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- 創価学会と平和主義 (朝日新書)/朝日新聞出版
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・日本は受け入れ国の了承を得ずに自衛隊を派遣することはない
・閣議決定を行ったことで集団的自衛権による自衛隊の海外派兵は遠のいた
・閣議決定に書かれた内容は、従来の個別的自衛権や自衛隊がもつ警察権で対応できる事柄を集団的自衛権としてまとめ直したもの
・公明党が集団的自衛権行使容認に前のめりになる安倍政権のブレーキ役を果たした(その背後にある創価学会の宗教イデオロギーがあるから)
・安倍首相にとって、日米間の対等な関係をめぐるシンボルが集団的自衛権であり、言葉の上であっても行使容認を実現することによって日米は対等な関係になると信じているのではないか?祖父の悔しい思いを晴らすという構図であり、安倍首相のトラウマ
・外務官僚には湾岸戦争トラウマがある
・公開情報を取捨選択し、照らし合わせることで情報分析の80%はカバーできる
・平和主義を原理原則だけで主張しているだけでは、生活とも現実政治とも乖離してしまう
・反戦平和の理念が現実に影響を与えてこそ本物
・現代に生きる私たちは、国家から逃れることはできない。国家を定義する要素のひとつに、軍や警察などの暴力装置の独占があり、個人が装置と真っ向から対峙して勝ちを収めることは非常に困難
・池田大作「国家主義というのは、一種の宗教である。誤まれる宗教である。国のために人間がいるのではない。人間のために、人間が国をつくったのだ」
・国民の政治意識は極右、極左を除いたところに均一に分布している。政治意識が中道左派にある国民の利益を代表する政党が存在しない
・現実に影響を与えうる政党という観点からの選択肢は、消去法でいくと公明党と共産党しか残らない
公明党はナショナリズムを煽らない、共産党はナショナリズムに依拠している(反米・北朝鮮・ロシア・韓国)社民党は反米~近未来に警戒するところは排外主義を掲げた政党が誕生すること
・マルクス主義的な反戦平和思想は、ナショナリズムに飲み込まれてしまい、有効性を持てなくなっている
・グローバリズムは資本の移動も自由で、国家の拘束を受けず、資本の増殖がはかれるところに移動し、その利潤は資本家が独占する
・グローバリズムが達成されたとき、圧倒的多数の人は不幸になっている(中間層の没落)
・資本は国家を超越し、資本に国家が従属する資本主義への変貌していく
・池田大作「日本の植民地支配は、政治や経済面だけでなく、文化や精神面にも及んだ。どれだけ朝鮮半島の人々の心を蹂躙したか。この歴史を日本人は決して忘れてはならない」
・公明党は、創価学会の国家に対する距離感(会長が投獄された経験)SGI国際組織、鎌倉時代国家に弾圧された日蓮の縁起観、これらが創価学会の平和主義を形成している
・学会は皮膚感覚で国家権力の暴力性や恐ろしさを知っている、民衆と国家の間には強固な壁がある。それならば壁の向こう側に同志をつくって自分たちの理想を実現しようという発想にいたった
・丸山真男「自由は置き物のようにそこにあるのはなく、現実の行使によってだけ守られる、いいかえれば日々自由になろうとすることによって、はじめて自由でありうるということなのです」
・今後は移民増加というかたちで日本国内において国際化が進展することになる。国際的な組織を持つ創価学会が社会でより積極的な役割を果たし、日本の将来を形成していく
・ニコライ・ベルジャエフ「宗教を信じていない人は一人もいない、無神論者や無宗教者は、それぞのその名の宗教を信じている」
・近現代人が無意識のうちに信じている宗教が三つある
第一は「拝金教」 貨幣は商品交換、人間と人間の関係から生まれるにもかかわらず、人間は貨幣自体に価値や力があると思ってしまう
第二は「出世教」資本主義の競争原理がそのまま人生観になってしまっている。
第三が「ナショナリズム(国家主義)」自らの生命を国家や民族のために捧げるというのは、世俗的に変容した宗教である 人間が国家をつくったのであり、国家が人間をつくったのではない
これら人間がつくった宗教からどのように解放されるかが21世紀のわれわれが直面する問題