『聴く』ということ | やっぱり日本語!言葉で伝える、伝わる力

やっぱり日本語!言葉で伝える、伝わる力

Words&Communication Lab. WIP代表で日本語伝道師(ナレーター・日本語教師)の吉川雅子が日本語について感じることを発信していきます。言葉で伝えるもの、伝わるもの・・・常に敏感でありたいと思います。

今日、あるネイリストさんと話をしていて出た話題!

『若い世代とのギャップが・・・』と。

 

いやいや、そんなこと言ってちゃだめでしょ。とも思うものの最近の傾向で感じることはある。

 

それは、『言葉を聴く力』が下がっているのではないかということ。

今は、パンフレットにしろ、ネット上のホームページにしろ、またビジネスのプレゼンにしろとにかく、文字や絵、画像を使って説明するのが一般的になりましたね。

テレビだって、実際テロップが入って文字情報がたくさんだし。

 

スマートフォンを持っている人も、電話で使っているよりネットやメールで使っている時間のほうがはるかに多いのではないでしょうか。

 

そう、今は非常に見て理解するということが多い世の中だなあと思うのです。

 

話して伝えてもあまり伝わらない・・・というより相手も実はあまり理解できていないことが多いのではないだろうか。

いっそ、その人の日本語リスニング能力を測ってみると、その人の理解力が分かり、もっと本人が分かるように伝えてあげられるのではなかろうか。

 

考えてみれば英語の試験には、リスニングテストがありますよね。

英文を聞いて、その内容が理解できているかテストするというあれです。

 

日本語を外国語として学習している方の日本語能力テストにももちろんあります。リスニングテスト。

 

でも日本語を国語として、母語として使っている私たちは、国語の時間にこのようなテストは受けてないですよね。

 

一部の地域では高校入試などに国語のリスニング問題が出されるところもあるようですが、一般的ではないですよね。

 

でもこれってとっても大切だろうなあと。

 

その問題を解く力がないのではなく、音声で指示された場合に、その問題、指示を理解できていないだけの場合が多いのではないかなと。

 

読む・書く・話す・聞くという4技能の中で、自分のスピードでやることができないのは、『聞く』ということ。

自分の聞くスピードに相手が合わせてくれないと、その言葉の洪水に流されてしまうだけなのです。

 

日本語のリスニングテストをいろんな世代でやってみると、思わぬ結果が出てくるのではないでしょうか。