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日本人の「間違った歯みがき」や歯のケアの習慣について、警告を発し日本人の歯に対する意識改革を促している書。考えてみれば、健康寿命にも直結する歯について初めて買って読んだ本でした。

 

森先生の歯みがき論が歯学界においてどのような位置を占めているのは確かめる必要があるのですが、先生が論ずるように歯のケアの方法が日本は世界標準から外れている、というのが本当であるとするならば今までの習慣は直さないといけないと思いました。

 

少なくとも歯のケアの基本がデンタルフロスであるということは確かに説得力があると思われます。

 

日本人が習慣としている食後すぐに歯みがきをするという「戦後の間違った習慣」がかえって、食後唾液の歯の修復する力を削いでしまうこと、有害性がある可能性のある歯みがき粉による健康被害に影響があること、デンタルフロスをしないことによる歯周病からの糖尿病や脂肪肝の影響、を考えると百害あって一利なしと断罪しています。

 

また、日本の国民皆保険制度は世界的にも素晴らしい制度であるものの、健康を維持するための予防医学的見地に立っておらず、本来歯科の目的役割が予防にある以上そのための歯科衛生士の活躍の場や育て方についても言及していることも見逃せません。

 

先生が勧める歯のケアの方法については次のとおり。

 

①歯のケアの基本はデンタルフロスが主。歯ブラシは補助的と考える。デンタルフロスを常備する(起床後・食後・寝る前)

②音波歯ブラシを歯磨き粉なしで使う(3分)歯の着色や歯ぐきの調子が良くないときはたまに歯磨き粉を使う程度でよい

③唾液の力を信じ食後の舌回しをする(左右10回)とともに食後30分は歯みがきをしない

 

+④定期的に歯科医院で歯のケアのアドバイスを受けるとともに、歯垢歯石を取ってもらうこと

 

先生の論が正しいかどうかの検証をしながらも、とりあえずやってみることにします。

 

 

読書メモ↓

 

・日本人の大量の寝たきりは「歯」が原因

 

・食べたらすぐみがくのは日本だけの習慣

 

・歯ブラシは一か月以上使ってはいけない

 

・歯ブラシよりもデンタルフロス

 

・市販の歯磨き粉は意味がない。つけすぎると害に

 

・歯みがきの本来の目的は、食べかすではなく歯垢をとる、こと

 

・みがくところは歯と歯の間

 

・歯周病の人は、健康な人と比べて心筋梗塞のリスクは3倍

 

・口の清掃状態が悪いと全身病を引き起こす

 

・歯みがきは命を守る習慣

 

・糖尿病は歯周病菌が引き起こす

 

・食べかすとり歯磨きのデメリットは①歯が削れてしまう②唾液の恩恵を受けられない

 

・歯を守ってくれるのは唾液

 

・歯周病や虫歯の原因は歯垢

 

・寝たきりの多くは歯垢(プラーク)感染症

 

・歯周病と糖尿病と脂肪肝はセット

 

・キスで歯周病菌をうつしうつされることも

 

・喫煙者は非喫煙者に比べて2倍虫歯になりやすい

 

・アメリカでは日本人の口臭が最も強烈dと思われている

 

・日本人の口臭の原因は歯周病。食後の歯みがき習慣が口臭を予防する唾液を外に出してしまう

 

・食後にはデンタルフロス

 

・プラークコントロールは夜寝る前と朝起きた時。そのときデンタルフロスと舌回し

 

・「舌回し」を食後右左回転を各10回行う

 

・音波歯ブラシを使う。2分くらい フィリップス社のソニッケアーシリーズがよい

 

・プラークコントロール

①起床後 デンタルフロス+音波歯ブラシ3分

②朝食後 デンタルフロス+舌回し

③昼食後 デンタルフロス+舌回し

④寝る前 デンタルフロス+音波歯ブラシ3分

歯の着色や歯ぐきの調子が良くないときはたまに歯磨き粉を使う

 

・デンタルフロスが主で歯ブラシが補助的

 

・朝起きたらデンタルフロスなどで口の中をきれいにしたあとで水を飲むこと

 

・歯ブラシは最低でも一か月に一度は新しいものに替えること。歯ブラシには細菌が繁殖する

 

・元気な高齢者は舌がしっかり動く

 

・口呼吸で細菌大繁殖

 

・「あいうべ」体操を 1セット4秒で1日30セット ベロの位置は上あごにピッタリしておく

 

・日本の歯科はガラパゴス化を起こしている

 

・多くの歯みがき剤に含まれている「ラウリル酸ナトリウム」は、発がん性の可能性があり市販の歯みがき剤はいらない

 

・間違った認識で歯磨剤を使うより、なにもつけない唾液みがきのほうがいい

 

・おすすめ歯磨剤 フッ化物配合の歯磨剤

薬用ペリオバスターN (㈱やくそうの島天草社)

薬用ブレスクラブ(㈲シンクタンク)

 

・日本の国民皆保険は世界に誇れる保険制度だが、国民の健康軽視、予防軽視の文化をつくってしまっている

 

・キシリトール食品は キシリトールが50%以上含めれること、糖質が入っていないこと、酸性物を含まない ものがよい

 

・砂糖はとりすぎると毒になる「砂糖はアルコールやたばこと同じような麻薬」

 

・スポーツ飲料は糖質が多い。水で充分。激しい運動の際はORSを

 

・予防のためにも、歯科衛生士を育てる環境が必要

 

・日本は世界の人口の2%なのに世界で流通している薬の10%を消費している飲み薬大国

 

・世界一の長寿国でも寝たきり大国では誰も幸せにならない

 

・スウェーデンは、介護する側される側が寝たきりにならないように努力し、寝たきりになったら死を受け入れる時期と潔く諦める死生観

 

・健康寿命を延ばすための7カ条

①歯みがきは寝る前と起きた直後にプラーク除去

②デンタルフロスが主、歯ブラシは副

③食後は舌回し 食後30分は唾液の効力が一番強いので歯みがきはしない。舌の筋力は健康寿命に直結

④口は閉じる。鼻呼吸を

⑤歯は閉じない

⑥薬は飲まない

⑦かかりつけ歯科衛生士を持つ

 

・起きたらすぐに「歯みがき」

・デンタルフロスを使う

・歯磨剤はつけない

・歯ブラシは一カ月以内に交換する

・デンタルフロスを常備する

・定期的に歯科医院で歯垢と歯石をとってもらう

 

・日本WHO:健康とは病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも社会的にもすべてが満たされた状態にあること