自然体験、端から見れば何かの儀式? | 『ちょいソト』  たかがアウトドア、されど自然体験

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五感いっぱい研ぎすませながら自分の子どもを自然の中でおもいっきり過ごさせたい。そういったお母さんやお父さんの思いから始まった「森の幼稚園」は日本国内にどんどん広がっています。

日本国内で「森の幼稚園」という言葉が広がり始めたのは2000年に入ってから。同様な活動をしていた人たちや組織はもっと前からありましたが、このヨーロッパから伝わってきた概念が「森の世幼稚園」「森のようちえん」という言葉として広がり始めたのはこの頃です。

その当時(2003年)に出版されたのがこの本ですね。


森の幼稚園―シュテルンバルトがくれたすてきなお話


自分がこの本に初めて出会ったのは2004年の秋でした。ある全国フォーラムで「森の幼稚園」の取り組みがこれから広がっていく、という話しをされた方がこの本を紹介してくれました。

今から10年前、幼稚園や保育園などでは「森のようちえん」という言葉は使われることはなく、それどころかお客様である子どもたちを奪われてしまうのではないかと、まるで競合相手であるかのような視線でみていた園もあったようです。

10年前から「森のようちえん」の全国フォーラムが毎年開催されていますが、10年前には幼稚園や保育園の先生たちが先生として参加されるケースはほとんどありませんでした。(もちろん先生の中には、先生としてではなく、個人の興味で参加されてた人たちはいます。)ここ近年では参加者の3分の1以上を占めることも珍しくありません。

今では、多くの園でも「森のようちえん」という言葉を使っています。特徴のひとつとしてアピールしているところもあります。

でも、
今の先生方は自身が自然体験の経験があまりにも乏しいために、「森のようちえん」と打ち出しても、自然の中で五感を養える場を造り出すことができないのでは?とちょっと心配なのは自分だけでしょうか。

昨年の秋に、東京都内のある園の若手の先生たちを対象に、近くの公園で自然遊びの講習会を開催しましたが、思いのほか好評で先生たちはまるで園児のようにはしゃいでました。

枯れ葉を使った遊びをしていた姿を見た通りすがりの年配男性から「何かの儀式ですか?」と声をかけられてしまいました(笑)

その先生たちはこの日に体験したことを日頃の園児との関わりの中で活用し始めています。

自分の心配はどこへやら。

先生たちは、体験したことがなかっただけ、知らなかっただけで、実際に体験して自身の五感いっぱいに感じることができれば、あとは心配することはないようです。

先生たちが実際に体験できる場をもっと増やしていきたいですね。


※おまけ
森のようちえんに関わる本です。


ようこそ! 森のようちえんへ (ヨウコソモリノヨウチエンヘ)




ネイチャーエデュケーション



幼児のための環境教育―スウェーデンからの贈りもの「森のムッレ教室」


 
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