文章を生み出す人の手にかかると、ごく一般的なレシピでもすごく魅力的に思える。
想像力をかきたてられ、とてつもなく美味しそうに感じる。
エッセイなんかを読んでみると、思いの外料理好きの小説家さんを見つける。
美味しいモノを作り出す力も、それを余すことなく表現する力も持っているなんて、本当に羨ましい。
才能に溢れていて嫉妬する。
とは言え、こちらも主婦歴10年。
完成度や難易度はともかく、ある程度のレパートリーと段取りは身についてきた。
特に段取りっていうのは、バタバタした日常を過ごすおばさんにとって重要。
冷蔵庫の中身を把握し、メニューを決め、作業の手順を考える。
いかにロスをなくして、効率良く動くか。
小説の中には、料理上手のキャラクターが登場することも多い。
有名店のシェフだったり、お教室の先生だったり、大人顔負けのチビッ子だったり…
だけどたまに、調理過程に違和感を覚えることがある。
流れが変な時があるんだもの。
肉を切ってから野菜を切ったりする。
まな板何回洗うの?とツッコミたくなる。
あたしなら、その日に使う全ての野菜を切ってから、最後に油っ気のモノを切る。
炒め物作ってから汁物にとりかかったりする。
1品ずつ仕上げるの?とツッコミたくなる。
あたしなら、味噌汁を火にかけている間にグリルで魚焼いて、更に肉を焼いちゃう。
それが主婦の段取り。
読んでいてムカつくとか、作者に文句を言いたいとか、そういう気持ちは一切ない。
些細な違和感にイチイチ目くじらをたてていたら、読書なんて楽しめなくなってしまう。
でも、ほんの少し引っ掛かってしまう。
男性作家さん、お気をつけくださいね。

いかんいかん、しっかりクレーマーになってしまった。
お許しください。
全ては最近ちっともキッチンに立ってくれない、つきのわさんに対するイライラのせいです。