こんな私のところに弟子が来ました。
少し前、鋏を作ってるといってみんなに自慢していたら。
僕も植木鋏を作りたい!
と目をキラキラさせてやってきました。
どうやら、植木屋を始めた時に剪定鋏を使ってたら。
プロはそんなホームセンターで売ってる鋏使わへん!
オーダーメイドで作ってもらった鋏を使うんや!
と言われたらしくて、鋏ハラスメントからの鋏コンプレックスをお持ちのようでした。
そんなこんなから、過去のトラウマを晴らしたいとのことなのでしょうか?
僕が中学校のころほしかったエアマックス95を今になって迎えに行くようなことと同じかんじ?
まぁ、僕も鋏マニアとしては、そこそこいってると自称してますが。
剪定鋏を使ってたら、どうこうなどは思いません。
それぞれが使いたいものを使えばいいし、そこに上下はない思ってます。
まぁ、あまり大きな声では言えませんが、鋏マニアも一種の病気ですしね。(笑)
で、ほんまなら断るんですが。(まだそんな段階ではないというのが一番大きい。)
とある理由により制作工程を教えることになりました。
やはり、この業界、後継者不足ですしね。
未来のために作れる人間を増やすというのも鋏マニアの使命なのかもしれません。
教えだしたのはいいですが。
弟子の最初の問題が出てきました。
それは打ち刃物の鋏マニアでないというところ。
微妙な鋏の勘所が全く分からない。
例えばやすりのかけ方。方向。
平の範囲と太さなど。
結構大事なポイントを飛ばしていくんですよね。
そんなところ重箱の隅やんけ!
そんなところつつくなんて、親方失格!
とでも言いたげな感じ。
しまいには個性を出したいとか言い出す始末。
守破離や!あほたれ!
初めから飛んでくやつがどこにおんねん!
と半分喧嘩しながらの作業が続きました。
苦節数か月。
わたくしの作業もおざなりにそこそこ形になってきました。
しかも、この鋏。
波紋入ってません?
これをやられたら。
師弟関係大逆転です。