『君はどう生きるか』 鴻上尚史著 | 本やりcafe

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『君はどう生きるか』 鴻上尚史著

 

 

 

著者の鴻上尚史氏がストレートに訴えかけてきます。

ストレートにヒントを出してきます。

それだけに、とっても強い。そして、情報量も多い。

 

中学生、高校生向けに書かれた本のように思うけれど、

実際には、

 

「親」が早めに読んでおいた方がいいように思います。

 

こういう視点、こういう価値観、こういう振れ幅が

世の中にはあって、その中で、行ったり来たりするもの。

子ども自身の意思で。

それをサポートしたり、見守ったりするのが

「親」のできることなのだと思います。

だから、

きっと副題もしくは裏テーマを言葉にすると

「「君はどう生きるか」を親はどう見るか」

という感じになると思います。

 

 

出版社の紹介文

いままで、「大切な人と深くつながるために」「いじめられている君へ」

「親の期待に応えなくていい」など、

折にふれ10代に向けて多くのメッセージを発信してきた著者が贈る

「今の10代に向けた生きるヒント」。
現代は「君たち」ではなく、一人ひとりがそれぞれ違う「君」の時代。
この楽しくもしんどい多様性の時代に必要なのは、

違う人と協働するための技術、そして自分の頭で考えるということ。
そのためのアドバイスが満載。

1 コミュニケーションについて
2 「考えること」について
3 スマホについて
4 自信を持つためには
5 友達について
6 ルッキズムについて
7 いじめについて
8 大人について
9 なんのために生きるか

 

https://amzn.asia/d/cUO9Wfx

 

 

 

情報量多めですが、

書き残しておかないとあっという間に頭から抜けてしまうので

忘備録的に引用です。

 

 

 

・誰かひとりだけがマイナスになるのではなく、

誰かひとりだけがプラスいなるのでもなく、

みんなが同じくらいマイナスを引き受けるんだ。

 

・ぼくはね、日本人が「対話」が下手なのは、

じつはジャンケンがあるからだと思っているんだ。

 

・「君は何も考えなくていいよ。ジャンケンがすべて決めてくれるから。

その結果にただ従っていればいいんだから」

 

・「折り鶴」を送る人は、

同情とかおもいやりの「シンパシー」がとても強い人だと思います。

でも、被災地の人に必要なのは、「エンパシー」の能力が高い人なんです。

被災地では何が必要なんだろう、何が足りないんだろうと、

「相手の立場に立って考えられる能力」が求められるのです。

 

・でも、どんなに相手が好きでも、どんなに相手を愛していても、

ぼくたちは一人一人違う人間なんだ。

「分かり合えることが当然」と思うんじゃなくて。

「分かり合えることが奇跡」と思った方がいいとぼくは思っている。

「分かり合えることが奇跡」だから、分かり合えた瞬間はものすごく嬉しいし、

分かり合えなくても、それが基本だから、ムカつかなくなる。

 

・「分かり合えない」時に始まるのは、「対話」だね。

 

・今必要なのは、相手に同情する「シンパシー」じゃなくて、

相手の立場に立てる能力「エンパシー」なんだ。

 

・学校にとって「一番大切なこと」はなんでしょうか。

君が学校で学ぶ、「一番大切なこと」は、なんだと思う?

それは、「自分の頭で考える」ということです。

 

・でも気をつけないといけないのは、いつのまにか、

集団に支えられないと自分を保てなくなってしまうことなんだ。

 

・集団に支えられながらも、同時に自分で自分を支えるという意識と訓練が

必要ということなんだ。自分で自分を支えると「自我」というものが育っていきます。

ですが、集団に支えられると「集団我」というものが育ちます。

 

・自分で選んだことの後悔は、受け入れることができるけれど、

他人が決めたことの後悔は、恐ろしいことに終わりがない。

 

・勉強をなぜするのか親に訊いたときに、

コップを指して「国語なら『透明なコップに入った濁ったお茶』、

算数なら『200mlのコップに半分以上残っているお茶』、

社会なら『中国産のコップに入った静岡産のお茶』と

色々な視点が持てる。多様な視点や価値観は心を自由にする。

 

・「たったひとつの正解」のある勉強は、

多様な視点を身につけるためにあるんだ。

多様な視点は君を自由にする。

 

・知識をたくさん身につければつけるほど、

君はいろんな角度からものを考えられるようになる。

それは、君を間違いなく助けてくれる。

 

・自信がない人は、まだ「地図」ができてない人です。

地図ができれば、自分の立ち位置が分かるようになります。

そうすると、周りが見え始めます。

やがて、君は、不安や自信のなさに苦しむのではなく、

「相対的な保証」を手に入れるために

何をすればいいのか分かるようになります。

 

・「失敗した場合」という言い方は、なんだか嫌なので、

英語では「プランB」と言います。

「プランAがうまくいかなかった場合には、

プランBに切り換えます」という言い方です。

 

・例えば、太陽を紫色に描いた子供がいたとしたら、

イギリスでは「人と違うことが、子どもの創造性(クリエイティビティー)だ」

と思われて、「人と違うこと」を伸ばそうとするのだそうです。

 

・「友だちじゃない人と友だちでいる苦痛」と

「友だちが誰もいなくてでもひとりでいる苦痛」

 

・さて、君はどうする?本当の友だちが欲しいと思っている?

それなら、「友達のふりをする苦痛」と「ひとりのみじめさ」を

自分で天秤にかけることを勧めます。

焦らず、ゆっくり考えるといい。

 

・相手への「おみやげ」を考えることは、人間を理解しようとすることだ。

うまくいかなかったとしても、それは決して無駄な努力ではありません。

その努力は、君を間違いなく成熟させる。人間を見る目を養い、

相手の気持ちを察することができるようになるんだ。

やがて、そんな素敵な人とは、みんなが友だちになりたいときっと思うだろう。

 

・「他人」というのは、自分と何の関係もない人のことです。

「他者」は、次のような存在です。

A  受け入れたいのに受け入れられない。

B 受け入れたくないのに受け入れないといけない。

このAとBが同時にあるのが他者です。

 

・「たくさんの言葉を手に入れる」ということ。

「対話」のためには、君の気持ちをちゃんと表現できる言葉が必要です。

 

・一人旅をしていると「人間を判断する力」がつきます。

 

・これからの人生で、君がなにを幸せだと思い、

どんな幸せを目指して生きていこうと決めることが

「どう生きるか」ということなんだ。

君が求める幸せが、君の人生を決める。