オーバードーズ | 救急医の戯言

救急医の戯言

元呼吸器内科医であった救命医が、患者として2回手術を受けたこと、最近の医療について思うことを思いつくまま書いてみました。

 最近OTC医薬品に対して、規制が厳しくなり、20才未満の人に対して大容量のOTC薬を販売することが禁じられた。とはいえ、風邪薬も200錠以上でひと瓶などという製品もあり危なっかしいことこの上ない。この種の風邪薬は1回3錠で1日3回。5日飲めば45錠だ。これだけいっぺんに飲んでもある成分は重篤な傷害を引き起こす。ひと瓶飲んだら致死量に至る。置き薬とすれば、何度も購入するよりお得用、という考えもあるが、これだけ社会問題加しているのであれば、リスクのもっとも少ない包装単位にして頂きたい、と医療者としては切に願う。

 とにかく、風邪薬は何種類かの薬効成分のごった煮みたいなものなので、若者が、気持ちよーくなるだけの量を飲んだ分、肝臓がボロボロになる他の薬効成分が含まれている。

 この手の薬の中毒の治療をする際は、何種類かの中毒に同時に対応することが求められるので、とても困惑する。

 製薬会社にはオーバードーズの際の処置のマニュアルもWebから即座に調べられるようにしておいてくれないか?と本気で思っている。