こんにちは。
四国の旅の続き、今日は、この旅のメインイベントのひとつ、石鎚山の登山について書いてみようと思います。
愛媛県にある石鎚山は、四国山地の西部に位置する標高1982メートルの山で
四国で一番高い山、山岳信仰の山であり、日本七霊山のひとつでもあります。
中央にとがって見えるのが石鎚山です(土小屋の駐車場付近より)
山に登る際は天候が一番気になるので、天気のいい日に登れるように旅程を調節していました。
この日は風もなく晴天だったのですが、気温が上がって暑いほどでした。たしか夏日になった日だったかと思います。
ルートはいくつかあり、私たちは「土小屋ルート」で登ったのですが、このルートが一番登りやすいようです。
登り始めからしばらくは、緩やかな登りやすい道が続きました。
次第に岩が多くなり、山頂直下に“鎖場”があらわれます。
どのルートかによって鎖場も違ってきます。
この先に鎖場があります。ここまでは歩きやすい登山道です。
この“鎖場”の存在はもちろん知っていたのですが、いざ鎖場の下に立ってみると
想像していたよりも大変そう…💦と思いました。
迂回するルートもちゃんとあるので、一瞬迂回しようか…と思ったのですが
夫からの「経験がないわけじゃないんだし、大丈夫じゃない?」と魔のささやきが(笑)
そう、かつて山岳会で岩登りもしていたことがあるわたくし。
プライドと好奇心がくすぐられ「そうだよね、せっかくここまで来たんだから…」と
ほぼ垂直の斜面に取り付いてみたものの……
これが大変だったのです💦💦
鎖場に取り付く前にカメラはザックにしまったので実際に自分が撮った写真はないのですが、
画像をお借りするとこんな感じです。
後から思いました。
自分の中にある“かつて~”の残像ほど厄介なものはないと💦
よく、子どもの運動会の保護者リレーとで、“かつて”の残像をもつお父さん、お母さんが張り切って走って、
見事に転んだり、アキレス腱を傷めたりしますよね!?
「こんなはずじゃなかった。前は走るのは得意だったのに…」みたいな。
まさにそれです!
たしかに“かつて”の私ならチャレンジ精神ひとつで登れたかもしれませんが
今の私にはきつかった……
このほぼ垂直の岩場(鎖場)が、土小屋ルートからだと、二の鎖(65メートル)、三の鎖(68メートル)と続きます。(三の鎖が特に難しい!)
そして、いざ鎖場を登りはじめたらもう登るしかなく、引き返すことはできません。
垂直でも長さがあっても、足場さえ確保できれば登れるのですが、腕力が必要な箇所もあり、
腕力で体を引き上げる力が今の私には足りませんでした。(ウエイトも増しているし、ザックも背負ってるし)
もしこれから登る方がいらしたら、鎖場の下に立って自信が持てなかったら
迷わず迂回ルートに回ることをおすすめします。
実際、死亡事故も起きているようなので安易に鎖場を選ばない方がいいです💦
さて、無事鎖場を登って山頂へ。
けれども、それで終わりではなくて、
鎖場ほどではないのですが、もうひとつ気をつけたいところがあります。
それは、最高峰に位置する“天狗岳”へのルートです。
登って行って最初に着くのが、石鎚神社の山頂社のある“弥山(みせん)”なのですが、
最高峰となる“天狗岳”は、弥山からさらに20分ほど行ったところにあり、この間が両側が切り立った岩場を行くことになります。
最初に到着する弥山の山頂(1974メートル)
鎖場を使わず、迂回ルートを使えば、ここ弥山までは初心者でも大丈夫。安全に登れます。
“弥山”まで登れば石鎚山に登ったことになるそうで、
以前はここまでの登山者が多かったようにも聞きましたが、
せっかくなら最高峰の天狗岳まで行きたくなるのが人情という気がします。
この先端が最高峰“天狗岳”の山頂になります(1982メートル)
弥山側より見る天狗岳はこんな感じ。目の前に見えるので行きたくなりますよね?
手前の岩場を越えて行きます。
慣れていればなんなく行けると思いますが、両手を使って岩を掴みながら行くことになるので、
できれば、弥山にザックを置いて、空身かサブザックで往復する方がラクで安全かと思います。
スリップしたりバランスを崩すと、両側の急峻な崖に落ちる大事故になりかねません。
怖がらせてしまうようですが、実際、足がすくんで止まってしまっている登山者も見かけました。
両側がこんなふうに切り立った崖になっているので慣れていないと怖いと思います
ここが最高峰地点。皆さんこの“天狗岳”のプレートを持って写真を撮っていましたが
ここも足場は不安定です。
自分自身への反省をこめてあれこれ書きましたが、
要は自分のレベルをよく知って、レベルに合った登り方をすることが大切ですね。
今さらながらですが実感しました。
繰り返しになりますが、まとめると以下の通りです。
土小屋ルートで鎖場を迂回すれば、弥山までは登りやすい。
鎖場(二の鎖、特に三の鎖)は安易に取り付かない方がいい。
弥山から天狗岳へは、初心者や慣れていない人は注意が必要。
もちろん山頂からの眺めは最高!まさに絶景です。
美しい山なみや遠くに瀬戸内の島々も見えました。
無事に登れてよかった!(はるばる行ったのだもの!)
お読みくださりありがとうございます。
明日もどうぞいい一日でありますように💛
山小屋前にカラフルな“石鎚山Tシャツ”がはためいていました♪
(ガイドブックを見ても、登山体験者の話を聞いても、石鎚山は初心者でも登れる登りやすい山と紹介されていることが多く、鎖場や天狗岳への道の危険度についてはあまり触れられていない印象があり、実際に登って実感したことをあえて強調して書いてみました。感じ方にも登山レベルにも個人差があり、あくまで私の個人的な感想であることをご了承ください)