ZOO〈1〉 (集英社文庫)
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天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集が「1」、「2」に分かれて、ついに文庫化。
5つの話が収められていて。
各話で共通するのが。
「読んで気分が沈む」っていうこと。
特に、”カザリとヨーコ” と、 ”SEVEN ROOM”。
理不尽な暴力。
読みながら感じたのは怒り。
「なぜ?どうして?」
ポケットの中でカギをぎゅっとにぎりしめるとどうやってでも生きていけるという力がわき「おっしゃー!」と思った。
薄暗く、憂鬱で、寂しさの支配する部屋からぼくたちは脱出するのだ。
一応というか、一時的に?主人公は救われるけれども。
その先を想うと。
救われないな…。
”SO-far そ・ふぁー”
その日からぼくは父の姿を見ることができなくなった。
あー。
この感情は。
上手く言い表せないな。
あえて言うとすれば、悲しみ?
自分の想いが、大切な人に届かない悲しさ。
自分の子供には、こんな気持ちにさせないようにしようと、改めて思ったよね。
…。
気分が沈む本を読むのは好き。
読後、嫌な気分になるんだけどさ。
この、心のモヤモヤは、現実では無いんだと、ふと、我に返って安心する瞬間が好き。
それと。
自分は、今、幸せだけれど。
やっぱり、生活していると、嫌な思いをすることってあるもの。
そんな時に備えての練習というか?