その都度ジャンルは変われど、好きな服しか着てこなかった。
しかし自慢させてもらえば、常にオシャレと言われてきた。
世の流れに沿っている=センスが良い、というわけではない。
ファッションは経験の積み重ね。
回数と年数をかけて磨いていくより他に道はない。
努力を怠ってきた人は、とにかく失敗から勉強するしかない。
その点あたしは、若さを武器(凶器?)にあらゆるスタイルに挑戦し、怒られたり笑われたりしながら学んできた。
年齢を重ねると、似合う色やデザインが分かるようになる。
生活に合わせて、必要なアイテムも絞れるようになる。
そうして自分の型を作ってしまえば、もう怖いもんナシ。
人にどう思われようが、堂々と着こなしていれば、オシャレとみなされる。
他人の目を気にしないでいると、手持ちの傾向が世間とズレて偏ってくる。
上手くトレンドとマッチすることもあるし、全く噛み合わないターンもある。
ここ10年は、着心地や機能性重視。
"冬は暖かく、夏は快適に"がテーマ。
冷え性のおばさんは、ひと度キンキンになってしまうと、平温を取り戻すのに相当な努力と時間が必要になる。
予防と守備が大事。
素材は天然ばかりになり、ブランドはアウトドア系ばかりになる。
買った当時は、モコモコしててウケるとか、小熊みたいとか言われたコイツ。
それが今や、羨ましがられる存在。
同じようなタイプの物でも、流行ってきたとたんに値段が上がる。
誰も見向きもしないような時期に手に入れたから、すごくリーズナブルだった。
小バカにされても耐えてきた甲斐があったってもんだ。
どうやら、時代があたしに追いついてきた。
