〇中谷寛

・憲法の条文を改正しなければ対応できない事態はほとんどない

・法整備や解釈変更で対応できるのならあえて憲法の条文に手をつける必要性は高くない

・いまの9条改正論は従来の解釈の確認にすぎない

 

〇中島岳志

・やってはいけないことを明文化し、自衛権の行使に歯止めをかける立憲的改憲が必要

・戦後の保守政治家は憲法解釈の体系を使いこなしてきた

・民主制は暴走するもの

・9条は単なる憲法の文章を超えた戦後日本の叫び声・決意表明。しかし9条の空洞化も進んでいる

 

〇東浩紀

・護憲対改憲はイデオロギー対立、神学論争だった

・憲法改正論者だが、安倍首相や自民党が考えているような、国家主義的で、外交・安全保障政策的に対米従属を強めていこうとする姿勢には賛成しない

・日本人は自分たちで統合のルールを作るという経験が少ない。自ら考え、議論することで国民が憲法の意味を理解でき、より有効に政府の暴走をおさえる法典になる

 

〇二宮周平

・多様な家族を前提にした民法論議を

 

・人間が社会生活をするうえで一定の身分関係を証明する手段は必要。ただそれを家族単位でする必要はない。家族単位は日本と台湾だけ

 

・明治民法をつくるときの判断で家族単位に。当時は家父長制だった

 

・敗戦後、GHQからは家族単位ではなく個人単位のほうがいいと言われたが、当時は経済復興が前提だった。家制度は復活させないとGHQを説得した経緯

 

〇青野慶久

・日本人は結婚すると同姓になるが、国際結婚の場合は夫婦別姓が認められている

 

・結婚して株の証券口座の名義変更に多大な費用が

 

・結婚による改姓にかかる出費を国家が強いている

 

・仕事上旧姓を通称使用のは法的根拠がないので危険な状態

 

西部邁氏について

〇中島岳志

・氏は戦後全ての決定権をアメリカにゆだね、日本人は主体を持っていない

 

・日本の保守はパトスで成り立っている。小林秀雄、江藤淳、福田恒存といった文芸の人たちが保守の中核を担ってきた。西部先生は社会科学的観点から筋道を立てたいという思いを持っていた

 

・安倍内閣はアメリカべったりと厳しい批判を展開していた。「アメリカこそが近代主義的な左翼国家だ」と批判していた