いつどこで、どんな形で働こうとも、その気持ちは変わらない。
尊敬される上司、慕われる先輩、心安らぐ同期、可愛い後輩…
信用してもらえること・信頼できることは、仕事が出来る・出来ないとは関係ない。
どんなに厳しく言われても、バカやドジをされても、許せたり励ましたくなるような人っている。
サラリーマンになって3年目、早くもあたしは中間管理職のようなポジションにいた。
社会での経験値は恐ろしく低い。
しかしそんなことは、お客様には何の関係もない。
こちらのスキルが低いことは、ただただあたしの責任。
出来ることは限られている。
心掛けたのはただひとつ、ひたすら一生懸命やること。
飲食店、洋服屋、スーパー、ホテルや病院。
同じようなレベルだったら、絶対に素敵な人が働いている所を選ぶ。
話題の人気店だろうが、トレンドのファッションだろうが、最先端の医療だろうが…
それがどう扱われるは人間次第。
昔テレビで見た、伝統工芸品を作る職人さんのインタビュー。
彼は、自分がどう思われているかは相手を見れば分かると言った。
自分に向けられた誰かの行為は、自分がその人にしてきたことの裏返し。
ピンチの時に助けてあげたいと思ってもらえるか、辛い時には駆けつけてあげたいと思ってもらえるか。
あたしが優秀なサラリーマンだったかどうかはわからない。
上司とは幾度となく揉め、先輩だろうが気に入らない時は無視し、同期に諌められても意見は曲げず、時には後輩を泣かせてでも指導した。
だけど、あたながいてくれて良かったと手紙をくれた人、今でも飲みに誘ってくれる人、家族ぐるみで付き合ってくれる人がいる。
誰かに何かは伝わっていたんだと思う。
労働における人間関係に正解なんてない。
とにかく、誠実であること。
必要とし、必要とされること。
稼いだ金額なんてどうでもいい。
有名人と会ったとかどうでもいい。
一緒に働いた誰かの記憶にいる時、中途半端な武勇伝で思い出されるより、面白い人だったと言われたい。
