5月12日、晴れ | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。

世の中には数え切れないほどの職業がある。
その中身も千差万別。
自分が就いていた仕事以外は、何も知らないと言っても過言ではない。
認知度の高い警察官や医者でさえ、見聞きできるのはテレビで見るような一面だけ。

身を粉にして働いてくれていた父。
とても立派で尊敬している。
でも、実際何をしていたのかと言われるとさっぱり。
もちろん職種やざっくりとした事業は知っているけれど、細かな内容と言われると困ってしまう。

自営業だったら話は違う。
主人だけでなく、家人の働きまで手に取るようにわかる。
成功・失敗はともかく、家族が働く姿を間近に感じられることは、様々な方面で勉強になると思う。

母は祖父が営む呉服屋に生まれた。
幼い頃は、家で商売をやっていることが自慢だったと言う。
思春期になると恥ずかしさやイライラがあった。
やがて自分も親になり、改めて両親の偉大さに気づいたそうだ。
結局母はOLをちょっと齧って嫁いだわけだけど、店を継いでいたらどうなっていたんだろうか。

時々考える。
あたしがもし呉服屋の店主だったら、もし陶芸家の娘だったら、もし染物屋の娘だったら…
職人の道。
今みたいにマイペースに暮らすことは叶わない。
だけど、やりがいや誇りを持てていたのかもしれない。
家業=職業となると、反抗的な気持ちになるのかもしれない。
敷かれたレールなんて窮屈だもん。
でもね、何かを生み出す人って素敵なんだよ。
無い物ねだりと頭では理解していても、やっぱり憧れずにはいられない。