某鋏鍛冶がいつも絶賛する鋏。
羅紗切鋏(らしゃきりはさみ)。
羅紗切りは布切鋏。
朝ドラのカーネーションとかでも出てきました。
テーラーなどの服作りでは欠かせない道具であった鋏。
日本の産業で服作りが要であった時代には大盛況。
今は工場で作りますからね。
羅紗切り鋏の元祖である故・吉田弥十郎師は通称銘を弥吉とし安政六年、江戸千住の鍛冶の家庭に生まれ、十二才で某刀鍛冶
に弟子入りしました。
関東牛刀の欄でも示した通り明治維新の最中のこの時代、廃刀令で刀の制作が出来なくなり、主に植木鋏を造っていたこの頃に欧米からラ
シャ布が大量に輸入され、これと共にラシャ切り鋏も輸入されます。
というわけで、関東に来たらラシャ切りをみてかないけません。
どうやってつくんのかな~。
現在総火造りのラシャ切りをつくれる最高峰。
三代目長太郎を訪問しました。
こんな感じです。
布切り鋏です。
この鋏の難しいところは、指輪まで作るところ。
この鋏にも色々あって、戦前は全部総火造りやったけど、
時代の移り変わりでロストワックスが入ってきたり、利器材が入ってきたりで・・・。
結構時代の流れに翻弄されています。
手作りで服を作っていた時代が終わり。
一部のテーラーのみが使用するようになり。
総火造りを求める声も少なくなった・・・。
それでも、総火造りを求める声は年に数件あるそうです。
よく触ってみると、総火造りの方が薄くなっている。
その薄さが使いやすさにつながるという。
そこまで拘るかどうかは、その人しだい!!
しかし、せっかく買うなら、総火造りがええよね?
まぁ、買えんけど。
それでは行程チェック。
こんな感じ。輪ができていきます。
百歩譲って輪ができるのはわかるとしても、
なんか型があってそれに打ち付けてるんやろ??
そう思ってたけど・・・。
どうもそうではないそうです。
火箸もたくさんあります。
作業によってかわるそうです。
これは鶴口というやつですね。
いまいち、ようわかりません。
使い方が。
ここにあるシンプルなトンカチ。
これで、指の部分までつくるそうです。
平らな金床で。
信じられんけど。
動画を見せてもらうと確かにやっている。
凄い技ですね。
しかし、それよりも驚くことが。
実はそのような輪作りの作業よりも。
一番難しいのは。
二枚の刃物のすりあわせ。
これが、一番難しく、いまだに新しいことに気づくことがある。
三代目長太郎の石塚昭一郎さんはこうおっしゃってました。
ふら~っとよったにも関わらず、色々教えてもらえました。
また、鋏のおもしろさをしってしまった~。
ちなみに、前から何故石塚さんが伝統工芸士でないのか?
不思議でした。
どうやら、利器材などの使用が関わってる感じですね。
時代の変化に対応せずして、この仕事は今日まで残ってないですから複雑。
しかし、この技術・・・・。
間違いなく、日本の誇る伝統技術です。