【鉄道回顧録】「はくたか」は新幹線じゃない。スノーラビットでなきゃ。 | テツになる勇気。

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テツってのはね、乗ってりゃいいってモンじゃない。撮ってりゃイイってもんでもない。スジって一人でニヤけていたら通報寸前w。
そう、テツってのは、語ってナンボなのよ(マジかっ

「はくたか」と聞いて、ピンとくるあなた。そう、あなたはわかってる人です。
けれど最近では「はくたか=北陸新幹線」などという言葉を耳にして、思わず立ち上がってテレビを消してしまったこと、ありませんか?(僕はあります)

もう一度言わせてください。
「はくたか」と言えば、スノーラビットである。
「はくたか」と言えば、ほくほく線である。
「はくたか」と言えば、北陸本線である。

そして、これは僕の中で国家予算級に譲れない。

あの頃の出張、それはもう「祭り」だった

まだ北陸新幹線が開通していなかった頃、僕は仕事で魚津に通ってました。
普通なら「出張か…面倒だな」って思うでしょ? ところがどっこい。

ホテルは駅前。
部屋はもちろんトレインビュー指定(予約時のコメント欄に「できれば電車見える部屋で…」と全力の圧を添えて)。
目の前に広がる留置線の群れ。
夜になれば、あのギィィィィィって音を響かせながら通過していく長大貨物列車。
それをベッドの上から眺めながら缶ビールとコンビニ焼き鳥。

これ、天国です。

そして朝になると、やってくるんですよ、あの9両編成の白ウサギ(スノーラビット)が。
通常列車3両編成の横に並んだときの、あの「おまえ本当に特急か!?」ってくらいの
存在感ドーン!

もうかっこいいとかじゃない。眩しいんですよ。

トンネルを突き抜ける“狂気の160km/h”

特急「はくたか」は、ほくほく線内で160km/h運転を行っていた、れっきとした"元・国内最速特急"。
しかもその舞台がまたすごい。

直江津→犀潟→十日町→六日町→越後湯沢のこの区間、
もうね、トンネルと田園と雪のコンボ。
そのなかを681系や683系が、ややくたびれた面構えで突き抜ける姿…もうね、**詩(うた)**なんですよ。

窓の外には日本海、反対側には立山連峰
贅沢の極み。だけど車内はちょっとくたびれてて、肘掛けがガタガタ言う感じも愛おしい。
最近の新幹線は、ツルツルでピカピカで、座ると「デジタルパパが乗ってそう」な感じだけど、
はくたか(旧)はアナログおじさんの夢とロマンの塊だったわけです。

今だからこそ言いたい。「新幹線じゃないんだ」

今の「はくたか」が悪いんじゃない。
でもね、名前だけ持っていかれた感じ、しません?

例えるなら、「あの頃好きだったローカルバンドが、突然アイドルの曲名にされてメジャーデビューしてた」みたいな。
「え…あの“はくたか”が…?」って二度見しちゃうやつ。

最後に

僕にとって「はくたか」は、新幹線じゃない。
トンネルをぶっちぎる681系。
雪に包まれながら魚津のホームに滑り込むその姿。
そのすべてが、僕の青春であり、出張という名の旅の相棒でした。

だから次に「はくたか」って聞いたときは、ぜひスノーラビットの顔を思い出してください。
ピカピカの新幹線じゃなくて、ちょっとくすんだボディと、愛嬌のあるフォルム。
それが「本物の、はくたか」です。

では、次回の鉄道愛もお楽しみに。
トンネルの先で、また会いましょう。