半藤一利氏の「歴史に学ぶ」メモ。
・軍隊による安全という視点だけでなく軍隊からの安全という視点からも必要
・9条を受け入れた背景は殺し合いをしたくない、軍隊からの安全を求める思いもあった
・歴史が物語になってはいけない
・憲法が骨抜きにされるだけでなく、日米安保条約も骨抜きにされる
・日本が米国の戦争責任にどう向き合ってきたかという歴史の問題と安倍首相が見せている米国追従の姿勢にはつながりがある
・自衛隊の運用の在り方を決めるのが文官ではなく武官の側が全面に出てきている傾向が見え、外交防衛政策を軍によって規定されるのはいかに国を危うくするかは戦争の昭和史が教えるところ
・軍隊からの安全という意識は今の日本人には無い
・日本は地政学的に海岸線が長く敵からの攻撃を防ぎにくい弱みがあり、戦前は国土の外で国を守る戦略を採り結果的に悲惨な敗戦をした。
・海岸線に40基以上の原発がある状況
・武力だけで守ろうとしても守れない、貿易と外交力を軸にしたほうがいい、これは理想主義ではなく現実主義
・日本は一番になれない、自給自足もできず、借金が1,000兆円もある国が大国になれるわけがない
・憲法9条を守る、100年守ればこれは国の意思になるし海外の人々の戦争観に影響を与える。あと30年。
安保法案についての個人メモ
①そもそも憲法違反である
「戦力」でない実力組織の自衛隊は専守防衛がギリギリの憲法範囲でありそれ以上の活動は憲法改正が必要になる。立憲主義を理解せず憲法を守らない現政府をそもそも信用できるのか
②変わらない米国追従であること
「対米自立」を志向する安倍さんの信念でありながら、「対米従属」を一切変えないで対米自立を目指している矛盾。「戦後レジュームからの脱却」どころか戦後レジュームの強化という矛盾。
③米国の戦争により深く協力させられること
米国の戦争はベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争と明らかに間違った部分のある戦争をやってきているにもかかわらず日本政府としての検証を行っているとはいえない。米国問題のある戦争に協力させれることをより断れない状況になる可能性が格段に高まる。
また、アジア重視の米国が、米日関係よりも米中関係を重要視しているにもかかわらず、米中関係が緊密であるという視点に日本の政府中枢は乏しいのではないか
④そもそもの日本の安全保障は軍事力だけで守れない
海岸線の長さや原発の存在を考えるとそもそも軍事力のみの防衛はかなり難しい
今回の救いは、安保関連法に関して憲法観や安全保証体制などを通じて国民の政治への関心を取り戻したことに他なりません。政治が主権者の過半が反対する法案を通すことは関節民主主義の危機でもあるからです。