22品目 | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。

料理上手な両親の元に生まれたおかげで、食卓はいつも賑やかだった。
彼らの食い道楽も手伝って、比較的ユニークな食材にふれる機会も多かったと思う。

食に関して言えば常にアグレッシブに生きてきたけれど、家庭料理がこんなにも国際色豊かになるなんて、昭和の後期に誰が想像しただろうか。

カレーなんて、驚くほどの展望を遂げている。
あたしが子供の頃は、ルーを使う具材ゴロゴロのお母さんタイプしか存在しなかった。
銀器に盛られたヤツは外食仕様で、家庭のソレとは全く別物。
家で再現しようなんて夢にも考えなかった。
それが今や、人気店の味を再現したレトルトからスパイスたっぷりの手作り本格派まで、誰もが気軽に楽しめるようになった。

そしてついに、我が家にもロシアからの風が吹き込んだ!

まさか、ビーツを自らの手で調理する日がくるとは!

レストランでいただくしかないと信じ込んでいたボルシチ。
作ってみれば意外と楽チンにできたけど、全て国産材料で完成させられるなんて…
感激しちゃう。
サワークリームに見立てた水切りヨーグルトをのせれば、たちまち気分はモスクワ!
Oh、スパシーバ!
おうちごはんのグローバル化、万歳!

だけど、出来上がって気がついた。
ボルシチの正解が分からない。
コレを成功とみなして良いんだろうか。
とりあえず美味しいが、そこはかとなく土臭さを感じる。

後から調べてみると、下拵えに工夫が必要な野菜だったらしい。
なぜあたしは、予備知識もないままに作業を進めてしまったんだろう。

感動のち、あっという間に後悔。
何とも中途半端な成功体験。

今後我が家にビーツが登場することはない気がする。