更新が、滞りすぎておりますが、9月13日に人生二回目の一般質問を終えました。
登壇原稿の全文を6月に引き続き掲載させて頂きます。
また、以下のリンクが再質問も含めた実際の映像です。何卒、ご覧いただけますと幸いです。
ちなみに、以下は6月19日、人生初の一般質問の映像リンクです。編集されましたので再度掲載いたします。
SDGs 未来都市及び自治体SDGs モデル事業の選定を受けましたこと、本市のこれまでの取り組みに敬意を表します。それと同時に、このモデル事業をまさに「持続可能」に継続していくために、これまでの取り組み以上に、新たに攻めの姿勢で、さらなるSDGsを本市には目指して頂きたく、一般質問を行わせていただきます。
私も、繰り返しSDGsと発言することで、市の普及啓発活動にも貢献して参りたいと思います。SDGs とは国連が2030年までにゴールを定める「持続可能な開発目標」で、その中には17の指標がございます。小田原から世界へ発信するこの事業推進を私は全力で応援したい。今回は本市SDGs取り組みにおける3本の柱、経済、環境、社会のうち、経済と社会にスポットを当て質問します。
まずはSDGs小田原市の「経済」について。大項目1日米貿易協定をうけて小田原市の諸産業に与える影響についてお伺いいたします。
この度、日米貿易交渉の大枠合意が発表されましたが、本市経済にも無縁ではありません。現在、米国産牛肉に課されている38.5%の関税は段階的に9%に引き下げられ、高価格帯の米国産豚肉に課されている4.3%の関税は最終的にゼロにされるなど、国内農業は分野を問わず、グローバル競争に直面する趨勢にあります。果樹栽培、稲作をはじめとする農業は本市経済の重要な柱の一つであり、その担い手である市内農家の方々のご心配も察せられるところです。
本市農業を取り巻く、これまでの前提条件とは全く異なるそうした状況は、本市にもこれまでの枠にとらわれない農業の支援や振興の取り組みを求めています。既に本市としては、市内農業の高付加価値化やブランド化、6次産業化に向けた支援を進めており、SDGsモデル事業に選定された「人と人とのつながりによる『いのちを守り育てる地域自給圏』の創造」事業においても、そうした取り組みを進めるものと承知しております。そこで、農業分野における地産地消、ブランド化推進の現状と、これまでの取り組みを踏まえた課題、またSDGsモデル事業においては新たにどういった取り組みを展開するのか、市のご認識とお伺いします。
また、これらの取り組みにおいて、他地域との差別化を図り、only oneの取り組みを進めることは、本市農業の支援に留まらず、地域の新たな可能性の具現化と、持続可能性を備えた地域振興をもたらすと考えます。例えば、昨今、増大著しいインバウンド観光客の方々に農業体験の場を提供することは、本市の長年の課題である「観光客の通過地から目的地への脱却」を可能にすると考えられます。あるいは、農業を体験・体感教育の場とし、自然の恵みやいのちへの感謝の気持ち、共同作業を通じた社会性を育む機会を提供することは、年齢を問わず、多くの人々を市外から本市へ誘致する流れを生むとも考えられます。
自治体SDGsモデル事業に選定された本市の「人と人とのつながりによる『いのちを守り育てる地域自給圏』の創造」事業においては、そうした農業と観光、あるいは農業と教育といった分野横断型の連携・協働事業の企画、運営について、「おだわら市民学校」がプラットフォームの役割を担うとされています。そこで、本市農業の支援や振興に向けた新たな取り組みが、「おだわら市民学校」というプラットフォームを核として、どういった形で議論がなされ、どういった形で現場における活動が実施されるのか、より具体的にご説明をお伺いします。
ここからはSDGsの柱、持続可能な「社会」を形成していくことについて随時質問して参ります。SDGs が掲げる17のゴールの中で、最重要とも言うべき、ゴール1に掲げられているのは何でしょうか。それは「貧困をなくそう」という目標です。そこで大項目の2、本市の生活保護行政について。(1)2017年1月16日に起こった生活保護ジャンパー事件を背景に、小田原市の生活保護行政がどのように変わっていったのか、またその改善の取り組みは利用者のアンケート調査の結果などから、利用者の方々に理解され、認められているのでしょうか、お伺いいたします。(2)本市における生活保護利用資格のある世帯の捕捉率についてお伺いいたします。(3)本市における生活保護世帯の高校進学率、大学進学率は、一般世帯の進学率と比較してどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
大項目の3子どもの貧困について。前回の一般質問において私は、貧困に対しての調査を行うこと、そのために学校を拠点としてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを設置することを提案いたしました。また、ガイドラインを作成するなど総合的な対策を行うことを提案いたしました。6月の時点で、子どもの貧困をとらえることは難しく、市として捕捉しきれていない、総合的な対策もこれから検討とご答弁を頂きました。私の提案を受けて、その後どのような議論がなされたのか、総合的な対策に向けた進捗状況をお伺いいたします。
持続可能な社会を築いていくためには、人口減少の問題も議論されなければならないと思います。ここ小田原市は、子育てをしやすい環境が整えられているのか、子どもをしっかりと街全体で育んでいこうという姿勢が見えているのでしょうか。大項目4本市の子育て支援政策と職員の働き方について。
先日とあるきっかけで、本市の健康づくり課の保健師の数が、平成25年には28人だったのが平成29年には25人に減少したことを知りました。さらにその翌年の平成30年には、なんと19人に減少、たった1年間で人員が3割近くも減ってしまうという考えられない事態です。この緊急事態はおそらく一時的なもので、翌年には人員をもとに戻すのだろうと思いきや、今年令和元年度にはさらに1人減ってなんと18人。
現在、子どもの未来を担うために最重要な職ともいえる保健師の人員は、十分に足りていると言えるのでしょうか?また、市役所の他の部署でこの健康づくり課の保健師のケースのように、1年間で人員が約3割も削減されてしまっているというような緊急事態の部署は他にあるのでしょうか?「持続可能な」市役所職員の働き方の問題にもつながってまいります。この事実を知った際、小田原市に移住してきてこれからこの街で子どもを産み、育てていきたいと強く願っている市民の方からこの問題に対しての強い懸念の声を頂きました。この場にいらっしゃる皆様の中で、お子様をお持ちの方は、どなたもが第一子の誕生の際、この子がたくさんの愛情に包まれて育っていってほしい、街全体から愛されて育ってほしいと願われたことと思われます。市民を安心させていただくためにも小田原市職員の働き方は極めて持続可能ですよと、また小田原市は街全体で、全力で子育てを支援していきますよという強い説得力を伴ったご答弁をご願いいたします。
SDGsを推進していく中で、最も大切な柱とは何でしょうか?本市も、小田原市民学校をその中核に位置付けているという点をかんがみても、教育であるとのご見解、私も同じくするところでございます。まずは大項目5中学校における部活動について。前回、部活動を地域のクラブ活動におろしていく方向性の重要さを伝えましたが、学校から部活動を切り離して地域におろしていくことは、教員の多忙化解消以上に、子どものニーズに対応するために必要で、十分な活動場所の確保、教員の異動にかかわらない指導者の確保、人気がなくなった集団競技でもチームを作る事ができるなどの利点を話ました。
しかしそれ以上に大切なのは、生徒の安全、生命を守るということです。多くの学校には1つの体育館と1つのグラウンドしかありません。複数の部活動が同時に活動する事が想定されていません。1つのグラウンドで、野球、サッカー、陸上、ラグビーなどの競技が同時に活動する事は非常に危険です。たとえていうと、横浜スタジアムで横浜DENAと横浜マリノスとワラビーズが同時に練習するような危険な事が、学校の部活動では当たり前の日常です。このことによる部活動での子どもの事故は毎年のように報告されており、死亡事故に至っている件数も多くございます。ある一定の地域の中で競技ごとに体育館やグラウンドを割り振り、そこに各学校から子どもが集まれば、他の競技を気にすることなくプレーに集中できます。地域ごとに部活動を割り振って設置することなど、部活動の今後の在り方に対し、どのような検討がなされているのか、本市の見解をお伺いいたします。
大項目6学校教育の充実(1)小学校における教科担当制度の導入について
前回提案に対し、予算がかかるためできないことと、外国語など特定教科で専科教員が授業を行うなど既に導入している旨をご答弁頂きました。しかし、予算はかからないことと現状の導入が不十分であることを説明致します。小学校教員にとっての最大の負担は、担任がほぼ全教科を教えている点です。これは従来から続く手法ですが、すべてに万能とは言えない教師が苦手教科も担当し、その授業を受ける子どもにも授業準備の負担に苦しむ教師にも弊害が大きい手法です。教職員数は極めて足りていないので、専科教員を大幅に増員すべきですが、教科担当制は予算をかけないで、持続可能な市の財政で、教職員の授業負担を激減させられます。市内25小学校のうち、全ての学年に2つ以上のクラスがあるのは16小学校です。そこで国語社会を1組担任仮に俵先生、数学理科を2組担任鈴木のりお先生など、持ち替えていけば、1人の担任が受け持つ教科数が仮にこれまで10教科の授業準備が必要だったのを5教科に、場合によれば半減以上できることが理論上実証できました。本市がこの制度を大幅に推進し、2つ以上のクラスがある学校でより一層の教科のもち分けを進めれば各先生の労力が激減、1クラスしかない小学校に優先的に専科教員を増員するなどの対策もとれると考えます。私のこの提案に対しての本市の見解を改めてお伺いいたします。
次に、(2)中学校における複数担任制度の導入について。国語教育研究家・大村はま先生は長野県の小学校に勤めていた際、1学年3クラスに5人の担任がいて、5人の担任が日替わりで違うクラスを受け持っていたと著書にありました。現在の公教育においては担任が固定されている現状です。提案はその枠を、ただ、取り払うだけです。
市内の実在する中学校をモデルに、私のアイデアを具現化します。中学校3年生4クラスのパターンで、現状では1組~4組まで4人の担任の先生と3人の副担任の先生が存在します。1組担任は仮に俵先生、2組は鈴木のりお先生、3組清水先生、4組小谷英次郎、そして他会派から助太刀として杉山先生、横田先生、岩田先生3先生が副担任という位置づけになります。この枠を取り払うのです。日によって担任はシャッフル、7人の先生がかわるがわる1組から4組までのクラスの担任を日替わりで行います。このことによる相乗効果は計り知れません。かつては学級王国と言われていました。「今の時代にこの考え方はそぐわない。これからは全の先生で全の生徒を見ていく、学級共和国の実現だ」と、複数担任制を導入した東京都千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長が著書に記しておりました。
2018年、中学生対象の不登校の要因に関するNHKの調査の結果。1位が教員との関係で23%、その後20%ほどでいじめ・家庭・決まりや校則・部活動がほぼ同割合で並びます。注目すべきは、教員との関係で不登校になる生徒が23%もいるという点です。子どもにとって、最も頼りたい先生が、担任になるかどうかは運次第というのが現状の制度ですが、すべての先生が担任となれば、生徒も保護者も相談したい先生に相談できる。教師にとっても、複数の子どもを複数の大人で見るので、1人で問題を抱えこんで悩む必要もなくなります。「教員間でも若手がベテランのやり方を学び、共通で見ている生徒の情報交換も活発になり、チームで子どもを育てるという意識啓発に繋がった」と前述の工藤勇一校長の弁。
公立の教員採用試験の倍率がこの10数年で急降下。現在の子どもを取り巻く教育課題が多岐にわたり、複雑化しているにも関わらず、能力や経験に不安を感じる先生方が、多忙な中、それに対応できるスキルを身に着けられない今日。小学校への教科担当制の大幅な推進、中学校への複数担任制の大胆な導入は、若手の先生方の何よりも優れたOJTともなり、何より子ども達の教育環境を劇的に変化することのできる起爆剤となるアイデアであると考えます。これまで当たり前であった学校現場の常識を少し転換するだけで、よりよい学びの場が実現できるという方策があると思います。担任の枠を取り払い、複数の職員が日替わりでクラスを受け持つなどの中学校における複数担任制の導入について、本市の見解をお伺いいたします。(3)主権者教育について。
6月の一般質問以来多くの市民の方から、明るい選挙などの書道が、政治的関心に繋がるはずがないとの声を受け、また、私の行った提案がその後どのように検討されたのかを是非再度質問してほしいとの声を受けました。学校生活におけるあらゆる場面での学校教育が主権者教育に繋がっているとか、社会科=主権者教育であるなどの抽象論ではなく、具体的に生徒一人ひとりが、北欧の若者達のように「各政党それぞれの政策の特徴が言える」などの目標を掲げたうえで、どのように児童生徒に政治的関心を持たせていくのか、議論をしっかりと深めていただきたいと思います。前回の一般質問において、国政選挙の投票率が80%を超えるデンマークの主権者教育の現状を研究してほしい、実際の候補者の演説をもとにして模擬投票や公開討論会をしてはどうか、との要望を出しました。前回の提案を受け、主権者教育を進めることについて、どのような検討がなされたのか、お伺いいたします。
北欧にフィンランドという国家があります。東西冷戦後、かつてはソ連への輸出に依存していましたが、ソ連崩壊とともに、経済が悪化、失業率は20%を超え、フィンランド人の多くが国を出て、北欧諸国に出稼ぎにいかざるを得ない状態に陥りました。
この国家的危機を前に、教育大臣に任命されたのが、29歳の若き元中学教師、オッリペッカ・ヘイノネン氏でございます。彼はこれからの教育がどうあるべきか合理的に考え計算。当時の大不況のもと、若者は貧困にあえぎ、疲弊しきっておりました。まるで現在のどこかの国家のようです。その失業手当や生活保護費など社会保障費は高く、当然、今後極端に拡大していくことが目に見えておりました。その一方で、教育改革を行い、学校教育への予算を拡大、無償化、未来を担う世代の学力を高めれば、就職できる人が増え、失業手当も生活保護費も減って、働いて税金を納める人が増えていく。そのような未来を描きました。
現在の財政がどんなに赤字で苦しかろうとも、できるだけ教育予算を拡充し、よき納税者を育てよう、次の世代に希望を託そう、大胆な未来への投資に踏み出そう。彼は国民に呼びかけ、国民間での合意形成がなされ、教育改革が推進されました。
こうして、教育という形で人への投資が行われたことにより、研究開発が活発になり、情報通信分野における新たな産業が生まれ、雇用も創出されました。ノキアはその代表です。フィンランドは経済危機を脱しました。
ひるがえって我が国日本は明治維新の前夜。北越戦争で敗れた長岡藩は、石高約6割を没収され、財政窮乏の危機に立たされていました。その時、支藩の三根山藩から送られた百俵の米を、大参事小林虎三郎は、藩士に分け与えることをせず、売却の上で学校設立を決定しました。藩士の抗議に対し、「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」と諭し、自らの政策を押し切りました。
かつての日本にもフィンランドに負けぬ、米百俵の逸話がございます。その精神を今こそ、我々はその手に取り戻さなければなりません。
私は小田原市においても未来への投資に積極的な財政出動を行っていくべきと考えています。しかし、今回は極めて、予算をかけないでということに拘って提言をさせて頂きました。
「小田原市で最も優先されなければならない政策、SDGsで最も優先されなければならない政策が3つあります。1つ目が教育、2つ目が教育、そして3つ目が教育。」
以上で、登壇しての質問を終えさせていただきます。