【前川氏講演調査問題における私見】


学問や教育の本来の目的って、物事の本質を見極めること、それができる人を育てることにあるのであって、権力に従順な考え方や人をつくるのではありません。権力に反抗する人を弾圧して時代を見誤ったことが日本にも存在したわけですから。


なれば、市民は権力がやろうとしていること、権力にとって都合のいいこと悪いこともその本質を見極める必要があるということです。もちろん民主政治の仕組みを理解し、単なる権力性悪説でもいけないわけですが。


歴史的に時代の変革の多くは、権力側の人間ではなくて権力に反抗する人が成し遂げてきました。


なればこそ、権力の側も権力に批判的な人の言うことにも耳を傾け、物事の本質を見極める必要があるのです。その方がきっと長期的な視点では全体の利益になることでしょう。


日本青年会議所の会頭から自民党の国会議員になっている松山政司氏(今回は氏は直接関係ありませんが)や池田佳隆氏の言動(池田氏は著作からも)は当時から気になっていましたが、今回池田氏の前川氏講演調査問題でよりはっきりしました。


池田氏は、衆院文部科学委員会で「教育で大切なことは、日本人が長年培ってきた道徳的価値観を教えること」と発言しています。


道徳価値観というものの江戸時代からの変遷がどうであるか、物事の本質と権力にとって都合がいいかそうでないかはともかくとしまして、今回の場合道徳的価値観を最優先に「教える」必要性があるのは、前川前文科省事務次官や教育委員会ら学校現場の先生方や児童生徒学生というよりも、首相夫妻であり、官邸であり、権力に屈した文科省一部の官僚であり、池田氏ではないでしょうかね。