2024年読書評18 金田一耕助 | 預言者のコラム2

預言者のコラム2

俗言ではなく、預言者の視点から哲学、
人生、宇宙、宗教、
時事問題などを語って行きます。

 


「金田一耕助の帰還」
横溝正史
横溝さんが書いた長編小説は、自らが書いた短編を引き延ばしたものが多い。そして長編が単行本になると、雑誌掲載された短編は忘れ去られてしまった。
そんな短編を初、本にしたというものです。

「渦の中の女」
これは「白と黒」のもとになった短編。私は長編を買ったけれど、途中で投げ出しました。というわけでどんな話か読むことに。

脅迫状が送られ、誰が犯人かを当てるのが主となっています。

特別、長編に引き延ばすべきものでははないように感じます。

「迷路荘の怪人」
これは金田一ブームがあった子供の頃に買った20冊くらいのものの中で唯一読まなかったもの。
おそらくブームが去って興味がなくなったのと、横溝の世界が暗いのと、翻訳ミステリを読むようになったから。

物語:
迷路荘ではかつての城主が妻の不倫相手と格闘して殺された。しかし不倫相手は腕を切り取られ洞窟へ逃げた。以来行方は知れなi.
やがて代が変わり、孫の世代か? あの片腕の怪人が現れる。
その正体を探ろうと金田一が招待されるが、連続殺人が起る、というもの。

やはり犯人は誰かに重点が置かれたものになっている。
私としては冒険、サスペンスに重点を置いたものの方が好みである。
冒頭、長々と先代の逸話が語られるのもうんざりする。
 
「扉の中の女」
路地で男とぶつかり帽子のピンを落とした女。しかし拾ってみると自分のものではなく、血もついている。しかも先の路地で女が殺されていた。知り合いの女だった。
疑われるのを恐れた女は金田一に相談する。

読みやすいけれど、あまり面白くはない。
というのもやはり犯人当てに焦点が絞られ、小説としてのサスペンスが際立っていないからだ。

「壺の中の女」
寝室で殺されている男。目撃ではそばにある壺から女が出てきて逃げたという。
その前にテレビでマジックショーを見ていた金田一は、それがショーの女だと悟る。

結末は複雑でグロテスクなもので、あまり面白くはない。

「支那扇の女」
毒殺魔といわれた女、終始無罪を訴えていたが獄中死。
その家系の女性、夢遊病の気があり、殺人を犯したことを気に病み自殺未遂する。

夢遊病で殺人という観点はいいが、それをもっと中心にして、エキゾチックに、SFめいた話にした方が洗練されてよかったろう。
本がキーになっているが、家系に殺人者がいるから、その女性もその系統なのだと匂わせるものだが、ちょっと冗漫な感じ。

「トランプ台の首」
あるアパートで生首が発見される。それは行方不明の女性のものだったが・・・。

前半と後半に分けられるが、前半は事件の関係者の話に終始し、話に動きがない。
この点、推理小説というものが退屈な要因なわけです。もっと冒険性を描いて、動きを出さないと物語としては面白くない。
後半は新たな死体が発見され、トリックが明かされる。

前半のよどんだストーリー運びのために面白くない小説になっている。

「毒の矢」
黄金の矢と名乗る人物からの脅迫状が届く。謎の解決の依頼を受けたのは金田一。
事件に関係のありそうな人々の中には弓道をする家族もある。
やがて、その関係者が矢で殺される。

人物相関がややこしくて、動きもなく、読むのが面倒な作品。
入れ替わりトリックがあるが鮮やかではない。

「貸しボート十三号」
これは長編が気になっていた本ですが、表紙がエキゾチックではないので読まなかったものです。
ドラマ版は見ましたが面白くなかった。

ボートの中で首を切られた男女の遺体が見つかる。完全に切られたのではなく、中途半端に。
若い男と中年女性。謎が深まる。
大学のボート部が疑われ調査。
というもの。出だしは気味が悪いが、謎の提示としては面白いのだが、やはりこの手の小説には動きがないので、面白みはないと言える。


「幽霊貸します」
都筑道夫
ショートショート。何回か読んでいるのだけれど、読み始めると以前より面白くない。
やはり、ショートショートというのは現代に合っていないように感じます。つまり、時節によって小説の好まれる形態というのは変わって来るということなのでしょう。
以前は本格推理小説は流行っていたけれど、現代では敬遠されている。

でも、小説という分野や音楽という分野など、その形態は続いて行くと私は思います。



「今夜は眠れない」
宮部みゆき
読むものがないので、本棚から物色してこれをチョイス。しかし読み始めて、進まない。宮部みゆきはやはり、再読には向かないのか。








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