「死刑台のエレベーター」 1957年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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出演:ジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ    

音楽だけは昔から知っていたが映画は全く知らず、最近ようやく観ることに。

男と女が電話で会話。誰かを殺し、その後2人で逃げる計画。男はアリバイ工作をしながら階上の社長室に乗り込み、社長を殺害。手際良く済ませたかに見えたが、ロープを残した事に気づき、引き返す。

だが手違いで男はエレベーターに閉じ込められる。
女(男の共犯者)は男を捜して町をさまよう。
もう一つのドラマが進行。娘:会社の向いにある花屋の店員。彼女の恋人の若者が、その男の車を奪う。
やむなく同乗する娘。途中ベンツと競り合った事がきっかけで、相手のドイツ人夫婦と同じモーテルに泊まる事となり、彼らに夕食を招待される。
未明に若者は逃げ出す。

ドイツ人の車を盗もうとするが見つかり、彼らを殺してしまう。

 

翌日、電源が入るとともにエレベーターが復旧し、男は逃げ出す。

だが先の若者たちは、その男の名前を騙っていたため、男の写真が新聞に載りあえなく逮捕。
救おうとする女。娘の居所を調べ、男の濡れ衣を晴らそうとする。その男が持っていた小型カメラで若者が写真を撮られていたため、ドイツ人夫妻殺しの疑いは晴れたが、そこには別の写真も・・・・・

何と言っても、「マイルス・デイヴィス」の抑えたミュートトランペットがいい。元来ミュートは嫌いだが、この場面ではこれ以外の楽器は考えられない。
ドラマとしては「死刑台のエレベーター」と言うほどエレベーターに意味がある訳ではなく、やや冗長なところもあって、素晴らしい!とまでは言えないか。
殺人を教唆しておきながら、男が来ないからといって、街へ出て男の行き先を聞き回るというのは、筋立てとしてはヘン。ただしこの時のバックの音楽は映像と良くマッチしていたので、結局マイルスに合わせた映画ってことか。
ただ、「ひまわり」の時にも感じた「戦争の面影」を引きずっているという印象はある。


ベンツの300SLは良かったナー。あれが40年以上前の車とは!
ラスト近くの場面で、現像液の中に浮かび上がる男と女の笑顔が秀逸。