○佐々木実
・自民党憲法改正草案は、日本国憲法と比べてみると、国家権力と国民の関係が逆転している
・復古主義と新自由主義の奇妙な同居という指摘
・憲法前文に「活力ある経済活動を通じて国を成長させる」があるのは、活力ある経済活動を通じて国を成長させるという成長戦略と見まがうような文言が憲法前文にわざわざ書き込まれている
・競争至上主義を徹底して世界で一番企業が活動しやすい国にすることが安倍政権の目標
○是枝裕和
・安倍政権から「伝統的家族観」が盛んに打ち出されているが、公権力がこういう家族観を目指すべき、とするのは実におこがましいこと
・憲法は時代に合わせて変わって然るべきだが、そもそも憲法は国家の国民に対する約束。根本的に憲法の意味を踏み外している人に委ねることはできない
・安倍首相から見ると、個人の権利を主張する人はみんな「左翼」にされ、共同体、日本的価値観を取り戻さないといけない、と指差されてしまう
・メディアも教育も、パブリックな部分を叩き潰し、ナショナルに回収していく動きが起き始めている
・地域共同体も家族共同体も壊れかけているときにナショナリズムは最も安易。それしか提示できないのは政治の貧困
○佐高信×小林節
小林
・どんな世界にも前科者はいる。人間は完全ではなく間違いを犯す生き物。間違いを犯したらしかるべき手続きをへて、罪を償えばゼロに戻るというのが刑事訴訟法の精神
・自由民主党には自由という文字が入っている。私が反自民党的になったら、「小林は反社と付き合っている」というなんて情報も。憲法には結社の自由がある。私が誰と付き合おうが私の勝手
・創価学会は権力と仲良くなっておけば安全だろうと考えた。日蓮聖人は信念のために命を捨てた人
・自民党の勉強会でも安倍さん本人にも、自衛隊を海外に派遣するには憲法を改正するしかないと何度も言ってきました。憲法は軍隊と交戦権を否定しているから。それなのに特措法でインド洋やイラクに自衛隊を派遣してしまった。裏切りは自民党の代名詞
・巨悪から加工された情報で社会的に抹殺されかかるなんて褒められているようなもの
○古館伊知郎
「テレビという情動のメディアで、反権力、反暴力、反戦争という姿勢は持ち続けようとやってきた。その自負はあります」
「中島岳志先生の「保守とは永遠の微調整」という言葉が好きなんです。変わらないためには変わり続けないといけない。全面的には変えられないけれど、少し位相をずらしましょう」「この永遠の微調整をしていくことが、いまの政権に欠けている本当の保守本流の政治ではないかと」
「テレビのニュースも保守の極みですからアナーキーなことはやれない。けれど、若い人たちは保守、リベラルと分けない無垢の柔軟性がある。さじ加減は難しいですが永遠の微調整をやっていく。テレビも新聞もあきらめないでほしい」