真夜中の救急室 | 救急医の戯言

救急医の戯言

元呼吸器内科医であった救命医が、患者として2回手術を受けたこと、最近の医療について思うことを思いつくまま書いてみました。

 

 夜の2時ころ、救急室に電話相談。

1時頃目がさめたら、80歳になる夫が両目が痛くて目が開けられないと言っているんです。

くも膜下出血が心配で、、、。

 

応対に出たナース: 

 くも膜下出血はそういう痛み方はしませんがね、

 眼は見えるんですか?→痛くて目も開けられないんです。

 涙が出ますか?→少し出ているような。

 充血してますか?→赤いような。

 夜中ですから、眼科の先生は来れませんよ(あきらかな眼外傷は別)。救急の先生が見ますから目薬ぐらいしか出せませんし、痛みが良くなるかどうかわかりませんよ。

 

私がナースに確認

 畑仕事とかしてないんですか?→ 一切していません

 変わったことしませんでしたか?→特には、、、→そういえば溶接をしました。

 保護メガネしなかったでしょう→メガネすると細かい事ができないので

 

これだ!

 

紫外線角結膜炎でまあ間違いなかろう。

来てもらってください:

 

来院したご老人は、いくらか眼球は充血し、涙眼になっていたが、痛くて眼が開けられず、眠れない、というほどのものではなかった。

 

抗菌剤の眼軟膏と、ヒアルロン酸の点眼液をお出しし、良くなるのに2日ぐらいはかかりますよ、と告げた。

 

すると、それは困ります。明日会合があるので。

それかあ、夜中の受診の理由は。

 

角膜や、結膜のやけどみたいなものですから痛みは目薬で少しは軽くなるけれど2日は痛いですよ。

 

私が企画した同級会なんで、困るんですよね。

 

そんなことは私が知ったことではありません。我慢しなさい。会に出るか出ないかはご自身の判断で。大人の判断です。

 

こんなことの繰り返しの中に、まずい救急が紛れ込む真夜中の救急室