監督 リドリー・スコット
脚本 デイモン・リンデロフ
出演
エリザベス・ショウ ノオミ・ラパス 剛力彩芽
若い頃のショウ ルーシー・ハッチンソン 宮本侑芽
メレディス・ヴィッカーズ シャーリーズ・セロン 深見梨加
キャプテン・ジャネク イドリス・エルバ 楠大典
デヴィッド マイケル・ファスベンダー 宮本充
ピーター・ウェイランド ガイ・ピアース 納谷六朗
チャーリー・ホロウェイ ローガン・マーシャル てらそままさき
解説
「エイリアン」「ブレードランナー」の巨匠リドリー・スコットが自身初の3Dで描くSF大作。地球上の古代遺跡で人類の起源にかかわる重大な手がかりを発見した科学者チームが、その謎を解明するため宇宙船プロメテウス号に乗り、未知の惑星を訪れる。しかし、そこには人類が決して触れてはならない、驚きの真実が眠っていた……。出演はノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロン、ガイ・ピアースら。脚本を「LOST」のデイモン・リンデロフが手がけた。
「人類はどこから来たのか」「なぜ人類誕生の瞬間は空白のままののか」という心地よいフレーズに釣られて公開日のレイト・ショウで観て来ました。
結果は・・・・・「最新3D映像を駆使した駄作」てなところでしょうか。
リドリー・スコットは「エイリアン」「ブレードランナー」という代表作を持つ大監督としての意識を強く持っていました。特に初代エイリアンではどろりとした陰鬱なイメージ、パニック脱出劇としての完成度の高さに驚き、ブレードランナーでは、4年の寿命しかないレプリカントの悲哀と、彼らを狩るブレードランナーの苦悩が印象に残り、そんなわけで「彼の作る映画ならハズレはないだろう、人類の起源の解釈を体感してみたいものだ」とワクワクしていました。
映像だけからの大まかなストーリー
地球上の古代文明の中に共通したパターンの図形を発見し、ある惑星への渡航計画が推進された(スポンサーはウェイランド・コーポレーション)。
数年のハイパー・スリープの後、クルーは覚醒し計画の詳細を会社幹部のメレディスから知らされる。リーダーは考古学者のエリザベスとチャーリー(この2人は恋人同士)。その星に着いてから、ある山の探索に向かう。
そこには人類以外の者(エンジニア)の死体が多数。その者らの中で1体だけ生存者が居た。その場所からアンドロイドのデヴィッドが卵を持込む。卵の中の物体を酒に混ぜてチャーリーに飲ませるデヴィッド。感染したチャーリーは怪物に変身しメレディスに焼き殺される。山の中に多数のエイリアンが居ることを知るクルーたち。
会社CEOのピーターは、実は宇宙船に乗っていた。彼が宇宙船を渡航させたのは、人類の起源に関わるエンジニアの力により自分の寿命を延ばそうと目論んでいたのだ。
デヴィッドはピーターらを伴って1体残ったエンジニアの元へ。デヴィッドは彼を覚醒させるが、凶暴なエンジニアはデヴィッドはじめピーターも撲殺する。
エンジニアの居た場所は宇宙船だった。船を発信させようとするエンジニア。船が地球に戻れば地球はエイリアンに滅ぼされる。無線で船長にそれの阻止を頼むエリザベス。船長は自分の宇宙船を相手にぶつけて破壊(自爆)。
エリザベスは頭だけになったデヴィッドの手伝いで別の宇宙船に乗り、エンジニアが人類を滅亡させたかった理由を知るために発進する。
一般予告編
http://www.youtube.com/watch?v=r-EZC5zn2Fk
特別映像(これだけ見ると絶対観たくなる・・・・)
http://www.youtube.com/watch?v=jkn5WFceWNI
詳しいバージョンのあらすじ編
http://www.youtube.com/watch?v=1byZkbNB3Jw
突っ込みどころ満載ですが・・・・
まずプロメテウス号。どう考えても短距離戦闘用のビークルにしか見えない。恒星間移動を前提にしたら、全く違うものになる筈。
それから、古代遺跡からこの星へのメッセージを理解するところのプロセスがほとんど説明なし。SF好きはそれなりの説得が必要なのです。
星に到着しても、向かう山まではまるでハイウエイの様に平坦な1本道。まあ「エンジニア」が居たという事で周辺も整備されていたということネ。
それから、いくら空気があると言ったって、そう簡単にヘルメット脱ぐかね。空気感染とか考えるだろう、普通。
デヴィッドについても、途中からエイリアンの話だと判ってからは「なーんだ、アッシュか」と使い回しのアイデアにやや幻滅(エンジニアにぶっ飛ばされて首から上だけになっても機能しているとこなんかも同じ)。
エリザベスが、チャーリーからエイリアンの子供を孕まされていた事から、メディカル・ポッドで取り出し手術をするシーンは強烈。でも部分麻酔で腹かっさばいて、取り出した直後にステープルでガチャガチャ縫合、その後スタコラ逃げ出すとこなんかはリプリーも真っ青のバイタリティーだな。
エイリアンの変態についてもてんでバラバラで、エイリアンの謎を全て説明することにもなっていない。
ただ、エンジニアが飛ぼうとした宇宙船は、実は初代「エイリアン」の中に映像として出ていた。
http://www.youtube.com/watch?v=LjLamj-b0I8&feature=related
何か、中途半端に謎解き要素もあって、ビミョー。
しかし、まあシャーリーズ・セロンの存在感のないこと。
ガイ・ピアーズといえば、リメイク版の「タイムマシン 」の主人公でけっこう好感度高かったが、その後あまり活躍しているのを見なかった。メイクが激しすぎてスタッフ確認するまで気がつかなかった・・・・
いずれにしても予告編での「人類はどこから来たのか」「なぜ人類誕生の瞬間は空白のままなのか」というキャッチコピーは詐欺に近い。
確かに話の途中でエンジニアの細胞と人類のそれがDNAレベルで一致しで驚くシーンがあるが「で、なに?」と言いたくなるほど陳腐でモチベーションが落ちた。
山の洞窟の中にある巨大な顔も、ただあるだけで何の説明、必然もなく、そんな意味のないこけおどしの演出がごった煮状態で詰め込まれていただけの映画。
1ケ所見所といえば、デヴィッドがエンジニアの宇宙船を操作してその空間に宇宙地図ともいえるホログラムを映し出すシーンは3Dの良さをかなり上等に現しており、好感が持てた(映像技術として)。
単に先進映像を見て楽しみたい人にはいいかも知れないけど、多少なりともSFファンを自称する人たちにとってはつらいものがありそうです。
オマケ1
当地では吹き替え版しかやっていなかったので、後でエリザベス役が「剛力彩芽」と聞いて「ああ、そういえばめざましTVとかで言ってたなー」と思い出した(ただそれだけですけど)。
オマケ2
エリザベスが2つ目の宇宙船に乗って出発する場面でエンドロール気味だったので、さっさと席を立ってしまったけど、詳しすぎるネタばれサイトを見ると、その先があったみたい。
もうちょっと出るのを遅らせるべきだったかな(まあいいか)。
ラストあらすじ
ウーン、良質のSF映画が観た~~~~いっ!!
以下代表シーンです