OSに暴走のプログラムを仕込むとかのアイデアを映画に取り入れた例としてかなり先進的。
また、PCが暴走して複数画面が真っ赤になる描写は「エヴァンゲリオン」で多用されており、この作品を参考にしたのかも知れない(魚眼レンズ的表現も)。そういえば「海猿」でも洋上の施設が台風の直撃受けて、それを沈めるというシチュエーションがあったナー。

 

ロボットアニメの割りにロボットアクションは控えめで、内容から見ても「大人」の鑑賞に堪える。
しかしレイバーの武器、形はレボルバー式の拳銃で、ノアが撃ち終わった弾倉に弾を込めている場面があった(技術がチグハグすぎるだろう)。

 

風采のあがらない後藤。普段はボンヤリして魚釣りなんかしているが、肝心なところは良く見ていて、いざとなると大きな決断が出来る。中間管理職のカガミと言ったところか。

しかし、このドラマのキーマンである帆場の描写がイマイチ。冒頭の場面で薄笑いの口元だけチラ見させてから投身。

MITでもエホバと呼ばれていたとか、実家の壁に記された聖書の一節とか、謎をテキトーにちりばめて深みを出そうとする浅知恵が透けて、ちょっと減点要素。

上質なテーマとドタバタがごっちゃになった「妙」なアニメ。

 


 

あらすじ

プロローグ。男が工事現場のプラットフォームから飛び降りる。

自衛隊のレイバーが作戦行動中に暴走、鎮圧される。中は無人。

 

東京湾を一部埋め立て、湾を一周する第工事「バビロンプロジェクト」。これを可能にするレイバーシステム。人が乗り込んで荷役を行うもの。この工事に大量のレイバーが動員されるに従い、レイバー犯罪も増加し、その対応のため警察によるレイバー「パトレイバー」の運用も本格化。
洋上プラットフォーム「方舟」。バビロンプロジェクト事業のコア。

 

 

システムの効率を上げるために導入されたOSの「HOS(Hyper Operating System)」。レイバーのメーカーである篠原重工の開発したもの。だが最近レイバーによる暴走事故が散発していた。
アスマ。篠原重工社長の息子だが、警察に入りレイバー部隊(特車二課)に居る。HOSに重大な欠陥があると主張。レイバーの暴走が意図的にプログラムされたものの可能性を示唆する後藤。

 

帆場映一。「HOS」をほとんど1人で開発した天才プログラマー。MIT卒業後すぐに篠原重工に入社。だが5日前に自殺していた(死体は上がらず)。
篠原重工に調べを入れる整備の榊と遊馬。そこのコンピュータ室で遊馬がHOSのプログラムディスクの確認をし、回路接続の画面を出した時、何気なく「E.HOBA」と入力。突然工場内のシステムが異常を起こし始める。


 

アスマに暴走のトリガー調査を指示する後藤。

かつて「カミソリ後藤」と言われていた男。

公安の松井刑事。後藤の依頼を受けて帆場の足取りを追っていた。2年間に26回もの引越しを行い、そこからは常に高層ビルが見えていた。

 

ノアとのデート中に犬笛のヒントから低周波音による暴走を推理したアスマは実家に戻り、親がわりだったじっちゃんに真相を問い質す。ビル風による低周波音のせいで暴走する点について篠原重工が申し入れ、OSの書き換えを大規模に進めていた。

暴走する周波数は10.21Hz。だがこのデータだけでは大した被害にならない。ソフト担当のシゲと一緒に解明を続けるアスマ。ヤカンのピー音にガラスが共鳴して振動するのを見て、固有振動数が一致するものを探す。開けたところにある巨大構造物がその条件。それは「方舟」。
方舟の情報をインプットしてシミュレーションをすると、風速40mで共鳴が起こる事が判明。その時は大部分のレイバーが暴走する。

丁度巨大台風が東京湾に接近しつつあった。
後藤、南雲が自衛隊幹部に進言するが無視される。

台風にかこつけて「方舟」を破壊する作戦を進める後藤。成功しても失敗しても莫大な犠牲を伴う。
時間稼ぎに動く後藤。

 

レイバー3体を作業船に載せて搬入する特車二課のメンバー。
構造物をどんどん切り崩して分解する手順だったが、実はHOSに接触したもの全てが汚染されており、方舟のメイン・コンピュータもその対象だった。風速35mで自力の制御が不能となる。

サブコントロールに人が居るとの情報で向かったノア。

だがそこには多数の鳥の群れ(666の識別票を付けた鳥)


 

サブコントロールの直下に手動破壊のブロックがあり、ノアの手により方舟は分解。