ひとつ作業が終了。
3XVエンジン修復です。
とはいえ動くように修理するというものなので新品パーツ交換にて修理したわけではなく、スペアエンジンからクランク出して移植するというもの。
持ち込んでもらったエンジンがそのまま使える物ならば載せ替えたほうが早いのだけど、なんせ3XVはエンジン載せ替えがめんどくさい。
さらに持ち込んでもらったエンジンはミッション等が入ってなく、クランクとケースのみだったので、ミッション入れ替え等の余計な作業が増える。
この場合、シール類の損傷があり得るので結局はトラブルの元になる。
今回は可能な限り予算を抑えてこの車両を復活させなければならないので可能な限り新品パーツを抑え、再利用する方向。
もう一台のほうに集中したいというオーナーさんの意向を反映。
そうなると結局クランクを入れ替える方向にしたほうがクランクの様子もわかるし一石二鳥、ということでクランク入れ替えの方向。
壊れていたクランク。
こいつがエンジンロックの原因。
O/Hすれば使えるけど、全バラからのパーツ交換+心出しなのでそれなりに金額がいくのよね。
とはいえ本当に修理するなら新品パーツが出るうちに新品パーツを買って組みなおしたほうが良い。
クランクウェブ等はまだ使えるからね。
自分の車両なら余裕でパーツを買いあさる所(笑)
今となっては貴重品だもの。
買えるうちに買うよね。
RG400/500はもうパーツ出ないからね。もっと買っておけばよかった。
見事なサイドベアリング崩壊。
AMS使ってればロックは免れただろうけど、まあ一般的ではないか。
見たところ、3XVはこのベアリングがウィークポイントっぽいね。
入れ替えた無事なほうのクランクもこれがかなりヘタっていた。
「まあ動くよ」という程度だったけど、とりあえず交換は無し。そのまま組んだ。
しっかりと修理するならベアリングだけでも確実に交換したいところ。
ちなみに3XVはバランサーを積んでる。
そのウェイト部分が発電機側にあるのでこちらのベアリングからは最も遠い反対側にあるわけだ。
ということはクランクの発する不均等振動が全部こちら側のベアリングにかかってくることになる。
さらにこちら側は動力の出力側。
ということはトルクがかかる場所であり、当然出力のトルクがかかり、リアタイヤからのエンジンブレーキ、つまりバックトルクもかかるわけ。
これにクランクから出る振動までこのベアリングに集中するのでそりゃ当然寿命も縮まるってね。
基本的に同相違クランクなので味噌擂りは出ないはずだけど、90度Vなので2次振動は出る。
その程度はカウンターウェブの重さ調整とクランク外周の変更である程度軽減できるからバランサーは不要になるはずなんだよね。
NSRなんかがそうなんだから、無理にバランサーを積まなくても良かったような気がする。
その分エンジンのマウントに気を使ったり、各パーツの振動対策をしなければならないので開発の労力は相当なものだろうけどね。
まあ逆に考えればサイドベアリングの交換だけで済むのなら安いものっていう感じなのかね。
小型軽量を目指すのならバランサー無しのほうが良いのだけどね。
まあそれはメーカーの特徴という感じなのでそれはそれよw
で、動くほうのクランク。
まあ悪くはないけど、サイドベアリングのヘタりは相応のもの。
見る限り交換時期だよねえ。。。
本当なら交換したいところだけど致し方なし。
このまま掃除して給油後、組んでしまおう。
さくっとね。
さっさと組み上げてしまう。
時間工賃だから余計なことはしてられない。
一息ついたところでの撮影なのでいろいろ飛んでるけど仕事だもの。
ホース類の取り回しもなんとなく違うねコレ。
まあ無理のないように取り回しを変更し、組み立て。
エンジンも問題なくかかる。
あとはカウルを付けて。。。
出来ましたw
他にもいろいろ直したいところはあるものの、とりあえず普通に動くようにはなりました。
本来ならクランクパーツを交換して、消耗品を交換してエンジンをキレイに修理したほうが良いのは間違いないけどね。
壊れないうちに予備クランクを修理して、余裕が出来たら交換する、という方法でも良いかもね。
エンジンは割と元気かもね。
シリンダ、ピストンには傷なし。
キレイなものだったので惜しい感じはするけどね。
それなりの金額になっちゃうからそれはそれで致し方なしw
ひとまず修復完了ですw