世の中は日々変化していく。
特定の場所に出向かなければいけなかった事が自宅で出来るようになったり、その道のプロに任せるしかなかった事が自分で出来るようになったり。
20年前の脱毛はビッグイベントだった。
やたら高額で痛くて時間がかかっていたのに、最近では行ったその日から施術できて、あっという間に終わってしまうらしい。
はたまた、ネイルも特別感がすごかった。
サロンなんて高嶺の花で、庶民はひたすら根性で仕上げていたのに、近年はジェルだろうが自らの手でちょちょいのちょい。
我々の苦労は何だったのか。
どんどんとセルフの時代になり、次々と技術が生み出される。
その度に、それまでの知識も更新される。
常識はすぐに書き換えられる。
身近なセルフケアと言えば"歯"。
かつて歯みがき粉を使いすぎると、エナメル質が削れてしまうと聞かされていた。
ちょっとの量で優しくブラッシングして、よくクチをゆすぐ。
間違いないと信じて、何年もその通りにやってきた。
ところがコレも今は昔。
最新情報は、泡を長く留まらせて浸透させるというもの。
少なくとも磨いた後30分は水で流すなとのお触れなんだそうな。
急に真逆の話をされても…
ずっと洗い流してきた泡をクチの中でキープしろだなんて…
飲み込んでも害はないといったって…
そもそもミント自体が苦手。
あの爽快感が体内に入ることに違和感がある。

苦肉の策で大好きな梅味にしてみる。
せめて日本製なら信用できるし、何せ天下の紀州産・南高梅だもの。
すっかり慣れたら、うがいは全くしなくなるかもしれない。
むしろ喜んで、歯みがき粉だけを舐めるかもしれない。
想像してたら気持ち悪くなってきた。
なかなか変化に追いつけない四十路…