- 督促OL 修行日記 (文春文庫)/文藝春秋
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作者が延滞者へ催促をする過酷なコールセンターでの仕事の経験を通じて、自分を守りながら実績をあげていく過程を記した日記。
過酷な経験の中から作者が学んだこと、人間の心理からその心理や本質をわかりやすくさらっと教えてくれていることに感銘を受けます。また仕事姿勢にも見習うところあり。
・(榎本)もともと人に何か強く言える人間ではなかった
・コールセンターでは1時間60本電話する
・世の中にありとあらゆる後払いには、必ずその後ろに催促をしている人がいる
・カード会社のキャッシングカードを利用するお客様は
クレジットカードの方が消費者金融より敷居が低いからという人たち、
消費者金融からも借りられなくなり仕方なくクレジットカード会社でキャッシングをしている人たち
催促の部署にまわってくるのはほとんど後者
・貸金業法では催促は8時から21時までと決まっている
・朝の8時のスタート時間までに電話をかける準備を整える
・夜9時以降は催促状で手紙の時間
・コールセンターでは約束を守る確率は6割。4割は約束を破る。破った直後い電話し、交渉に罪悪感を利用する「お客様が〇日にご入金してくださると言うからお待ちしていたんですよ」
・脅迫めいたことを言われた場合「お客様、なにかお気にさわることでもありましたか?」と対応する
・人間の脳は疑問を投げかけられると、無意識にその回答を考えはじめる。「いつ入金いただくことが可能ですか?」と問う
・いきなり怒鳴られたら、その瞬間思いっきり足をつねったり、踏んづけたり下半身を刺激して反撃する。下肢には本当の気分が表れやすい
・お客様に入金の約束を破られてしまうのは交渉のスキルがないから
・「先にごめんなさい作戦」
お客様は催促の電話をかけてくる私たちに、怒られたり嫌なことを言われたりするんじゃないかという警戒心を抱いている。だから怒られる前に怒鳴る。私たちを怒ることで自分の身を守ろうとしている。だったら私たちの方がから先にお客様に謝ってしまえばよい。そうすれば相手の警戒心が解ける
・苦手なお客様を抱えず、得意なお客様を抱える
・お客様4タイプ
感情+ 怒るお客様 感情- 泣くお客様
論理+ 理詰めで攻撃するお客様 論理- 理屈が通じないお客様
感情タイプはガス抜き ひたすら怒り 泣いてもらう
論理タイプは上から催促しない。相手のプライドを満たす
・最後の言葉さえ印象がよければ、その会話全体の印象がよくなることもある
・仕事は、お金を稼ぐために、生活をしていくためにしなければいけないものだけど、人生にとって仕事がマイナスになったり不幸になるのはおかしい
・お客様に悪口を言われると腹が立つか、心が傷つく。人間には自尊心があるから
・自信がない人はプライドを高くすることで自分の心を守る。自尊心は消せないが埋めてしまえばいい
・催促やコールセンターの仕事は感情労働=自分の感情を抑制することでお金を得る
・「私は謝罪するプロだ」作戦。プロ意識を持つことは自分の心を守るため
・「悪口コレクション」1回怒られると1ポイント。たまると小さなご褒美を自分に
・相手を倒すには自分に自信を持つこと
・ゆっくりしゃべると自信がありそうに聞こえる
・謝るときのコツは具体的に謝ること「具体的な言葉」+「謝罪」
・催促するのはお客様の信用を守ることができるから
・謝罪の間に「ありがとうございます」をはさむ。黄金比は謝罪2お礼1
・大げさに気持ちを込める
・母国語が異なる多人種の欧米では、相手の表情やしぐさ、同人種が多い日本では見た目よりも声のトーンによって相手の印象を決める傾向が強い
・日本では「声」「服装」「体格」の順で印象を与えている
・声をきれいに出すように心がける
・ストレスを感じているときは自分自身が変化をしているということ。ストレスを感じることでその環境に適応できるようになる