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http://booklog.jp/item/1/456969778X
副島氏の日本と世界の歴史観を示した書。
イギリスやアメリカ、そして中国から見た日本。彼らが19世紀、20世紀、21世紀の世界覇権国であり、彼らから見た歴史と対日政策、そして彼らに負けた第二次世界大戦。過去の出来事を紐解くことによって、日本と日本人、私たちのこれからの生き方が問われますね。
読書メモ↓
・中国の「義」の思想は正義でも仁義でもなく、義兄弟の思想
・日本人の知識人は自分たちが学んだ儒教が中国の学問であるので、どうしても中国に劣等感が抜けない
・文天祥の「正気の歌」が中世・近世・近現代の日本史を動かした
・日本は東アジア文明のその中のひとつの国民文化
・アメリカ軍が進駐軍としてやってきて、戦後民主主義教育を日本人に施して日本国民をアメリカ型デモクラシーで洗脳し始めた。それが日本保守言論人(江藤淳・石原慎太郎・武村健一・船井幸雄・森田実ら)をつくった
・(副島)私たちが断絶させられた東アジアの精神史を何とか復元しておきたい
・日本が戦争体制に突入したときに、知識人の側がこれを阻止することができなかった
・徳川氏は朱子学を称賛して正しい学問としたが、その後多くの武士階級の知識人たちがこれを疑い嫌い軽蔑するようになった
・富永仲基が神道(道教?)・仏教(インドの思想)・儒教(中国の思想)は三つともすべておかしい、日本は誠の道があってそれが正しいと説いた
・楠木正成は文天祥の日本版ということになって、忠君思想の体現者となって昭和時代まで崇められた
・平田篤胤の「出定笑語」は尊王攘夷の幕末革命の発火点となった
・幕府の公武合体論が本物の尊王攘夷だったが、途中から奇妙なねじれが起きて、薩長の悪人たちが尊王攘夷の旗を表面的には掲げながら、裏ではイギリスとつながって資金と軍事力をもらって「明治維新」を達成した
・吉田松陰も文天祥の再来
・中国人と話を合わせるには文天祥の話をすればうちとける
・中国で生まれた義の思想に感じ入って、日本のエリート層の武士階級や昭和の軍人たちの行動理念となった。さらに特攻隊の思想になった
・本当は特攻隊とは強制的に志願させられて、青年たちを追い詰めて殺した思想であるようだ
・保守言論人は支配国アメリカの言うことに忠実な人々。とにかく共産中国と中国人が嫌い。だからまんまと原爆を落とされた
・日本国内だけの偏った考えに囚われない、これは知識人としては必要不可欠
・日中は仲良くやっていくしかない
・私たちは、中国朝鮮から二千年間たくさんのことを習ってきた。今は文明度の点で逆転している。彼らからもらったものもあるからお返しもしなければならない
・日本は世界に負けたので世界に学ばなければならない
・かつて共産主義は理想社会の実現を求める知識人階級に人気があった
・歴史に学ぶことは大事。過去の人々の苦しみの中から出てきた知恵に学ぶ
・義とは巨大な悪でもある。正義という名の巨大な悪
・江戸の儒学者は、林家を除いて朱子学を学んだのに反朱子学となった
・先祖崇拝と仏教は何の関係もない。お釈迦様本人は、人間の死や葬式に関わるな、とはっきり言っている
・平家と源氏が二大派閥を作った。以後は武家内部の権力闘争を繰り返すことで日本の歴史が創られる。彼らは制度上は天皇の御所の守備隊
・富永仲基の「誠」の思想は松下幸之助に受け継がれた
・日本国の真の道は、戦争だけなしない、軍需産業を大きくしない、平和な貿易立国、高度産業国家として生きてゆくこと
・松下幸之助の「無税国家論」1978年に国家予算の一部(10%程度)を毎年積み立てることによって将来日本を無税国家にすることができる。100年経てば政府を運営できる余剰金が貯まる。富裕層への課税は続ける
・日本は口論もし、騙されてはいけないと身構えることも必要だが、戦争だけはしてはいけない。その思想を大事にすべき
・将軍家茂と孝明天皇の死去は暗殺されたのはないか?この歴史を解明する必要がある
・日本の神道は、日本固有のものではなくて、本当は中国伝来のものであり中国の道教そのもの。日本国民の大半の人々の生活の根底にある感情や思想は道教そのもの
・宗教の修行者は厳しい性欲抑制の修行をしなければいけないことになっているのが世界基準
・中公文庫「日本の歴史」が基本
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・仏教と儒教は偽善(富永)
・富永仲基は、現実主義の立場から当時の幕藩体制イデオロギーや神社仏閣の思想と闘った
・神国イデオロギーが暴走して国民がそれに騙されて民族排外主義に再び転落しないようにすること
・中国に対する日本人の複雑な感情は、根深い被害感情
・1870年代のエネルギー革命で石油が鯨油に取って替わった
・ロックフェラーは石油掘削成功の1859年に石油の仲買商人を始めた。これが今のロックフェラー帝国に
・現代、もう石油の時代が終わりつつある。次は天然ガスとメタンはいトレード、水素エネルギーの時代に
・エネルギーが解放されたとしても、人類の理想社会が地図現することはなく、富者と多数の貧困層からなる階級社会のまま続いてゆく
・ロスチャイルド家とロックフェラー家の両金融財閥の角逐と抗争が世界中でくりひろげられている
・アヘン戦争でイギリスは中国を植民地にしていった。イギリス駐留軍をボディガードにすることで清の帝国は存続していた
・維新の元勲と呼ばれる者たちは、世界史の大きな軸の中では、イギリス帝国の世界戦略の中に組み込まれていた
・グラバーやアーネストサトウのような戦略外交官によって導かれ育てられた人々がのちに明治の元勲と呼ばれるようになった
・太平天国の乱と日本の尊王攘夷運動は全く同じ性質のもの
・マッカーサーは対日戦争の英雄であり、日本占領軍の総司令官だったが、1950年の朝鮮戦争時にはトルーマン大統領との角逐が起き、1951年にトルーマンに本国に召還された。彼はダレスに失脚させられた
・幕末の四国艦隊による下関攻撃は、長州藩が関門海峡の外国船に砲撃を加えた「攘夷決行」への懲罰・報復だった
・イギリスは原住民の優秀な若い人材を選抜してイギリスに連れて育てて送り返す世界管理をやった
・京都の薩摩藩邸での薩長同盟(1866.1.22)に坂本龍馬はいなかった。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」は捏造である。世界基準と合致する日本史の諸史実を大きく表に出さなければならない
・19世紀の世界を支配した大英帝国のアフリカ経営をそのままアジア経営に視点を移せば同じ支配構造が見て取れる。インド、中国、日本に大英帝国が取った諸行動と重ね合わせてみることが重要。それが「歴史に学ぶ知恵」
・人類の世界史はその時々の帝国(世界覇権国)によって支配される。20世紀はイギリスに取って替わってアメリカが世界覇権国になった
・世界帝国軍は原住民の反乱軍に対して圧倒的に優勢だが、とどまり続けると、原住民の攘夷運動に包囲されて苦境に陥る。それが歴史に学ぶ知恵
・日本は満州までにしておくべきだった。日本は遅れて参入した頓馬な帝国主義者
・外国の領土に他国の軍隊がいたらそれは侵略である。そのように考えるのが国際社会の冷酷な見方
・対米戦争で勝てると思っている人がいなかったにもかかわらず、日本がああも無謀な戦争をしたのかは、おそらく外側からの大きな力が日本の指導者層を操ったから。それはNYの金融財界
・人間はという生物は愚かであり、60・70年にいっぺんは戦乱をしないと気が済まないのは歴史の法則
・1998年の外為法大改正で、外貨の導入を自由化し、日本の金融機関や大企業は次々と乗っ取られていった。それは1929年の金解禁で昭和恐慌を引き起こした状況とそっくりである
・1929年の世界恐慌により日本は金解禁を行ったが金が流出して昭和恐慌を引き起こしたが、本来は国内に立て籠もるべき案件だった。このとき世界の覇権が欧州ロスチャイルド家から米国ロックフェラー家に移った
・明治の初めから、三菱財閥はロックフェラー家の日本総代理人だった
・民政党=ロックフェラー=三菱VS政友会(今の自民党)=ロスチャイルド=三井
・民政党・官僚派の吉田茂が政友会・党人派の鳩山一郎を乗っ取った。本来は鳩山自由党が本流なのに、吉田自由党が日本の保守本流となったことによる大きなねじれが戦後の政界抗争につながっている
・ロスチャイルドは日本は中国と戦争をするな、と言い続けていた
・米内光政・井上成美・山本五十六の海軍三提督は愚将であるだけでなく、日本を戦争に引きずり込んだ張本人
・中国も北朝鮮もひどい独裁国家だが、日本はアジア人同士戦わず戦争だけはしてはいけない。それこそが真の愛国派・民族主義者
・間違っているものは謝罪すべき
・日本はアメリカの計略にまんまと乗せられて中国との戦争をさせられた
・原敬・犬養毅・高橋是清は「中国には経済援助をしても戦争はするな」とずっと主張していたが、三人とも政治テロで暗殺された
・日本は明らかにアメリカの属国
・満州国建国、第一次上海事変によって、日本は国際社会を敵に回した。現在の北朝鮮と変わらない
・米内光政は、第一次・第二次上海事変で陸軍に中国との全面戦争をさせた
・米内はアメリカのルーズベルトとロックフェラー家のエージェントだった
・相手に先に手を出させて悪者に仕立てて徹底的にたたくのはアメリカの常套手段
①1998年2月米西戦争の始まりとなったキューバハバナ港のメイン号爆破沈没はアメリカ自身の謀略
②1915年5月第一次世界大戦へのアメリカ参戦理由となった、イギリス客船ルシタニア号沈没は本当はアメリカによる自作自演
③1836年2月アラモの砦事件は、守備隊が襲われることが分かっていて見殺しにされた
④2001年9.11事件、真珠湾攻撃・・・
・阿南は終戦時自刃直前に「米内を斬れ」と叫んだ(山本と米内はアメリカと通じていた?)
・米国の石油禁輸とABCD包囲網により日本が太平洋戦争開戦に踏み切ったのはあくまで後付の理由で、実は米国が日本や中国など東アジア占領のために計画的に仕組んだもの
・20世紀とは米英の対立の世紀
・戦争はただただ資金力と軍事力の問題で決まる。歴史を調べてみると4年が限度
・私たちはどうせ戦争をやめない。それならそれに対処してどのように生きるかは、歴史に学ぶ知恵である

