耐え忍ぶ救急医 | 救急医の戯言

救急医の戯言

元呼吸器内科医であった救命医が、患者として2回手術を受けたこと、最近の医療について思うことを思いつくまま書いてみました。

 夜、股関節の骨折の患者さんが入院した。

夜間は整形外科医は命に関わる損傷あるいは放置すると重大な機能障害を残す損傷でない限り原則として当番の医師をお呼びしないことになっている。

で、その日はA医師の当番だったのだが、とりあえず救急科に入院して頂き、翌朝電話連絡をした。

朝、8時に電話したら、「カンファレンス中なんですよ。今電話されても困るなあ。後でかけ直して」と。

 

 また、ある日のこと。

同じ様に股関節の骨折の患者さんが入院した。

やはりA医師の当番だったが、夜間だったのでとりあえず救急科に入院して頂き、翌朝8時過ぎにPHSに電話した。以前、もっと早い時間に携帯に電話したら、自動車運転中で危ないじゃあないか、と叱られたことがある。

そんなわけでPHSに8時過ぎにコールをかけたが、なかなか出ない。8時28分ころ、やっと出た。要件を伝えると、「これから、外来なんだけど、忙しいんだよね」。「いや何度もさっきから電話していたんですよ」「どこに電話していたの?携帯にかければいいのに」だと。

 

 「あんたは、携帯に電話すれば運転中と言って不機嫌になるだろ」と、怒鳴りつけたくなったがぐっとこのセリフを飲み込んだ。これをやったら負けだ。

 

 じっと我慢した。