4月28日、晴れ | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。

戦争を生き抜いた女性はスゴイ。

あたしのおばあちゃん、何か特別なことをしたわけではない。
2人とも、平凡な東京下町のオンナ。
だけどその人生には、現代では考えられないようなドラマがある。

◎父方の祖母
自由奔放な祖父に嫁ぐ。職をコロコロ変え、妙にモテる夫。愛人・警察沙汰数知れず。酒・タバコやり放題。あまりの身勝手さに医者から見放される。勝手の限りを尽くしてあっさり死ぬ。死別後、幸せ太りする。
◎母方の祖母
祖父が経営する呉服屋で働く。宗教絡みで揉めて祖父離婚。前妻に3つあった店舗の内2つと土地を取られる。一気に反抗期真っ只中の4人の子持ちとなる。祖父の死後ひとりで店を切り盛りする。旅行に明け暮れる。

ね、なかなかに波乱万丈でしょ?

今のように経済的に自立できる女性は少なかったから、あらゆる場面であらゆる事に耐えなければいけなかったはず。
そんな状況の中で得た経験を糧にして、数々の困難と戦ってきたわけだ。

母もおばあちゃんになったけれど、彼女達のようにはなれていない。
あたしだって、どんなに努力したって絶対追いつけない。
たくさんの物や情報に囲まれた我々には、到底敵う相手ではないのだ。
その結果的、ご婦人達はとてつもないスペックを身に付けることとなった。

ひとクチにおばあちゃんと言っても、色んなタイプがある。
死ぬまで現役バリバリとか、グチグチ文句たれとか、温厚そのものの仏顔とか。
あたしが考えるに、大きく別けて2つ。
①難しいこと考える前に体が動いちゃうタイプ
②蓄積された知識の中から答えをくれるタイプ
例えば①はスプーンおばさんとかいじわるばあさんみたいな人で、②はミス・マープルとか静おばあちゃんみたいな人。

タイプは違えども、大先輩達の実体験に裏打ちされた言葉や知恵には、有り難みと重みがある。
つまらないハウツー本や啓発本なんかよりずっと頼りになる。

最終的にあたしがどちらになるかは分からない。
でも、死んでから「うるせぇヤツだったけどいないと寂しい」と言われるようなババァになりたい。