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議員の品格 (マイナビ新書)
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http://booklog.jp/item/1/4839960038
有名ジャーナリストの中で、安倍政権に孤高に立ち向かう岸井氏の本。
内容は過激な政権批判ではなく、戦後政治や選挙、立憲主義の経緯を理解するプロセスと今後の主権者有権者としての考え方あり方を丁寧に述べたものだと推察しました。
読書メモ↓
・規模はともかく「政治とカネ」をめぐる事件は終わることなく続いている
・日本は代議制民主主主義。議会制民主主義、間接民主主義
・現在の国会議員の中に、国会議員として知っておくべき根本的な物事を何も知らない人がいる(民主主義・立憲主義・歴史・憲法)
・所属政党の論理で動き、国民の利益を軽視し、国民をバカにしている姿勢の議員も
・政治家・議員は主権者国民という視点を失ってしまったら、もはや民主主義国家における公職であるとは言えない。国民第一の視点が抜け落ちている。その背景は世襲・公募議員に要因がある
・国会議員は世襲だらけ
・日本で世襲議員が誕生し続けているのは、日本独自の政治風土や選挙制度が背景に
・現在の自民党は、従来の自民党とは明らかに異なり、権力が党本部に集約される傾向が強くなっていて党内の多様性が失われている
・昔の時代で最後の大物政治家は中曽根氏。中曽根氏の前の時代まではハト派的傾向の保守本流が強かったが、今日につながるタカ派的傾向は中曽根政権から始まっている
・田中と中曽根は、同期当選以外、対照的なライバルだった
・田中首相の大きなトピックは日中国交正常化と日本列島改造論
・田中派は吉田茂にさかのぼる自民党の保守本流。吉田学校は自民党派閥の源流
・昔の保守政治家たちは、国民に対する犠牲的な精神がベースにあり、保守の知恵
・かつての保守政治家は、状況を大局的に見て、困難を解決するために反対の立場にも理解を示し、状況に応じて協力を要請する懐の深さがあった
・昔の政治家と今の政治家で決定的に違う部分は戦争の怖さを知っているかどうか。70歳よりも下の世代は戦争を実体験として知らない
・戦争の実体験を知らないからこそ国を動かす人間として戦争の怖さを積極的に意識し知ろうとすべき
・議員は、政治も法律も、国民の暮らしも地方の現状も不勉強ではいけない
・議員定数は衆院475参院242
・衆議院は小選挙区比例代表並立制を採用。これは自民党一党支配下で派閥選挙が横行し、選挙にカネがかかるなど中選挙区制の様々な問題点が浮かびあがってきた。1994年に非自民の細川政権下で選挙制度が変更された
・投票率の低落傾向は一段と進んでいる。投票率は下がるのに大政党に収斂されやすい小選挙区制では風が吹くと一党の大勝大敗が簡単に起こってしまう
・2016年夏以降の国政選挙から選挙権年齢が18歳に変更された。世界的に見ると18歳で選挙権を持てる国が圧倒的多数
・国の政治は若者たちのためにある。政治というものは常にその国の未来を背負っていく若者や子ども世代のためにあるべき
・投票することはムダではない
・各政党は支援団体を抱えている
自民党:日本経団連・日商・経済同友会・日本遺族会・全日本仏教会
公明党:創価学会
民進党:連合・日教組
・議員は特別な存在ではなくあくまで国民の代理という立場であって、政治は主権者国民のために行うもの
・もうひとつ変えてはいけないものは憲法遵守の姿勢。国会議員や政治家が憲法を守らなければならないのは憲法99条に明記されている
・日本は立憲主義の国。立憲主義とは憲法に基づいて政治を行う体制をとる国。国民が国家権力を縛るための法律が憲法
・日本国憲法は硬性憲法
・憲法改正は考え方は人それぞれだが、議論は積極的にやっていくべき。憲法を学び、成立の背景や歴史、各政党の憲法観や意見、学者やメディアの見方しっかりと吟味した上で、国民一人ひとりがしっかりとした意見を持つことが重要
・有権者は経済を良くしてくれる党を選ぶ傾向がある
・国民のために活動するという意識こそが今の政治家にとって最も必要
・国会議員は特定の団体・企業・地域だけではなく国民全体のための利益を考え、法律を作り、政策を実行するのが仕事
・三権分立とは、国家権力を複数の機関に分離させ、国民の権利を守る権力分立のシステム
・議員内閣制のひとつの特徴は政党政治
・比例代表選挙は、衆議院では拘束名簿式、参議院は非拘束名簿式
・国民一人当たり250円が政党交付金の財源として使われている
・人口分布的に日本は高齢者の割合が圧倒的に高く、中高年世代は投票率も高いので議員の政策が必然的に中高年盛大の方を向いてしまうのも致し方ないこと
・選ばれた議員は、国民の鏡。議員に品格を期待する以上、国民にも品格が求められる