視力が戻っております | 救急医の戯言

救急医の戯言

元呼吸器内科医であった救命医が、患者として2回手術を受けたこと、最近の医療について思うことを思いつくまま書いてみました。

 3月4日に抗VEGF抗体の硝子体内注射を受けた。

翌日の診察での網膜断層撮影で幾分か網膜の下のむくみが減ったと主治医の先生から言われたが、なにせ自覚症状は全然変わらないので半信半疑。しかも大半の文献では、一度障害を受けた網膜は元には戻らないので、視力の改善はないでしょう。現状を維持できるように長く付き合っていく病気です、と記されている。

 まあ、少し褒められたから良いことにしておこうか、と思いながら、主治医の先生に「定年まで2年ほどありますがそれまで医者はできますかねえ?」と尋ねたら「そうできるよう頑張りますよ」と。初診時には“(視力は)維持できます”と仰っていたのとは大分トーンダウンしているぞ?と半ばがっかりしながら病院を後にした。

 

 それから1週間後の朝、いつものように片目ずつ見え方チェックしたら治療を受けた眼の視力が明らかに改善している。真っ直ぐな線も歪まずまっすぐ見えるし、一番良いときの7割程度には良くなっている。

 

 いやあ、これほど効果があるとは。(個人的な感想ではありません)

 自分の知らない分野で先端医学がこれほどまでに発達していることを身をもって経験できた。あまり、経験したいことでもないが。