キャスト
堀越 二郎 :庵野秀明
里見 菜穂子 :瀧本美織
本庄 :西島秀俊
黒川 :西村雅彦
カストルプ :スティーブン・アルパート
里美(父親) :風間杜夫
二郎の母 :竹下景子
堀越加代(妹):志田未来
黒川夫人 :大竹しのぶ
カプローニ :野村萬斎
YAHOO 映画 より
あらすじ: 大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかってしまう。
感想
映画盛り上げのためのTV特番見たんで、ちょっとその気になって映画館へ。
映画館では堀辰雄の予備知識なしに観ていたので、菜穂子の健気さについホロリ。堀越二郎物語として、ヒコーキ好きにとってはなかなか面白かった。
帝大工学部を卒業後、若くして戦闘機の設計を任され、最初に手がけた「7試艦戦 」は低翼単葉という革新的なものだったが、素材に恵まれず所期の性能を出せなかった。
その経験を経て次に任された試作機(九試単戦 )は、軍の要求を大幅に上回る性能で制式採用に。
話の合間に出て来る夢の中でのカプローニ氏との語らい。
その中で語られる航空機設計者の宿命。
例の「紅の豚 」のパターンと同じで「モデルグラフィックス」誌に連載された宮崎駿の漫画を映画化したものであり、この中味についてあれこれ批判するのは野暮というものだろう。
堀越二郎の航空機設計者人生と、堀辰雄の人生をテキトーに組合わせてドラマ化した宮崎の「妄想」
ただ、どいつもこいつもタバコをスパスパ・・・・・
宮崎がいくらヘビースモーカーだと言っても、これはやりすぎ。
ベネチア国際映画祭にエントリーするとか言ってるけど、ちょっと入賞は難しそうだ。
ま、先日観た「アポロ13」でも発射センターの職員たち、あっちこっちでスパスパ。まあ昔の男の職場を手っ取り早く表現するには一番の表現だったかも。
それから、いくら震災はさんで3年がかりの映画だとして、あちこちの特番で「今ファンタジー作ってる場合じゃない」とか高尚な事をいくら言っても、要するに極めて私的なお遊びを映画に仕立てて自己満足しているだけ。
「紅の豚」の時はその辺りの潔さみたいなものがあったけど、妙な屁理屈ばかり言って、今回はあまり共感出来ない。
「オレの妄想だよ、いいだろ」と言ってくれたらサイコーでした。唯一共感出来た一言「夢を形にするのが設計者」。
エンドロールで流れるユーミンの「ひこうき雲」。
静止画が穏やかに切り替わって行く場面のバックに流れるこの歌は、どうしても涙腺を刺激する。
でもこの曲の由来は、コレ なんだけどね。
オマケ
そうそう、「シベリア」ってお菓子出て来たナー(食べたことがある)
「風立ちぬ クレジット 」の中の企画書
彼らはこういう事をしたかった(らしい)。