9月5日、晴れ | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。

好きな人のことなら何でも知りたくなるのがファン心理というもの。

憧れの人が勧める物や普段使っている物、そんな情報ならたちまち飛びつきたくなる。
お気に入りのレストランやショップを聞いた日には、すぐにでも出かけてみたくなる。

今や、猫も杓子も私生活を切り売りする時代。
世界各国の人気者はもちろん、なぜお前が!?というような一般人のプライベートまで、簡単に覗くことができる。
画面上や紙面上の作り上げられたキャラクターと違って、SNSの中では本物の本人に近づける気がする。

おかげで、愛する芸人さんやミュージシャンの日常を垣間見ることができるようになった。
細かいオンエアの日程とかリリースの最新話なんかが、速報のように入ってくるのはすごく有り難い。
雲の上の存在だった人を身近に感じられるなんて喜ばしい限り。
アップされた写真を拡大して商品名を確認したり、周辺の建物を見て場所を推理してみたり。
すぐに色々調べてみたくなる。

視覚から入ってくる情報には、それだけのインパクトがある。
分かりやすくて、脳が受け入れやすい。
だけど、そういう出会いがいつまでも印象に残っているかと言うと、必ずしもそうではない。
むしろ、ふんわり曖昧な方が心に留まることがある。

言葉は、強い。
想像力は目に見えるモノを簡単に越えて、深く鮮やかに浸透してくる。
だからこそ、その人だけのその時だけの感情を目の当たりにすると、もっと核のような部分にふれられた気になる。

有名作品を数多く残した文豪。
何を想い、何を感じていたのか。

教科書に載るほどの人物でありながら、その実態はひと言、被害妄想おじさん。
それなのに何がすごいって、随筆と謳いながら中身はまるで小説。
大先生の手にかかれば、その頑固さも偏屈さも僻みっぽさも、たちまち主役を彩る個性になる。


あたしのファン心理に火がついた。

結局、前よりも好きになっちゃった。